日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

続・医師の試練、・・・?!

2010-03-31 15:50:03 | Weblog
 初めは、「こんないいかげんな事をしていて、いいのか?」って感じで、何度も自分を責めて、落ち込む。
 例えば、熱で来院したとする。熱で、「ああ、単なるウイルスによる風邪ですよ。」と言ったとしても、100%そうだとは限らない。それは、確率的なものでしかない。
 風邪で、熱や咳や鼻水や下痢があっても、症状を取るだけで、西洋医学では、いい薬が無い。それがいいと言う保証はない(むしろ、治りを悪くしているケースもあるはず)。風邪の大半は、ウイルス、それに、解熱剤と抗生物質を上げれば、その副作用の方が怖いかな?(事実、小児科では、薬の副作用の中では、解熱剤と抗生物質が一番多い!)。
 生活習慣病にしても、まず、生活改善を優先させるべきで、それで駄目なら、副作用を覚悟で薬と言うことになるべき。はっきりとした病名が付く前の未病の段階で、適切な医療のアドバイスをして患者さんがそれを実行していれば、医療費も、かなり削減できると思うのだが(かなりどころじゃないと思うが)・・・?!
 どうすべきか迷って、後になって、結果を見て、判断できることが多い。どんなに名医でも、初診だと、その的確な判断は、いつも診ている医師(かかりつけ医)よりも難しいはず。しかし、別の医師が専門的知識で診て、新たに分かることも確かにあるが。
 しばらく経験をしていると、経過を診て判断することの大切さを知ってくる。いつも同じ医師が診ていることの大切さも知ってくると同時に、限界も知ってくる。それに、いい医療をするには、そんな医師だけいればいい訳ではない。ナースや、検査技師や、レントゲン技師や、薬剤師など、実にいろんな人の協力があってこそ、やっと出来ること。その時携わった医師にも、限界と思えば、送り先の病院の確保も必要となる。
 →で、医療は、(患者さんを含めて)多くの人の協力で成せるものだ!との結論に達する。スタッフがいつも万全の構えではない。
 休みの日や時間外では、尚更だ。特にスタッフの少ない産科や小児科では、時間外の診療を無視する訳にはいかない。又、 どこの病院も、それぞれに限界がある。判断に少し迷っただけで別の所にポンポン紹介する訳にもいかない。
 阪神・淡路大震災の時、駆け付けた医師の多くが、停電の中では、高価な医療機器が使えなかった。聴診器一本で頑張らなければいけなかった。その時、一番活躍できたのは、やはり、第一線の開業医だったとのこと、・・・?!
 患者さんが亡くなった時、隣の部屋でドクター等がテレビを見ていて、笑っていたとのことで、訴訟になったケースがある。
 医師は、個人的なことで悩んでいても、患者さんの前では、常に平静な態度で接しないといけない。難解な医学用語も、素人への説明には、御法度だ。本人の前で、告知出来ないケースもあり、ポーカーフェイスを演じなければいけないこともある。ちょっとした一言で、患者さんがその後、苦しむこともある。
 あるドクターが、初期の胃ガンを見つけて、「ガンです。しかし、幸いに初期です。100%治ります。」って感じで説明した。そのドクターにとっては、ごく初期のガンを見つけたこどで、非常に満足していた。しかし、その後、その患者が来院することはなかった。後日、その患者さんは、自殺してしまったのである。患者さんの受け止め方は、それぞれ皆違う!
 医師は、いろんな事を経験して、患者さんから育てられて、成長して行けるのではないでしょうか、・・・?!
(平成22年3月31日記載)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医師になってからの試練って、・・・?!

