何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

にしんが鴨に化けたワン

2016-12-31 10:17:55 | 
毎年年末に知恩院をお参りする時、ワンコにお留守番をしてもらっていたので、今年は一緒に行こうと思っていたのだが、ちょっとした行き違いが大き目の感情の縺れとなり、まず私が計画から降りてしまった。

例年なら、①清水寺で「今年の一字」を見て、産寧坂の途中で「阿闍梨餅」を買い、高台寺の前をそぞろ歩き、八坂さんを参拝し、丸山公園を抜け知恩院へ至るか、②銀閣寺から哲学の道を歩き、永観堂・南禅寺を左手に見ながら知恩院へ至るか、いずれにせよ知恩院をお参りすることにしていた。
昨年はワンコと過ごすため、そもそも知恩院をお参りする計画はなかったので、今年はワンコも一緒にと考えていたし、それに打って付け?の本も読んでいたので、①の起点より南から上がっていこうか、などと計画を立てていたのだが・・・・。

「梅もどき」(諸田玲子)
本書の主人公は、父が石田光成側についたため敗者の姫となるだけでなく、その特別な血筋ゆえに数奇な人生を歩む、お梅という女性である。
関ヶ原の合戦後、お梅はごく少数の伴だけを従え、命と貞操を守るため大阪城から逃亡するが、頼みの綱の高台院に会えず途方に暮れているところを、茶屋四郎次郎に救われる、これがお梅の人生を変えた。
父亡き後を追おうとする お梅に茶屋四郎次郎は「生きろ」というだけでなく、徳川・豊臣両家の血を引くという特殊なお梅の血筋を「お家」のために活かすべきだと忠告する。それは、亡き父の菩提を弔いつつお家の再興を果たすべく、家康の側妾となるというものだった。
戦国の世なれば、ままあることなのだろうが、数奇な運命は、これだけに留まらない。
泣く泣く家康の側室になったにもかかわらず、暫くして お梅は、家康の命により、家康の家臣の本多正純に「下賜」される。そして数年後には、その本田が失脚し、終生軟禁状態の蟄居となってしまうのだ。

このように書くと、運命に翻弄される弱い女性が浮かび上がりそうだが、そうではない。
父亡き後、敵の大将の側室になるだけでなく その家臣に下賜されて尚、生きようとする強さを、’’しなやか’’と見るか ’’したたか’’と見るかは、読み手によるかもしれない。
私はと云うと、そのような強さがないことが、私の弱さだと思っている。

さて、この本を参考に京の都を歩こうと思ったのには訳があり、『此岸と彼岸の境目だという六道辻界隈の寺社』という件が目に留まり、ワンコを思いながら此岸と彼岸の境目という地を歩いてみようかと考えていたのだ。
だが、今はそこにワンコを連れて行ってあげられなかったことも、ワンコの意思だったかもしれないと思っている。
その地が歴史上果たしてきた役割を考えれば、優しいワンコと弱気な私が、中途半端に歩いてよい場所ではないと気付いたのだ。

かくして、知恩院お参りの後、四条界隈で美味しいニシン蕎麦を食べる計画もなくなり、掃除と買い出しの合間をぬって「どん兵衛 鴨だし蕎麦」をすすっている。

  

「奇跡を呼ぶ男 ワンコ」「聖地を歩く ワンコ」「一緒にお泊りだよ ワンコ」「穂高だけ ワンコだけ」

今年の夏、初めてワンコと一緒に大好きな安曇野を旅し蕎麦を食べたから、京の都でも一緒に食べたかったのだけど、
それは又のお楽しみだな ワンコ
今夜は、年越し蕎麦だよ ワンコ
いつも、お’’そば’’にと念じながら、一緒に食べようよ ワンコ

えっ何なに?
皆様にお礼を伝えて下さいって・・・
お空組では まるちゃん達によくしてもらい、小豆ちゃんママしゃんにはホタテお粥を御馳走になり、ワンコともども心から感謝しております。
このような出会いのおかげで、どれほど心が救われているかしれません。
本当に有難うございます。
時々は帰省してくれながらも、お空組の皆は仲良く、地上組の友達やご家族さんのお幸せを願っていると思います。
楽しく見守り、楽しく遊びに来てくれるように、良い年を重ねていきたいと思います。
そのためにも、これからもワンコともども宜しくお願い致します。

では、まったね~ 良いお年を!

