奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

事業的な建築物を計画する際の開業支援という設計デザインの側面、コンサルタント的なところは実は奥深くそれこそ丁寧な視点とマルチタスクの連続で視野の広さと深さが重要。

2022年11月12日 | 設計の事デザインの事

人生の潤いを生み出す暮らしの空間を

設計デザインのチカラで・・・・・。

やまぐち建築設計室ホームページ 

 

※過去の設計デザイン基本プランの提案事例のイメージ間取り・内科医院

 

よく考えられた場所は

人の思考や人生に

程よく寄り添います。

 

※医療モールでのテナント設計デザイン事例

 

建築には多種多様な用途(種類)があり

それぞれに使われ方がありますが、

例えば「医療系」の施設・・・・・。

 

クリニック・診療所等。

福祉的な建物であり

使われ方も業態によって

配慮の違いがあります。

 

法的な医療施設の取り扱いの違いや

各都道府県・市町村条例などでも

それらは細かく・・・・・。

 

いざ開業の為の準備をしようと思っても

さまざまな制約以外にも

ポイントがありますから。

 

同時に今現在、

クリニックを

開業しようと検討されている方は

「設計監理」という言葉を

耳にしたこともあるかもしれません。

 

昨日は少し「サロン」の設計について

事業系計画と

コンサルティングに少し触れたので

引き続き今日も少し

事業計画的な建物の事

設計・計画と事業展開という

基本的な建築の事業側からの側面。

 

コンサルティング的なところに

少し触れたいと思います。

 

クリニックの設計監理や

設計士という言葉について。

 

聞いたことがあっても

詳しく知らない言葉の意味も少し。

 

またクリニックを計画する際のポイント、

ありがちな失敗等、

そんな例を頭に入れた上で

開業準備を進める事をおススメしますよ。

 

先ずは基本論として

「設計監理」とは、「設計」と「監理」

という2つの言葉から成り立っています。

 

設計監理は建築士の資格を持っている人のみが

行える業務であり、

施工業者が図面通りに工事しているかどうか、

手抜き工事していないかどうか、

といったことを

確認するのがその業務内容です。

 

クライアント(事業主)との

打ち合わせから

プランの設計、設計図の作成、

見積もりの精査、

工事に関する作業や流れの確認、

建物の引き渡しの立会いなどを行う・・・・・。

 

設計事務所が

設計監理を行うのが一般的です。

 

建物を建てる際には設計図が必要ですが、

図面を描くことを「設計」といいます。

 

クライアントの要望を踏まえつつ

地域状況や法令、

事業の収支等周辺情報を整理整頓し、

実現できるような内容で

且つ最適解となるプランを考えます。

 

予算に合った材料を選ぶことや、

法律に則っているかを

確認することも重要・・・・・。

 

要望と予算、現実性と可能性

法律など、

さまざまな条件に合致する内容を考えて

図面に描き起こす事が設計となります。

 

「監理」は設計と比べて

聞き慣れない言葉かもしれませんが、

設計した内容通り

現場での作業が進んでいるかの

チェックを行うことです。

 

施工会社(工事を行う工務店等)に

設計図を渡しただけでは、

図面の内容が正しく

伝わるかどうかは分かりません。

 

図面を見ただけでは

伝わらないような内容を

施工業者(工事を行う工務店など)に伝えること、

クライアントの代理人として

現場での打ち合わせを行うこと、

複雑なマルチタスクである

現場での工事内容を

整理整頓しクライアントに

伝えつつ工事という事業が

進むようにすることが「監理」の業務となります。

 

工事監理は、

先に書いたように

クライアントの代理人として

工事進行中に

そのような監業務を行います。

 

その一方で工事管理は、

工事を行う施工業者(工事業者)の

行う作業の事を指します。

 

工程の計画や職人の手配といった

工程管理、

材料の管理や安全管理など、

実際に工事現場を動かす責任のことです。

 

工事管理者だけでは、

図面通りに工事が

行われているかどうかを

設計事務所が確認することはできません。

 

工事監理者はクライアントの

利益を守るために

現場の工事管理者と

衝突することもありますが、

工事監理者の存在意義はそこにあります。

 

建築業界には、

建築士や設計士など、

一般の人にとっては

明確な違いが分からない職業域があります。

 

