何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

永遠の今のワンコ ②

2020-01-23 12:00:00 | ひとりごと
今年のワンコの日は大寒だったけれど、温暖化を実感させるような気温で、
過ごしやすいものの不安になってしまったよ
 
だから、この詩が余計に心に残ったのかな
 
冬の詩 霜柱 
(聖護院八つ橋についている栞より)
 
近くの小学生が騒いでいて目を覚ましてみれば、まだ日も昇りきらない早朝であった。前日は日が変る頃まで調べものをしていたために、ゆっくりと眠ろうと思っていた折のことである。
いささか気分を害されながら窓を開けると、途端に冷え冷えとした風が舞い込んできた。
冬になったことは空気からも暦からも知っていたが、ここまで冷え込んでくるとは思いもしていなかった。
 
小学生らは路地に居るらしく、窓からは姿は見えない。ガラスの窓を閉め切った部屋から声が聞こえる程度であったので、今度ははっきりと言葉が読めるようになる。
「ほら、しゃり言うてはるわ」
「みっちゃんとこの、まだ言うで」
「えー、ここらへんかな」
「あ、言うた言うた!」
聞いてみれば、どうやら何か音をおっているようである。はて、そのように珍しい音とは何であろうかと気になりはじめ、寒さですっかりと目が冴えてしまったのを好都合に、暖かく着込んで外へ出ることにした。
 
路地へ向かうと、まだ小学生らは戯れているらしい。よくもまあ飽きずに早朝から、と踏み出したところ、しゃり、という音がした。
「あ、しゃり言うた」
一人の少女が笑いながら、私の横を駆け抜ける。
「ここも、いっぱい残ってるわ」
も一歩足を出せば、また小気味良い音が響いた。
どうやら、霜柱が立っているようで、子供たちはこの霜も音を楽しんでいたのである。
 
八ッ橋屋の前に来ると、常の男が子供たちと同じように土を踏んでいるので、笑いそうになってしまった。私の気付くと、男もきまり悪そうに笑顔を見せる。
「音が楽しくなったんですわ」
「わかります」
私も、自分の周囲をひととおり踏み荒らしてみた。確かに、踏み出すと楽しくなってきている。童心に返る、とはこれを言うのだろう。
 
そのまま、二人で店先の霜を踏み荒らしていると、先の小学生らが駆けてきた。なにを今度は騒いでいるのかと思うと、私たちを見て面白がっているのである。
途中でやめるわけにもいかず、小学生らも交えて霜の音を楽しんでみた。
 
音が無くなる頃には、すっかり眠気も寒さもとんでしまっている。
 
この詩は、聖護院八つ橋についてくる栞に記されているもので、
四季折々に(たぶん)内容が変わるのだと思うんだよ
 
八つ橋おたべ夕子
同じ(ような)お菓子に、元祖だ本家だ総本家だと姦しいけれど、
私はニッキの香りが一番強いと感じる聖護院のが好きなんだよ
だから京都のお土産は、いつも聖護院の八つ橋なんだけど、
これを選ぶのは、ニッキの香りだけでなく、この栞の詩がとっても好きだからなんだよ
 
今回の詩は、霜柱を踏んだ時の「シャリ」という音を楽しむ様子が描かれているのだけど、
懐かしいね ワンコ
ワンコは、秋にはポプラの落ち葉をバリバリいわせ、
冬には霜柱をシャリシャリいわせて歩くことが本当に好きだったね
雪が積もった時なんか、誰も踏んでない真っ新な真っ白な所を選って歩いて、自分の足跡をつけて楽しんでいたね
ワンコと散歩していると、季節があったよ
そこにはとっても美しい季節があったよ ワンコ
 
ワンコが天上界の住犬なってしまった頃から下界の私は忙しくなったこともあり、
散歩もできなくなり、季節から美しい色が失われてしまったように感じるよ
その上この冬は、この暖かさだろう?
暖冬は有難いけれど、
四季が失われるのは寂しいし恐ろしい気もするんだよ
だからワンコ 見守っていてね
この詩から、ワンコの雪遊び写真を探し、こんな写真も見つけたのだから
ちょっと弱りめな私にウンをつけてね ワンコ
 
