ワンコ
ワンコが天上界の住犬になって三年と5か月
ワンコと過ごした最後の6月も肌寒い日が多く、何度か片付け忘れたストーブをつけたのを思いだす
梅雨寒の6月だよ

少し前から庭仕事が億劫になっていた御大がついに菖蒲の世話を放棄してしまったから、
今年は、ワンコにお知らせできるような菖蒲は咲かなかったよ
私も忙しく、ほとんど庭仕事ができない日々だから、寂しい庭なのだけど、
今日ワンコ・ピンクの花が咲いて、少し華やいだ雰囲気だよ
男前で凛々しいワンコなのに、なぜか優しいピンクをまとっていたワンコ
そんなピンクが今日咲いたから、ワンコを強く感じたよ ワンコ
忙しくても本を読め!という指令に基づき、少しずつ読んではいるのだけど、
それを記録しておく時間がないさ
でもって、今月のお告げの本はまだ全部は読めてないんだよ
だから読み終わった時には、また違う感想を持つかもしれないけれど、
ワンコの日なので、ワンコつながりの感想をまず記しておくね ワンコ
「ドクター・デスの遺産」(中山七里)
ドクター・キリコならぬドクター・デスと称する安楽死請負人と、それを追う刑事の推理モノだよ
医療系の本は好きだけど、作者が医療従事者でないものは、逆に避けているのは、ワンコも知っているだろう
著者の中山七里氏の本を読んだことはないし、医療従事者でもないから、迷ったのだけど、
帯に、大文字で「死ぬ権利を与えてくれ」とあり、
続けて「安らかな死をもたらす白衣の訪問者は、聖人か悪魔か」とあったから、
いろいろ思い出してさ 読み始めたんだよ
ワンコがお空にゆく前の半年ほど、
夜中になると、切ないような夜鳴きをするようになったね
どこか痛いところがあるのじゃないか、とワンコ先生に相談したけれど、
「それは認知症の犬特有の鳴き方なんですよ」
「介護する側がまいってしまっては、犬がかわいそうだから、心配しないで寝て下さい」と。
それから始まったワンコの丑三つ時散歩
夜中や明け方にワンコと見る月や星の神々しさは格別で、
私にとっては愛おしい時間でもあったけれど、
連日の寝不足で体はフラフラになっていた、
ちょうどその頃、19歳のわんこを看取った上司がおっしゃったんだよ
「ワンコは偉いね
人はポックリ逝きたいなんて言うけれど、それは本人の勝手で、残された者はたまったものじゃない。
ワンコは少しづつ、家族が心の準備をする時間をくれてるんだ」と。
それから数か月、
いよいよ軽くなってしまったワンコに点滴を、とお願いする私に、
ワンコお気に入りの美人先生はおっしゃったね
「人間でいうところの胃瘻のようなことも出来なくはないです。
あらゆる技術を使えば、心臓を動かし続けることは、可能かもしれません。
でも、それは わんこが苦しむ時間を長くするだけですよ。
温かくなれば、どんなに丁寧に介護しても床ずれが起りかねない、
そうすれば、そこにウジだって湧きかねない。
そんな思いをわんこにさせたいですか?
自然の流れに任せましょう」と。
それでも私は、何も決めることができなかった
すっかり軽くなってしまったワンコを抱いて、点滴に通うことしかできなかった
だからワンコはあの日、家族皆で寝ようと誘って、
そうしてお空に旅立ったんだね
それまでの暖冬が嘘のように急激に冷え込んだから、
「今日は皆で枕を並べて寝よう」と言って、ワンコを囲んで眠ったね
あの夜は、ワンコは気持ちよさそうな寝息をたててスヤスヤ眠っていたね
それに安心して皆、久しぶりに熟睡して、
朝目覚めると、ワンコはお空へ旅立つところだったんだね
私の腕のなかで、
眠りながら笑いながら、眠っていったワンコの笑顔は、今も瞼に焼き付いているよ ワンコ
ワンコがさ
私たちに決断させないよう、出発の時を自分で決めてくれたから、
悲しみに暮れるだけの三年と5か月だったけど、
このところ立て続けに届く訃報に思うところはありながら、
忙しさにかまけて、きちんと向き合っていなかったから、
ワンコは本書をお告げしてくれたんだね
皆で笑顔で見送る、100歳を前にした大往生もあれば、
長患いの末に食事を拒否しての最期もあったよ
・・・その亡骸に孫三人が「いじめてゴメンね」と手紙を添えているのを見た時には、胸がつぶれたよ
本書はさ、帯によると、
「警視庁vs闇の医師」「どんでん返しの帝王が放つ、息もつかせぬ警察医療ミステリー」らしいから、
読み終えた時には、今とは違う感想を持っているかもしれないけれど、
「死ぬ権利を与えてくれ」というインパクトのある言葉は、
人生も後半戦に入ろうとしている今、
命にキチンと向き合えという、ワンコのメッセージにも思えたよ
読み終えて報告書を書けるのが何時になるか分からないけれど、
キチンと考えてみるよ ワンコ
その切っ掛けをくれてありがとう ワンコ
ところでさ、上の日本酒の写真が気になっているだろう
父の日に、久しぶりに皆で日本酒を呑もうと選んだお酒なんだよ
なんだか、たくさん神様がいるお酒を飲むとイイことがありそうな気がして選んだのだけど、
あれほどお酒が好きだった父が、私たちに頻繁に注いでくれるから、
ちょっと寂しいような気がしたよ
でも、たくさんの神様に守ってもらって、それぞれ元気に頑張るよ ワンコ
またの報告を楽しみにしててね ワンコ
