♪縦の糸はあなた
横の糸は私
逢うべき糸に
出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます♪
(♪糸 中島みゆき♪より)
鬱々とすることも多い夏だったが、気持ちが折れそうになる寸前で、いつも現れた救いの手。
多くの縦の糸に支えられていることを感じる夏でもあったが、誰かにとって、その巡り合いを「仕合せ」と思ってもらえる横の糸にならねばならないと反省する夏でもあった。
ところで、本書を読んでいると「糸」を思い出したのは偶然ではないように思う。
作者は、かなり「糸」を意図して本書を書いたのではないかと、思うのだが、本書から「糸」を思い出し久しぶりに聞くことができたのは、「仕合せ」なことだった。
お盆過ぎの一番暑かった頃に、クーラーが壊れ、それが解決したかと思ったら、冷蔵庫が不具合を起こし、
忙しさは常軌を逸し、すっかり参ってしまっていた、9月最初の週末、
ワンコが寄り添ってくれたから、少し元気がでてきたよ
ワンコは、寝転んで本を読んでいる私のお腹にのっかって、よく寛いでいたよね
本を読んでいると、久しぶりにワンコがお腹にのっかってるのを感じたので、
目に留まった件に注目すると、感慨深い一文が記されていたよ
ワンコ
ありがとうね
「希望の糸」(東野圭吾)
地震で一度に二人の子供を喪った夫婦が、やり直すために、もう一度子供を授かるのだけど、
それが、10数年後の殺人事件の発端になるという話
子供を授かることを望んだ二組の夫婦の思い、
生まれてきた子の、「誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」という怒り、
それぞれが、家族の形を探し求める中で起こる殺人事件、
その捜査にあたる刑事もまた出生にまつわる秘密を抱えている
刑事の出生の謎を解くカギが、事件解決の糸口にもなる本作のテーマは、
ずばり、家族の形態探し、なんだと思うんだ
だけど、もう一歩考えを進めれば、
家族の形態だけでなく、
人と人との結びつき、大切なものとの繋がり方を考えさせてもくれたんだな
そんな物語の最後にある言葉を、ワンコは伝えてきたんだろう?
『たとえ会えなくても、
自分にとって大切な人間と見えない糸で繋がっていると思えたら、それだけで幸せだって。
その糸がどんなに長くても希望を持てるって。
だから死ぬまで、その糸は離さない』(『 』「希望の糸」より)
会えなくても、ワンコと繋がっているのは勿論たしかなのだけど、
コロナ禍で、人と会うことが躊躇われた この夏だからこそ、
繋がっていたい大切な糸について考えることができたんだよ
そんな思いと、本作の ’’いと’’ については又つづくとするよ
またね ワンコ
しっかし9月のお告げ本は又おっそろしいね
昨年秋から今年2月はじめにかけ、
感染症やパンデミックや医療崩壊の本ばかりお告げしていたワンコの最新のお告げ本
怖いよ ワンコ