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うちからの腐敗

2016-12-29 19:11:50 | ニュース
本来なら今日は、京の都の空の下のはずであった。
夏に信州を、秋に正倉院展を、年末に知恩院をお参りするのは、ここ何年もの家の恒例行事だったが、思いがけず盛大に気分を害してしまい、ワンコには申し訳ないが急遽京都行を取りやめてしまった。
取りやめて、ふて寝して、目が覚め一番に目に入ったニュースが、株価急落であった。

<東京株午後に急落 一時300円超安で1万9100円割る 1部銘柄9割が値下がり>産経新聞 12/29(木) 13:32配信より一部引用
午後になって利益確定売りが膨らみ、東証1部銘柄の9割近くが値下がりしている。
午後1時16分現在は前日終値比309円安の1万9092円。今月13日以来半月ぶりの安値水準となった。

御用納め後の株価急落とあって思わずカレンダーを確認したのは、今日が大納会の日であったか気になったからだが、それは最近ある本を読んでいたからだった。

「鋼の綻び」(相場英雄)
本の帯には、こうある。 
『及川首相が出席する東京証券取引所の大納会で、日本を代表する企業の株価が一斉に原因不明の大暴落を始めた。警察庁出身の首相秘書官・桐野は何者かによる経済テロと断定。元部下の警視庁刑事・土田とともに動き出す。浮かび上がった犯人は原発事故の被災地・福島県と接点があった。大暴落が刻々と進む中、犯行とフクシマの関連が濃くなってゆく―。』

本の帯びには『警察小説の切れ味!経済小説のリアリティ! 「震える牛」の著者が、経済テロで読ませる、唸らせる』と大文字が踊っているが、「震える牛」「共震」を読んだ者からすれば、特に「震える牛」のノンフィクションさながらの筆致に引き込まれた者からすれば、警察小説としても経済小説としても、リアリティに若干欠ける印象を持ったというのが、正直なところだ。
だが、その設定がもつ厳しい現実には大いにリアリティがあり、本のタイトルと帯、そして幾つかの言葉を備忘録に記していたのだ。(『 』「鋼の綻び」より引用)

本書は、首相が出席する大納会で、株価の大暴落を仕掛けられる場面から話が始まるが、それ以前に起っていた数件の殺人事件が経済テロを予感させるとして、首相秘書官・桐野は八方に密かに探りをいれていた。
その一つが、後輩である金融庁監督局審議官への聞き取りだった。
桐野は、護送船団の主要船がバタバタ沈んだ金融恐慌を例に挙げ、金融システムの弱点を訊ねるが、審議官は『我が国の金融システムは鋼も同然です』と受け付けない。それどころか、『金融恐慌の際は、銀行を潰す法律が皆無で混乱が拡大しました。しかし、現在は法整備が済み、あらゆる事態に対処できます。』『金融庁や日銀の踏ん張りで、大手銀行数行と三社の証券会社の破綻のみで日本の金融システムの底抜けは回避された。当時の行政の対応手法がリーマン・ショック時の海外当局の手本になったのだ』と鼻息が荒い。

結果からみれば、本書の経済テロは既の所で危機を回避できるのだが、他の場面で、犯人が云う『自分が賢いと思っている奴ほど、バカさ加減が分かっていない』という言葉は、鋼にも綻びが生じうることを予感させる。

昨日(28日)PM21:38 茨城北部を震源とする震度6弱の地震があり、東北から東海まで広い範囲で大きな揺れを感じた。

あの日以降、日本中がいつ被災地になるかという不安を抱えていながら、それを直視せず、被災地の現状もあまり伝えられていないことを考える時、作中の『俺たちを見捨てやがった日本人全員を殺すんだ』という被災地関係者の言葉は、生々しく心に蘇ってくる。

あの日から、たった5年でここまで復旧・復興してきた日本の底力は素晴らしく誇らしいが、置き去りにされている大切なものや痛みを直視せず、株価と箱モノだけに踊らされていると、手痛いしっぺ返しを喰らうかもしれない事は、そろそろ違う局面を迎えそうな相場と、不穏な動きを止めない大地が示している。

鋼は、強度が高いという利点はあるが、腐食に弱いという弱点がある。

日本中至る所が被災地となりつつある現在、置き去りにされる’’痛み’’を放置すれば、うちから腐敗しかねない。
昨夜の地震と、今日の株価暴落
『俺たちを見捨てやがった日本人全員を殺すんだ』という言葉に、誰もが危機感を持たねばならない時が来ているのかもしれない。

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号外 真の勇者・真の強さ

2016-12-28 12:55:33 | ニュース
この日が来ることは分かっていたのだから、書く準備をしておけば良いものを、今年は御用納めの今日まで忙しく、号外として前書きのようなものを書いておく。

<日米首脳が真珠湾慰霊=安倍首相「和解の力」発信―75年の節目、同盟深化誓う>時事通信 12/28(水) 7:23配信より一部引用
安倍晋三首相とオバマ米大統領は27日午前(日本時間28日朝)、旧日本軍が1941年に米国との戦端を開いたハワイの真珠湾を訪れ、犠牲者を慰霊した。
首相はこの後の演説で、二度と戦争を繰り返さない決意を表明するとともに、戦後に強固な同盟を築いた日米の「和解の力」を国際社会に向けて発信した。
日米の首脳がそろって真珠湾を訪れるのは開戦後の75年間で初めて。攻撃を受けて沈没した戦艦アリゾナの上に建つ追悼施設「アリゾナ記念館」で献花し、黙とう。この後、海に向かって花をまき、犠牲者を悼んだ。
首相と大統領はこの後、アリゾナ記念館から対岸の埠頭(ふとう)に移動し、並んで演説した。
首相は「日米は歴史にまれな、深く強く結ばれた同盟国になった」と指摘。「私たちを結び付けたものは、寛容の心がもたらした『和解の力』だ」と語り、戦後の平和と繁栄を下支えした米国への謝意を示した。
真珠湾攻撃に関して、首相は「ここから始まった戦いが奪った、全ての勇者たちの命に、無辜(むこ)の民の魂に哀悼の誠をささげる」と強調。謝罪や反省には直接言及しない一方、「(兵士らの犠牲という)厳粛な事実をかみしめるとき、私は言葉を失う」との心情を表すとともに、「戦争の惨禍は、二度と繰り返してはならない。この不動の方針をこれからも貫いていく」と力説した。
首相は演説の最後で「世界中の人々がパールハーバーを和解の象徴として記憶し続けることを願う」と訴えた。
一方、オバマ氏は演説で、首相の真珠湾訪問を「和解の力を示すものだ」と述べ、謝意を表明。日米同盟について「平和と繁栄の礎となっている。かつてなく強固だ」との認識を示した。