以前の写真ばかり掲載しているのは、何もワンコが天上界に引っ越してしまったからばかりではないんんだよ
新しいこのパソコンは、SDカードを読みとらないので、カードリーダーを買ってきたのだけれど、
使うなり、SDカードを釈迦にしてしまったんだ
そこには、本当に本当に貴重な写真がたくさんあったから、病んでしまうくらい悲しくて、
それ以来、写真関係から手を引いているので、新しい写真を掲載できないんだよ
でも、グーグルさんに保存されている過去写真を見ていると、
八つ橋つながりで雅な写真を見つけたから、次回紹介することにするね
 
じゃあね ワンコ

永遠の今のワンコ ①

2020-01-20 09:51:25 | ひとりごと
ワンコが天上界の住犬になってしまって、ちょうど4年
その日を前に、昨日もお参りしたんだよ
快晴の空のもと花園のようなワンコ聖地をお参りし、あの日も快晴だったと思い出していたよ
頼りない私たちのために、ワンコは天気まで差配してくれたんだな、と思っているんだよ
 
あの冬は、ちょっと異常と思うほどの暖冬だったおかげで、丑三つチッチのために真冬の庭に出ることも、
それほど大変ではなかったよ
それどころか、丑三つチッチの時に夜空を見上げると、それはそれは美しい星々を見ることができたね
そして美しい星々に約束したね
いつか触れ合うことができなくなっても、私はワンコを想い星を見つめるから、
ワンコもお空から私たちを見守っていてね、と
 
その約束の星の一つに異常事態が起きている、と話題になっていたから心配していたんだよ
 
オリオン座のペテルギウスは、数年前から暗くなっていたらしいのだけど、
それが、昨年秋からの明滅はただごとではないので、すわ超新星爆発かと話題になっていたんだよ
 
<オリオン座の巨星に異変、超新星爆発が近い?
 ベテルギウスが観測史上異例の暗さに、爆発の前兆か、専門家に聞いた> 2020.1.06 National Geograhicより
 
この記事によると、
ベテルギウスは明滅を繰り返しているから、今回もそろそろ明るくなっていくだろうとのこと、
でも着実に終わりの時は近づいていて、それは明日かもしれないし100万年後かもしれないし、
もしかすると、もう爆発は起こっているのに、遠いために私たちが気づいていないのかもしれないんだって
そうだとすると、ワンコがお告げしてくれた「星の王子様」(サン・テグジュペリ)の大切なものは目に見えない、の通りだね
 
『心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
 かんじんなことは、目に見えないんだよ』(『 』「星の王子様」より)
 
見えなくなっても、人を導く者と云われているオリオン座は、
ワンコを頼りにしている私にとっては永遠の約束の星だけど、
そろそろ自分自身も、自分らしく輝かないといけないね
ワンコお告げの本を振り返っていると、
そう思わせてくれる一節を思い出したよ
 
『星はどれも等しく、
 それぞれの
 場所で輝く。
 いくつかは流れ、
 消えていく。
 わたしもまた、
 小さな星の
 ひとつなのだ。』(『 』「星々たち」(桜木紫乃)より)
 
最近このブログもすっかりご無沙汰してるだろう
それは相変わらずくそ忙しいということもあるのだけれど、
寄る年波に勝てないんだな
すっかり体力が無くなってしまい、無理がきかなくなっているんだよ
だから、本の感想を綴ることはなかなか出来ないのだけれど、
ワンコお告げの本は読んでいるんだよ
今月の本のタイトルは、それが四年目の日に向けてのものだったから、
かなり衝撃を受けているのだけれど、
それについては又記すことにするね
 