事業性の建物だけに

限った事ではありませんが

そういう場面では「設計士」という言葉を

耳にするかもしれませんが、

「建築士」とは何が違うのか?。

 

設計事務所と関わる機会が増える人にとって、

知っておいて損はありませんので

違いを少し・・・・・。

 

設計士よりも

聞き馴染みがある「建築士」ですが、

一級建築士や二級建築士、

木造建築士の3種類がある国家資格です。

 

資格ごとに設計できる

建築物の規模等が異なりますが、

業務内容としては

要約すると

設計図の作成や現場への

指示などがあります。

 

また設計監理の業務は

設計士ではなく

建築士が行うことになっています。

 

国家資格である建築士に対して、

設計士というのは

資格を有する人のことではありません。

 

建築士の資格がなく、

設計の補助を行う人のことを

設計士と呼ぶこともあります。

 

そのため建築会社や設計事務所で

働きながら建築士の資格を

目指している人が「設計士」と呼ばれたり

プランや会社でコンシェルジュと

呼ばれるような方が役割的に

自称することも。

 

すこし脱線しましたが

話しを元に戻すと、

クリニックを開業するのであれば、

当然計画として建物の設計を

進めていかなければなりません。

 

クリニックで働く医師や看護師、

スタッフの動線ももちろん大切ですが、

それ以外にも

つい見落としてしまいがちな

ポイントもありますよ・・・・・。

 

クリニックを設計するときに

チェックしておきたい思考の変換。

 

それぞれが役割を持って

働く場でもありますが、

同時に患者様が訪れる場所

でもあることを忘れてはなりません。

 

飲食店やサロン等もそうですが

その建物を使う人が

限定されている訳ではありませんので

俯瞰でモノゴトを考えつつ

広い視野からの見地と知見が必要。

 

患者様にとって

医療の質はもちろんのこと、

リラックスして

治療を受けられる空間や

スタッフのサービスも求められています。

 

第一フェーズの範囲で

設計の入り口としては

空間づくりなので、

属性を加味したうえで

患者様がどのような空間であれば

リラックスして過ごせるかを

考える必要があります。

 

だけどそこは「事業全体」で

考えた際には

根本となる範囲なので

提案の内容と

先見性の質はポイント。

 

 

つまり機能性だけでは無い

視野が重要で

ソフト面とハード面を考える側面。

 

待合室や診療室の床や壁の色や

照明の明るさといったデザイン面。

 

心を落ち着けたいクリニックの

壁の色があまりに派手であったり

照明が明るすぎたりすると

逆効果も発生しやすくなります。

 

場合によっては

待合中の患者様の緊張の度合いも

異なるので

そうなっては「落ち着かない」患者様も

いるかもしれません。

 

心理的な効能とカラーセラピーの側面からも

アイボリーやベージュ、

淡い水色やピンクなど

待合室に関する家具などを含めて

あたたかい印象を与える色の中から

空間構成を検討する事が重要です。

 

年齢層によっては身体的な衰えの範囲から

目の機能も衰えるので

年齢層が高くなると

視野が狭くなり見えにくい現象も起こるのですが

照明は眩しいと感じないような

明るさにすると無難です。

 

患者様側でクリニックに行ったときに

気になる人が多いポイントとして、

待合室での他の患者様との

距離があげられます。

 

身体的特徴や動作も関連するのですが

待合室が狭いと

他の患者様との距離が

近くなってしまうため、

ある程度のスペースが必要です。

 

診察などの根本的な範囲以外の

周辺要素に関する価値のあり方も

人の心理的なトリガーの中には

組み込んで考える事が重要・・・・・・。

 

クリニックでは

待合室で過ごす時間が長いため、

待ち時間を快適に感じる事

過ごすための案も

考えておく事。

 

そんな快適性にも関連しますが

待ち時間が長ければ

患者様がトイレを利用されることも

多々あります。

 

クリニック内にトイレが一つしかないと

そういう意味での、

混雑の原因にもなりかねません。

 

飲食店等と同様に

清潔感が重要である

クリニックのトイレは

そういう状態となると

汚れていると目につきやすくもなりますから、

お手入れのしやすいトイレ空間を

考える事も重要・・・・・。

 

