しっかしさ、ワンコも面白い悪戯をするよね
例の言葉は、今年の流行語大賞嫌なヤツ部門一位をとって然るべきだと思っていたのだけれど、
それを、よりにもよって先月30日に読ませるなんて、
ワンコの悪戯心に思わす笑ってしまったよ
『身の丈』
兄の一世一代の儀式には「身の丈にあったものせよ」とにケチをつけながら、その儀式に自分が真っ新な装束を新調することや50億もの費用をかけて住まいを増改築ことには何の疑問も感じないとか、真面目に真剣に受験勉強している生徒たちには「身の丈に合わせて頑張って」と言いながら、お仲間たちは受験産業からの便宜供与に天下り等ズブズブの関係だとか。
およそ人さまに「身の丈」云々を言えない人たちが、身の程知らずの発言をするから世の中おかしなことになってしまう。
そんなことの象徴のような日、ワンコお勧めの本「贖罪」(湊かなえ)に、「身の丈」の言葉を見つけたのだから、
ワンコのブラックユーモア―には参ったよ。
『身の丈にあった人生を送らなければならない。
これは、物心ついたl頃から、うちのおじいちゃんによく聞かされた話。
人はすべて平等だなんて思ってはいけない。
生まれたときから、それぞれが与えられているものは違うのだから。
貧乏人が金持ちのフリをしてはいけない。
バカが学者のフリをしてはいけない。
貧乏人は慎ましさの中にに幸せを求め、バカはバカなりにできることを一生懸命がんばればいいのだ。
身の丈以上のものを求めようとすれば、不幸になるだけ。
お天道様はしっかりとみているのだから、バチがあたる。』(『 』「贖罪」より)
人はすべて平等だなんて思ってはいけない。
生まれたときから、それぞれが与えられているものは違うのだから。
貧乏人が金持ちのフリをしてはいけない。
バカが学者のフリをしてはいけない。
貧乏人は慎ましさの中にに幸せを求め、バカはバカなりにできることを一生懸命がんばればいいのだ。
身の丈以上のものを求めようとすれば、不幸になるだけ。
お天道様はしっかりとみているのだから、バチがあたる。』(『 』「贖罪」より)
「贖罪」は、一緒に遊んでいた美少女が、目の前で連れていかれて殺されてしまったのに、犯人の顔を思い出せず事件が迷宮入りとなってしまったことから人生の歯車を違えてしまった少女たちの話なのだけど、その内の一人が、身の丈にあった人生を送るようにおじいちゃんから聞かされていたんだよ。
その少女は、勉強は苦手だけれど運動神経は良かったし、体型がガッチリしてるけど顔は悪くなかったし、周りの皆も似たり寄ったりだから、世の中を不平等とは感じてなかったのに、おじいちゃんは少女を不器量と決めつけたうえで、それを慰め励ますために「身の丈」云々を言って聞かせ、逆に少女を傷つけ、前向きに生きる生気を少女から奪ってしまう。
こうしてみるとさ、
「身の丈」というのは、一見至極まともなことを言ってるようだけど、
実はあまり自分自身に向けては使わないんじゃないかな?
何かを諦めさせるために、周囲の人間が言って聞かせることが多いんじゃないかな?
でもって、諦めてくれた方が、周囲の人間にとって都合がいいことが多いんじゃないかな?
年齢的に(少しは)説教を垂れる機会も出てきているけれど、
可能性を小さくまとめてしまう「身の丈」なんて言葉は決して使わず、
自分こそ「身の程知らず」という誹りを受けないよう、研鑽を積んでいかないといけないね
さてさて、ワンコ
ワンコが本を勧めてくれるおかげで、このくそ忙しいなかでも本を読み続けることができること
本当に感謝しているよ
このところワンコが勧めてくれる本は、魂を揺すぶられる名言が散りばめられるものでもなければ生き方を変える一冊!とかでもないけれど、単純に純粋に本に集中する楽しい時間を持たせてくれるから、ありがたいよ
このくそ忙しい生活は当分続きそうだから、ワンコお勧めの本だけが頼りだよ
来年もよろしくお願いするね ワンコ
21年心の宝でいてくれてありがとう ワンコ
注
この文は2019年12月末に書いたが、(掲載は)時間マジックを使っている。
よって本文の「先月30日」は、11月30日のこと。