ワンコお告げ本は読みながらも、何カ月もそのご報告ができないままでいる。それをタイムマジックを使って何とかするには、もう時間がたちすぎているので、数か月分のお告げ本をアトランダムに記録しておく。
令和4年 夏
無理が効かなくなってきたという体力的な問題もあるし、こうありたいと願う姿と自分にできる能力容量の問題の乖離が心苦しいというのもあるし、世間で起こってくる色々様々を見ていると どうせロクな時代はこないという諦観と、あれこれ思いはゴチャゴチャになり、すべきことをする以外の時間的余裕も気力も湧いてこなかった。
もうかなり長い間、そんな思いを引きづっている。
そんな私にワンコが届けた一冊が、この本だ。
「ミカエルの鼓動」(柚木裕子)
本書は、大学病院で繰り広げられる、手術ロボット「ミカエル」を用いる最先端医療派と従来の術式の精度をあげることに拘る派の争いを通して、医療のあり方を問う物語だ。
幸いなことに本書の両派のトップは、最終的には自分の手法に拘泥せず患者優先の道を選ぶので読後感は悪くはないが、世の中そうそう良識をもった常識人ばかりではなく、しょーもない面子に拘り二者択一の両極端に走ったり、第三者的立場で俯瞰的にものをみることが出来ずに極端に走ったり、そうして両極端に割れさせておいて漁夫の利を決め込んでいる質の悪いのが蔓延ったりしているので、お手上げだ。そういえば最近は(コロナ全数把握などで)、100を目指してやっていながら60くらいで限界を訴え、あるべき目盛りを0にしようとする極端派も出てきている。
あまり不満ばかり書いていても仕方ないので、本書の印象に残った言葉を記しておこうと思う。
仏頂面ばかりしている医師に、「患者が笑っているのに健康な医師が笑わないのはなぜだ。あんたが抱えている悩みなんか、病を患っている俺からすれば些細なことだ。そんなもん猫にやっちまえ」と言う。ここまでは、まぁありきたりだが、続く言葉が唐突なだけに、印象に残った。(『 』「ミカエルの鼓動」より引用)
「山に登れば答えが見つかるー」
「先のことはそのとき考えればいい。いまは目の前にあることをするだけだ」
この言葉も胸に上高地に向かったが、答えが見つからなかったのは、上高地の地べたを歩いていただけで山に登らなかったからか?
そもそも何の答えを求めていたのかも分からないほど混沌としているような気もするが、今は「いまは目の前にあることをするだけだ」を胸に頑張ってみようと思っている。
活火山の焼岳は先月まで入山規制がかかっていた
自然は厳しいが、生きているから美しいのだと思う