クリニックを開業してからの

想定をしていたとしても、

設計の段階での考慮の深さが

きちんとしていないと

実際に運用ができたとしても

失敗の連続で本分に集中出来なくなります。

 

住宅設計と同じく

キチンと配慮がなされていないと

使う程・・・ストレスが溜まる

というような状態になりかねませんから。

 

設計や計画時の内容がきちんと具体的に

なっているほど

開業後の想像をしやすくなります。

 

単純な話しなのですが

意外にカルテの収納が追いつかないという

失敗例をよく耳にします。

 

患者様が増えれば増えるほど

カルテの数も増えていきます。

 

最近は電子カルテの導入が進んでいますが、

紙に印刷した状態で

保管しているという場合は

やはりカルテの収納棚が必要です。

 

紙ベースでカルテを

保管していなかったとしても、

その他に紙ベースの書類は

たくさんあるため、

収納は適所に事業形態に沿うように

存在させることが重要。

 

考えが浅く

開業して直ぐに収納が足りない

といった事にならないように・・・・・・。

 

また開業する「診療科目」によっては

必要となる保管の違いも存在するので

そこのところも計画性を

重視するように・・・・・。

 

ある程度までは

患者様の視点で

設計することの大切さをご紹介しましたが、

それだけを重視していると

院長や関連スタッフにとっての

動線や仕事の環境が

悪くなってしまうこともありますから

今度は働く側の視点も少し・・・・・。

 

スタッフが業務を行うとき、

患者様との接触が

少なく済むような動線(人の動き)にすると

業務がスムーズに進みやすくなります。

 

患者様とのコミュニケーションは大切ですが、

診察時間以外の時間に

患者様に話しかけられることが多いと

業務が止まってしまうことがあるためです。

 

スタッフの業務が進まなければ

患者様の回転が遅くなることにも

つながるため意外と重要な

ポイントとなります。

 

他にも患者様のプライバシー的な

スタッフ同士の会話を

患者様に聞かれないため、

バタバタしている様子を見せないため、

といった意味もあります。

 

クリニックの設計というよりは

開業準備の段階の内容ですが、

住宅計画同様に

立地選びも重要です。

 

開業場所を選ぶ際には、

エリアや人通りが重要ですが、

立地が悪いと

患者様が増えない原因のひとつにもなります。

 

地域環境などにもよりますが

車での移動、電車、バス、タクシー、

徒歩、自転車・・・・etc。

 

認知しやすい場所、

道路の幅や通行量

出入りのしやすさなども含めて

移動の視点です。

 

検討に検討を重ねて選ぶ事・・・・・・。

 

クリニックでは、

受付と患者様のやり取り、

待合室での会話、

診療室での診察中のやり取りなど、

さまざまなところで

会話が繰り広げられます。

 

クリニック内では

診療が滞らないように

静かに過ごすことがマナーですが、

防音性が足りない設計だと

会話が漏れてくることもあります。

 

特に診療室での会話が

待合室に聞こえてしまうと

患者様は不快に感じてしまいがちです。

 

自身に置き換えて考えると

分かりやすいかも知れませんが

それぞれの「常識と感度の違い」も視野に。

 

診療室と待合室を隣り合わせにしない、

防音構成の性能の判断等・・・・etc。

 

組み合わせや考え方は

いくらでも存在します。

 

クリニックを開業だけではなくて

様々な事業形態の基本となるところを

考えつつも業務のリアルを

底で支える設計の違いは重要ですから。

 

ある種のマーケテイングは

設計でいうリサーチですから

奥深いリサーチがどれだけ大切な事なのか?

 

開業などに関しての

コンサルティングが持つ意味は

実は本当に深いところに存在していますよ。

 

クリニックに限った話し

ではありませんけど

事業的な側面のある建物も

設計の基本から考える事は大切に。

 

ソフト面とハード面のバランスを

魅力として味わう場所の意味を

設計とデザインの付加価値で

丁寧に考えてみませんか?。

 

◼️設計デザインの問い合わせ
ご相談・ご質問・ご依頼等は
やまぐち建築設計室
オフィシャルホームページ

お問い合わせフォームから
お申し込みください。
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やまぐち建築設計室
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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