ワンコが天上界の住犬になって三年と5か月
ワンコと過ごした最後の6月も肌寒い日が多く、何度か片付け忘れたストーブをつけたのを思いだす
梅雨寒の6月だよ


少し前から庭仕事が億劫になっていた御大がついに菖蒲の世話を放棄してしまったから、
今年は、ワンコにお知らせできるような菖蒲は咲かなかったよ
私も忙しく、ほとんど庭仕事ができない日々だから、寂しい庭なのだけど、
今日ワンコ・ピンクの花が咲いて、少し華やいだ雰囲気だよ
男前で凛々しいワンコなのに、なぜか優しいピンクをまとっていたワンコ
そんなピンクが今日咲いたから、ワンコを強く感じたよ ワンコ
忙しくても本を読め!という指令に基づき、少しずつ読んではいるのだけど、
それを記録しておく時間がないさ
でもって、今月のお告げの本はまだ全部は読めてないんだよ
だから読み終わった時には、また違う感想を持つかもしれないけれど、
ワンコの日なので、ワンコつながりの感想をまず記しておくね ワンコ
「ドクター・デスの遺産」(中山七里)
ドクター・キリコならぬドクター・デスと称する安楽死請負人と、それを追う刑事の推理モノだよ
医療系の本は好きだけど、作者が医療従事者でないものは、逆に避けているのは、ワンコも知っているだろう
著者の中山七里氏の本を読んだことはないし、医療従事者でもないから、迷ったのだけど、
帯に、大文字で「死ぬ権利を与えてくれ」とあり、
続けて「安らかな死をもたらす白衣の訪問者は、聖人か悪魔か」とあったから、
いろいろ思い出してさ 読み始めたんだよ
ワンコがお空にゆく前の半年ほど、
夜中になると、切ないような夜鳴きをするようになったね
どこか痛いところがあるのじゃないか、とワンコ先生に相談したけれど、
「それは認知症の犬特有の鳴き方なんですよ」
「介護する側がまいってしまっては、犬がかわいそうだから、心配しないで寝て下さい」と。
それから始まったワンコの丑三つ時散歩
夜中や明け方にワンコと見る月や星の神々しさは格別で、
私にとっては愛おしい時間でもあったけれど、
連日の寝不足で体はフラフラになっていた、
ちょうどその頃、19歳のわんこを看取った上司がおっしゃったんだよ
「ワンコは偉いね
人はポックリ逝きたいなんて言うけれど、それは本人の勝手で、残された者はたまったものじゃない。
ワンコは少しづつ、家族が心の準備をする時間をくれてるんだ」と。
それから数か月、
いよいよ軽くなってしまったワンコに点滴を、とお願いする私に、
ワンコお気に入りの美人先生はおっしゃったね
「人間でいうところの胃瘻のようなことも出来なくはないです。
あらゆる技術を使えば、心臓を動かし続けることは、可能かもしれません。
でも、それは わんこが苦しむ時間を長くするだけですよ。
温かくなれば、どんなに丁寧に介護しても床ずれが起りかねない、
そうすれば、そこにウジだって湧きかねない。
そんな思いをわんこにさせたいですか?
自然の流れに任せましょう」と。
それでも私は、何も決めることができなかった
すっかり軽くなってしまったワンコを抱いて、点滴に通うことしかできなかった
だからワンコはあの日、家族皆で寝ようと誘って、
そうしてお空に旅立ったんだね
それまでの暖冬が嘘のように急激に冷え込んだから、
「今日は皆で枕を並べて寝よう」と言って、ワンコを囲んで眠ったね
あの夜は、ワンコは気持ちよさそうな寝息をたててスヤスヤ眠っていたね
それに安心して皆、久しぶりに熟睡して、
朝目覚めると、ワンコはお空へ旅立つところだったんだね
私の腕のなかで、
眠りながら笑いながら、眠っていったワンコの笑顔は、今も瞼に焼き付いているよ ワンコ
ワンコがさ
私たちに決断させないよう、出発の時を自分で決めてくれたから、
悲しみに暮れるだけの三年と5か月だったけど、
このところ立て続けに届く訃報に思うところはありながら、
忙しさにかまけて、きちんと向き合っていなかったから、
ワンコは本書をお告げしてくれたんだね
皆で笑顔で見送る、100歳を前にした大往生もあれば、
長患いの末に食事を拒否しての最期もあったよ
・・・その亡骸に孫三人が「いじめてゴメンね」と手紙を添えているのを見た時には、胸がつぶれたよ
本書はさ、帯によると、
「警視庁vs闇の医師」「どんでん返しの帝王が放つ、息もつかせぬ警察医療ミステリー」らしいから、
読み終えた時には、今とは違う感想を持っているかもしれないけれど、
「死ぬ権利を与えてくれ」というインパクトのある言葉は、
人生も後半戦に入ろうとしている今、
命にキチンと向き合えという、ワンコのメッセージにも思えたよ
読み終えて報告書を書けるのが何時になるか分からないけれど、
キチンと考えてみるよ ワンコ
その切っ掛けをくれてありがとう ワンコ
ところでさ、上の日本酒の写真が気になっているだろう
父の日に、久しぶりに皆で日本酒を呑もうと選んだお酒なんだよ
なんだか、たくさん神様がいるお酒を飲むとイイことがありそうな気がして選んだのだけど、
あれほどお酒が好きだった父が、私たちに頻繁に注いでくれるから、
ちょっと寂しいような気がしたよ
でも、たくさんの神様に守ってもらって、それぞれ元気に頑張るよ ワンコ
またの報告を楽しみにしててね ワンコ