でさ今日は、この時期らしいワンコの写真を掲載するね
この一枚を選ぶようにとのワンコの指令などについては、
又つづくとするね

同行二人だよ ワンコ

2020-01-07 00:08:15 | 
 
先月のワンコお告げの本の続編は、お遍路関連?のものだった。
お遍路関連?とは云え、グッチ&白鳥の変形バージョンだったので、当初は教訓めいたものは期待せず、単純に楽しく読めればよいと思っていたのだが、本書を積読するなり、知人から讃岐うどん「めんつるめん」や、こんぴらさんのお神酒醸造元の「金陵」(限定品イニシャルAと国の光)が送ってきたので、これはワンコの並々ならぬお告げが秘められているかもしれないと思い、注意深く読んでみた。
 
「玉村警部補の巡礼」(海堂尊)
 
本書は、ワンコの12月のお告げ本「玉村警部補の災難」(海堂尊)の続編で、前作から続く遺体損壊罪で以て人生ロンダリングを図る闇の組織を、お遍路さんを装った玉村警部補と加納警視正が追いつめる、というストーリーなのだが、徹底的に現実主義者の加納は、事あるごとにお遍路さんの非効率性と儲け主義に走りがちな遍路寺の堕落ぶりを、切々と滔々と囂々と垂れ流し、挙句の果てには、空海坊主はホラ話をでっちあげているやら、その手口(空海の伝承)は詐欺師の常套手段だと言い募るので、一体どこからワンコの教えを得れば良いのか迷いながら読み進めていた。

警察庁でも切れ者で知られる加納と人の好い凡庸な玉村は、同じものを同時に見ても、そこに見るものそこから考えることに歴然とした差が生じる。それは、ポワロとヘイスティングズやシャーロックホームズとワトソン君でも使い古された手法なのだが、舞台が現代の日本となると、妙に身につまされるものがある。

加納のような洞察力も処理能力もなければ、人の都合も気持ちも一切無視して強引に我を通す根性もない私が、それでも何か見習うべきことはないかと思いながら見つけた言葉は、ありきたりだった。

『俺にできることなら何とかしてやるが、できないことはできないぞ』(『 』「玉村警部補の巡礼」より)

これは、遍路姿が空海に似ている加納を、「今大師さま」と拝み倒し願い事を告げようとする集落の婆さま方へ、加納が言った言葉だ。

言っている内容は当たり前のことだが、加納が登場する本を少しでも読めば、自意識過剰かつ自信過剰の見本のような加納の言葉とは思えないからこそ、印象に残ったのかもしれない。
あるいは、頼まれると何とかできないかと思ってしまい、何とかするために粉骨砕身東奔西走し、何とかした暁に、ちょっと怒ってしまう悪い癖が私にはあるので、『できないことはできないぞ』と言える強さ?弱さ?を身につけなければ身が持たないぞ 、とワンコが教えてくれているのかもしれない。

もう一つは、加納自身が人生訓として述べている言葉だ。

『いいか、たま。俺が大切にしている人生訓がふたつある。
 ひとつは、最初が肝心、ということ。もう一つは、終わりよければすべてよし、だ。』

これもごくごく当たり前のことだが、「終わりよければすべてよし」を意識してしまう年齢に近づいているせいか、日々のアレコレや仕事のうえでも全過程全力投球とはいかないなかで結果を追求しようとすると、この考え方は重要だと改めて気づかされた。そして、「終わりよければ」にもっていくためには「最初が肝心」、ということを新年にあたり頭に置いておかなければならない、とワンコは教えてくれているのかもしれない。

こうして多少こじつけだと思いながらワンコの教えを読み解こうとしていくと、最後に真に心に響いてくる言葉があった。

『人生はただ一度、歩ける道は一筋のみ。それはすべて一本につながっている。
 人生とは壮大な一筆書きで、遍路はそのほんの一部にすぎないんのだぞ、タマ』

これは、歩き遍路に固執するタマ(玉村警部補)に、超現実主義者にして変幻自在なご都合主義者の加納が厳かに言い放つ言葉だ。
タマは、歩き遍路で弘法大師の足跡を辿り結願することに拘っているが、加納は八十八か所どのような順番であろうと構わないし、その際の作法も仕来りに則る必要もないし、まして歩きである必要もない(タクシー利用は勿論のこと、パトカーをぶっ飛ばす車遍路でも構わない)と考えている。
要するに、加納は 本筋さえ見失わなければ(この場合、ご本尊をお参りすること)あとの枝葉末節は重要ではないと考えている。
ー 私はというと、どちらかというとタマ的気質があるので、加納のこの言葉にガツンとやられた気がするのだが、その一方で妙に納得している自分もいる。それは、まったく思いがけない道を歩くようになり、不満と戸惑いが多い近年だったが、本筋というか大本は、もしかすると似ているかもしれないと感じた頃から、今の道も悪くないと思い始めたからかもしれない。
 
まっとうに頑張る人を応援する、正しい道を歩む人を応援する
まっとうに頑張れるよう応援する、正しい道を歩めるように応援する
 
根っこの思いが揺らがなければ、その手法は、自分の能力や状況に応じて変わってもよいのかもしれない、・・・と最近ようやっと思うことができるようになってきた。
 
今でも、、、あちらの道を歩むことができたらと落ち込むこともあるし、どれほど努力しても報われず落ち込むこともあるが、『道に迷ったら、青空を見上げて考えよう』(『 』「玉村警部補の災難」より)
 
だからワンコ
私が私の道から逸れることのないように見守っていてね
 
同行二人だよ ワンコ
 

空を見上げて ワンコを見つめて

2020-01-03 23:55:55 | ひとりごと
新年早々また時間マジックを使うことになるんだけど、
今日は年末に引き続きワンコ聖地に新年のご挨拶に行ったから、許してくれるかなワンコ
 
ワンコが天上界の住犬になって、3年と11か月
ワンコが毎月お告げしてくれるおかげで、忙しくても本を読めるんだよ
ありがとうね ワンコ
さすがに感想を書く時間までは取れない私を見かねて、
12月も又また単純に純粋に楽しむだけの本をお告げしてくれたんだね
 
「玉村警部補の災難」(海堂尊)
 
本書は、グッチ&白鳥シリーズの派生版とでも云うのかな
グッチが勤務する東城大学がある桜宮の玉村警部補と、そこに一時期出向していた警察庁の加納警視正が主人公なんだよ
このシリーズに、魂を揺さぶる名言だとか、人生を考えるための言葉を探すというのは土台無理な話で、
単純にストーリーを楽しめば良い、という期待はまったく裏切られなかったし、
4話からなる短編集で軽妙な会話が中心という展開も、今の私にはとってもありがたかったよ 
ありがとうね ワンコ

楽しく気分転換できたことに感謝はしているのだけど、
先月のワンコの日には読み終えていたのに、何も書けなかったのは、
ほんとにね、なんというかね、
記しておかねばならぬという言葉が一言も見つからなかったからなんだよ
 
でも、何か一言ぐらいは?と思いお正月に読み返していると、
見つかったんだな
しかも、お正月用の時別番組を制作している最中に起こった事件の章で、さ
第二章「青空迷宮」
正月特番用のバラエティ番組収録中、巨大迷路内でタレントが殺された。カメラが設置された密室での犯罪が加納と玉村を待ち受けるが、加納の倫理的推理が炸裂する!』(本の帯より)
 
はじめて読んだ時には、推理小説的読み方をしたので気にも留めなかった言葉だけれど、
お正月の、このタイミングでこの言葉に気づかせてくれたのには意味があるんだろう?ワンコ
 
道に迷ったら、青空を見上げて考えよう』([ 』「玉村警部補の災難」より)

さすがに不惑をこえ、やたらと道に迷いたくはないけれど、
迷った時には、ワンコの教えに従って、青空を見上げて一息ついて考えることにするよ ワンコ

この言葉は、ワンコお勧め第二弾の本の末尾の印象的な言葉にもつながっていくので、
ブログ内でどう配置するのか悩ましいけれど、
アレやコレやと時間マジックを駆使してみるよ

こんな私をこれからもしっかり見守っていてね ワンコ