2010-03-31 08:51:59 | Weblog
 晴れて医師に合格して、医師なってからの試練って、何だろうか?
1、まず、経済学って感じかな?
 初めの2年間は、1カ月30万×12カ月(税込)って計算で、年間360万円(これでも、大学病院の上司よりも高額ってことあり?!)。で、バイト禁止で、後はなし。これで、高価な専門書を買ったり、勉学の為に学会にも行くとなると、正に、変な経済学を勉強しないといけないって感じになるかな?!大都会だと、家賃が高くて、親からの仕送りがないと維持できないケースもあるはず?!
2、卒後教育の不徹底さ。
 初めは、責任を取らされても、何も出来ない。しかも、ちゃんとした教育も、されない。
 施設にもよるだろうが、・・・一応主治医になっても、初めは何も出来ない感じ。名医があっと言う間に、ヤブ医に転落する。教科書通りに行かない事ばかりってことに気が付く。
 実際のナースへの指示のテキストがない!おまけに、採血も、ナースよりも下手。周りも、まだ、一人前と見てくれない(当たり前)。で、時々、コメディカルから試される感じの質問を受けることも?!・・・で、しばらくノイローゼ気味になっても、不思議でないかな。
 困った時に上の人に尋ねると、上司も忙しそうで、肝心の時に現場に来れなかったりすることが多い。そんな時、益々、不安一杯で毎日を過ごすことになるかな?!
3、仕事の多さ。
 医師の免許を手にして、患者さんの主治医になって、改めて驚くこと・・・→書かなければいけないことが何と多いことか!!(特に昨今は)
 入院となると、話を聞いての詳細な「カルテ記載」に始まって、「診療情報提供書」を書いて、患者さん側に渡し、病棟のナースへ、内服や注射や検査の「指示」を書き、内服や注射の「処方箋」を出し(書き損じると、後でそれなりに修正が大変)、その後、毎日診察して、経過をカルテに記載して行くことになる。他の科に依頼したりする時は、しっかりと紹介状を書かないといけない。退院時には、「退院処方」と「退院証明書」を書いて患者さん側に渡さないといけない。そして、入院の「まとめ」を出来るだけ早く書かないといけない。患者さんが生命保険などに入っていると、その証明書も主治医が当然書くことになる。
 医師の仕事は、これだけではない。健診に駆り出されたり、急に他の患者さんの主治医をしばらく任されたり、勉強会に出席したり、本で勉強したり、上司の回診、医局会、会議など。数年して、当直をするとなると、自分の専門の科以外に、他の科の患者さんも見らざるを得なくなる(日本の医師の場合、その多くが、当直明けも普通に診療することになるが。それも、月に*回)。
4、時間外の拘束。
 (施設にもよるが)深夜でも電話がかかることが多い。状態が良くない時、家に帰っても気になる。寝る前も、気になる。夢にも出てくることもあるかな。恋人と土日にデートの約束をしていても、電話がかかると、さて、どうするべきか、・・・何て悩むことになるかな。
5、いろんな悩みが山積して来る中で、自分の将来の在り方を考える様になる。道は、3つしかない。大学に残って研究医になるか、大学を出て勤務医になるか、それとも、開業医になるか。そのどれを取っても、それなりに、今は、大きな問題があることに、次第に気が付いてくる。それに、結婚前の人の場合は、婚活、結婚している人で子どもさんがいる場合は、子育ての問題で。
6、で、一番難儀するのは、その忙しさよりも、多くの人との人間関係ではないだろうか、・・・?!
 コメディカルとのコミュニケーション、患者さんとのコミュニケーション、同じ部署の人たちとのコミュニケーション、・・・これ等がやはり一番難しいかな。家族持ちは、家族とのコミュニケーションを上手に取ることも必須だし。
7、訴訟の問題。
 これは、避けて通れない。最善を尽くしても、訴えられること、あるのです。私も、経験あります。訴訟となると、例え勝っても、その間、モチベーションが確実に落ちます。悲しいことですが、・・・。
8、命を預かっている医師に、悩みは、尽きない。
 悩みにちゃんと適切なアドバイスを授けてくれる人がいればいいが、・・・しかし、最後は、自分の責任で決めざるを得ないことも多い。それは、医療以外のことでも。
 そんな時、自分なりに息抜きする方法を見出すしかない。・・・→夜の街にしばしば出かける人もいるだろう。「ノム」「ウツ」「カウ」にめり込んでしまう人もいるだろう。イライラして周りに当たる人もいる。鬱になったりする人もいる。やはり、自分なりのいい息抜き方法を探すべきです。いい趣味があるといいですね。
9、まだまだ試練が沢山あるけど、当然、いい事もあります。
 それは、まず、生き甲斐があります。時間外など、その時は、ホントきついけど、患者さんが元気になってくれた時、やはり、とても嬉しいです。
 患者さんと触れ合う中で、楽しいこと、しばしばです。(小児科だと)赤ちゃんや小さな子どもを見ていると、子どもは嘘を言わないだけに、ホント楽しいですヨ。
 それに、患者さんから(無料で)いろんなことを教えてもらえます。例え、亡くなっても。こちらが与える以上に。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする