「お山の楽しみ その参」より
お山の楽しみを一言で語ることはできないので、このあたりで一先ず措くつもりだが、今年が第一回「山の日」制定の年であり、その式典に御臨席された皇太子御一家を偶然にも間近に拝見する機会に恵まれた記念に、幾つか記しておこうと思う。
お山の楽しみとして食事・読書につづいて「自然をまるごと愛おしむ」ことを挙げたが、登山と云う行為は、自然のただなかに身を置くものでありながら、それに気付くのに時間を要するものかもしれない。
私が足もとの健気な植物に気付くのに時間を要したのは、登山技術が皆無なために余裕がなかったせいだが、その逆の例もある。
頂上へと逸る気持ちを抑えきれず、足もとの植物に気付かないまま歩を進め頂に立つことができる健脚な人もいるのだが、そのような山人の一人に皇太子様がいらっしゃる。
何で読んだのか記憶が確かではないが、皇太子様ご自身が「山と草花と雅子妃殿下」について語っておられるものを拝読したことがある。
たしか、「若い頃の登山は、一刻も早く頂上に着くことを目的にひたすら歩き続けるものだったが、御成婚を機に、雅子妃殿下と歩くようになり、植物好きの雅子妃殿下の影響で、一つ一つの草花に足を止めながら山を登っている。そして、そのような歩き方を好ましく思う時、パートナーと歩むことの良さを感じている。」という趣旨であったと記憶しているが、今は御一家で山を歩いておられる。
背負子に背負われて初登山をされた生後8か月のときから14年をへて、敬宮様は’’山ガール’’へと成長されたようで、「山の日」の式典に御臨席されただけでなく、この夏も朝日岳を縦走されたと伝えられているので、皇太子御一家の山行スタイルは新たなページを刻み始めていると拝察される。そして、そんな皇太子御一家について、岳沢湿原から明神池までの御案内役を務めた「氷壁の宿 徳澤園」の社長(実行委員会副会長)は「自然や山が大好きな御一家である様子が伺われ、終始なごやかに、また周りの方々への御配慮も忘れず、手を振られておりました。」と記しておられる。(徳澤園のみちくさブログより)
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敬宮様の「周りの方々への御配慮も忘れず」というお心は様々な場面で見受けられたようで、松本駅での微笑ましいワンシーンについて書いている記事がある。
2016.08.20 16:00配信の女性セブンより引用
『今年新たに制定された祝日『山の日』の8月11日、皇太子ご一家は長野・松本市の上高地で行われた『「山の日」記念全国大会』の式典に臨席された。
「愛子さまは上高地の地理・歴史や山の日の持つ意味などを事前にお調べになっていたそうです。また現地に向かわれる車中では、上高地に行ったことがあるご両親に思い出話などを聞かれたようです」(東宮職関係者)
愛子さまにとって、ご夫妻の地方での公式行事に同行されるのは今回が初めて。お気持ちの引き締まる部分もあったようで、現地入りされた前日10日の昼、JR松本駅でこんなハプニングがあった。
「淡いパープルカラーのワンピース姿の愛子さまは、ご両親とご一緒に、奉迎する地元住民や登山客などに笑顔で手を振られました。その後、移動のためお車に乗られようとしたご夫妻に向かって、愛子さまが何やらお声をかけられたのです。
ご夫妻は“あっ!”という表情をされて踵を 返されると、松本駅長のほうに向き直られました。どうやら、ご夫妻が挨拶をうっかり忘れてしまい、それに気づかれた愛子さまが“ご指摘”されたようでした」(皇室記者)
なんとも心強い愛子さまだった。』 (『 』引用)
http://www.news-postseven.com/archives/20160820_440746.html
弱冠14歳にして周りへの御配慮を忘れない敬宮様が、御両親とともに山を歩き、過酷な状況でも懸命に生きる命の尊さを感じながら成長されていると信じる時、日本の未来に希望を見出せると感じている。
ところで、「お山の楽しみ その弐」で書いたように、登山ハイシーズンともなると徳澤園はちょっとやそっとで予約のとれる宿ではない。だが心配することなかれ、徳澤にはもう一軒とても居心地の良い宿がある。
昨年一年をかけてリニューアルされ、これまでの良い所はそのままに生まれ変わった村営の「徳澤ロッヂ」だ。
リニューアルをもってしても、お山の水事情だろうか?シャワーの水量は変わらなかったが、気取らない対応はアットホームで良いし、相部屋の二段ベッドは山小屋とは思えないほどプライバシーを重視しており有難い。(追記 ちなみに徳沢には日本大学医学部の診療所が開設されているのも、有難い)
槍・穂高が人気があるのは、山そのものが素晴らしいのは勿論だが、この山域にはちょうどいい塩梅に宿や小屋が点在しているだけでなく、要所要所に医学部が夏期診療所を開設してくれていることも、大きな要因だと思う。
山は、自分で歩かなければ、進むことも退くこともできないことを教えてくれる。
それは、独りで歩いていようが多くの仲間と歩いていようが同じだ。
山では、自分が背負ったものは自分で背負い続けなければならないし、自分が来た道には自分が責任を持たなくてはならないし、自分に出来ることを見極めなければならない。
そんな孤独な面もある山歩きだが、上高地から頂きに続く道のりには、人の温かさが溢れてもいる。
そんな山を、これからも歩いていきたいと思っている。
「岳 みんなの山」(石塚真一)より珠玉の言葉
一つ、 困難は自分一人で乗り越える
二つ、 誰かの困難は自分一人でも全力で助ける
三つ、 山では笑う
お山の楽しみを一言で語ることはできないので、このあたりで一先ず措くつもりだが、今年が第一回「山の日」制定の年であり、その式典に御臨席された皇太子御一家を偶然にも間近に拝見する機会に恵まれた記念に、幾つか記しておこうと思う。
お山の楽しみとして食事・読書につづいて「自然をまるごと愛おしむ」ことを挙げたが、登山と云う行為は、自然のただなかに身を置くものでありながら、それに気付くのに時間を要するものかもしれない。
私が足もとの健気な植物に気付くのに時間を要したのは、登山技術が皆無なために余裕がなかったせいだが、その逆の例もある。
頂上へと逸る気持ちを抑えきれず、足もとの植物に気付かないまま歩を進め頂に立つことができる健脚な人もいるのだが、そのような山人の一人に皇太子様がいらっしゃる。
何で読んだのか記憶が確かではないが、皇太子様ご自身が「山と草花と雅子妃殿下」について語っておられるものを拝読したことがある。
たしか、「若い頃の登山は、一刻も早く頂上に着くことを目的にひたすら歩き続けるものだったが、御成婚を機に、雅子妃殿下と歩くようになり、植物好きの雅子妃殿下の影響で、一つ一つの草花に足を止めながら山を登っている。そして、そのような歩き方を好ましく思う時、パートナーと歩むことの良さを感じている。」という趣旨であったと記憶しているが、今は御一家で山を歩いておられる。
背負子に背負われて初登山をされた生後8か月のときから14年をへて、敬宮様は’’山ガール’’へと成長されたようで、「山の日」の式典に御臨席されただけでなく、この夏も朝日岳を縦走されたと伝えられているので、皇太子御一家の山行スタイルは新たなページを刻み始めていると拝察される。そして、そんな皇太子御一家について、岳沢湿原から明神池までの御案内役を務めた「氷壁の宿 徳澤園」の社長(実行委員会副会長)は「自然や山が大好きな御一家である様子が伺われ、終始なごやかに、また周りの方々への御配慮も忘れず、手を振られておりました。」と記しておられる。(徳澤園のみちくさブログより)
実行委員会副会長がご案内されている時の御様子を嘉門次小屋の開内氏が撮影された写真
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上高地ルミエスタホテル「上高地通信」より
http://www.lemeiesta.com/blog/2016/08/entry-1252.php
http://www.lemeiesta.com/blog/2016/08/entry-1252.php
敬宮様の「周りの方々への御配慮も忘れず」というお心は様々な場面で見受けられたようで、松本駅での微笑ましいワンシーンについて書いている記事がある。
2016.08.20 16:00配信の女性セブンより引用
『今年新たに制定された祝日『山の日』の8月11日、皇太子ご一家は長野・松本市の上高地で行われた『「山の日」記念全国大会』の式典に臨席された。
「愛子さまは上高地の地理・歴史や山の日の持つ意味などを事前にお調べになっていたそうです。また現地に向かわれる車中では、上高地に行ったことがあるご両親に思い出話などを聞かれたようです」(東宮職関係者)
愛子さまにとって、ご夫妻の地方での公式行事に同行されるのは今回が初めて。お気持ちの引き締まる部分もあったようで、現地入りされた前日10日の昼、JR松本駅でこんなハプニングがあった。
「淡いパープルカラーのワンピース姿の愛子さまは、ご両親とご一緒に、奉迎する地元住民や登山客などに笑顔で手を振られました。その後、移動のためお車に乗られようとしたご夫妻に向かって、愛子さまが何やらお声をかけられたのです。
ご夫妻は“あっ!”という表情をされて踵を 返されると、松本駅長のほうに向き直られました。どうやら、ご夫妻が挨拶をうっかり忘れてしまい、それに気づかれた愛子さまが“ご指摘”されたようでした」(皇室記者)
なんとも心強い愛子さまだった。』 (『 』引用)
http://www.news-postseven.com/archives/20160820_440746.html
弱冠14歳にして周りへの御配慮を忘れない敬宮様が、御両親とともに山を歩き、過酷な状況でも懸命に生きる命の尊さを感じながら成長されていると信じる時、日本の未来に希望を見出せると感じている。
ところで、「お山の楽しみ その弐」で書いたように、登山ハイシーズンともなると徳澤園はちょっとやそっとで予約のとれる宿ではない。だが心配することなかれ、徳澤にはもう一軒とても居心地の良い宿がある。
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リニューアルをもってしても、お山の水事情だろうか?シャワーの水量は変わらなかったが、気取らない対応はアットホームで良いし、相部屋の二段ベッドは山小屋とは思えないほどプライバシーを重視しており有難い。(追記 ちなみに徳沢には日本大学医学部の診療所が開設されているのも、有難い)
槍・穂高が人気があるのは、山そのものが素晴らしいのは勿論だが、この山域にはちょうどいい塩梅に宿や小屋が点在しているだけでなく、要所要所に医学部が夏期診療所を開設してくれていることも、大きな要因だと思う。
山は、自分で歩かなければ、進むことも退くこともできないことを教えてくれる。
それは、独りで歩いていようが多くの仲間と歩いていようが同じだ。
山では、自分が背負ったものは自分で背負い続けなければならないし、自分が来た道には自分が責任を持たなくてはならないし、自分に出来ることを見極めなければならない。
そんな孤独な面もある山歩きだが、上高地から頂きに続く道のりには、人の温かさが溢れてもいる。
そんな山を、これからも歩いていきたいと思っている。
「岳 みんなの山」(石塚真一)より珠玉の言葉
一つ、 困難は自分一人で乗り越える
二つ、 誰かの困難は自分一人でも全力で助ける
三つ、 山では笑う