日米両首脳がそろってパールハーバーを訪問することは、オバマ大統領が広島を訪問された頃から話題となっていた。
ただ、当初は「日本の首相が訪問するのは初めて」と大々的に報じていたのが、徐々に「いや元総理のなかには、訪問した人もいる」となり、最終的には「現職としてパールハーバーを訪問するのは、吉田茂元首相(1951年)、鳩山一郎元首相(1956年)、岸信介元首相(1957年)につづいて4人目」というところに落ち着いたようだ。

4人目であろうと、日米両首脳がそろって訪問するのは初めてという歴史的事実に鑑みれば、その意義が減るものではないが、なぜ戦後間もない時期の吉田氏の訪問とその意義が伝えられていないのか。
それは、吉田氏の訪問が、「パールハーバーを訪ねること自体を外遊の主目的にした」ものではないという事もあるだろうし、一言でパールハーバーと云うものの範囲が広いため、真珠湾に面した米太平洋艦隊司令部を訪問したことをもって「パールハーバー訪問」と規定するかで議論が分かれたのかもしれない。

だが、当時それが大々的に報じられなかった理由として一番大きなものに、吉田氏の性格があるのかもしれない、と考えている。
吉田氏は書を依頼されると、「呑舟の魚 枝流に游がず」と認めたそうだ。
あの大久保利通を義祖父にもち、日米開戦を前に英国大使を最後に外交官を辞した吉田氏らしい、大物ぶりを示す揮毫だと思う。
呑舟の魚は、泳ぐ場所も泳ぐ時も弁えていると思われる。
だが、吉田氏の名を聞くと、外交官として吉田氏と同期で、最終的には総理にまで上り詰めながら、文官としてただ一人A級戦犯として散った広田弘毅氏のことを思わざるをえない。
広田氏は、泳ぐ場所も泳ぐ時も上手く計ることができなかった。
左遷されれば、「風車 風が吹くまで 昼寝かな」と詠いながら左遷先のオランダで、風車を眺めているような人であった。
私は歴史の専門家ではないので、あくまで「落日燃ゆ」(城山三郎)を読んでの印象でしかないが、広田氏とて平和を望む気持ちは同じであったと思われるが、歴史が生贄を必要とするとき、上手く泳ぎきることができなかった不器用な人であるのだと思う。

そして、12月23日、漫才とだけ呟き、他の一切を語らず全てを呑み込んで、A級戦犯として絞首刑に散っていかれた。

歴史は、多くの犠牲のうえに成り立っている。
黙って全てを呑み込んでくれる人がいなければ、混乱は長引き市井の民は路頭に迷うばかりだ。
だからこそ、新しい良き時代のために、黙って全てを呑み込んでくれる人の存在を忘れてはならない。
黙って呑み込んでくれる意図を理解し、静かに敬意を払うことを続けなければ、歴史は何度でも同じ間違いを繰り返すのだと思うのだ。

総理は、真珠湾訪問の演説でリンカーンの言葉を引用したという。
「誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う」
「永続する平和を、われわれすべてのあいだに打ち立て、大切に守る任務を、やりとげる」

是非、これを実現すべく邁進して頂きたい。
そして、同じく引用したアンブローズ・ビアスの詩「The brave respect the brave」「勇者は、勇者を敬う」を更に一歩進めて頂きたい。

真の勇者は、他の人の幸福のために自らを犠牲にできる強さを持つ国や人を見極め、敬うことができることだと、私は思っている。

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まるちゃん達お空組の教え ワンにゃ心経

2016-12-27 22:31:55 | ひとりごと
まるちゃんへ   

僕の家族は皆おっちょこちょいだから、まるちゃんが「ラスト・クリスマス」(ワム)が好きかどうかも確かめないで、
「これだー!」って思っちゃうんだ
そそっかしくてゴメンね まるちゃん
でも、まるちゃんもお空組の皆も優しいから、一緒に練習してくれて楽しいし嬉しいよ
ありがとう
でもでも、上手くなって帰省する頃には、「ラスト・クリスマス」ではなくて、お正月の歌だよね
お正月の歌って何があるかな?
実は僕の家のお正月は、御大が(内緒だよ 下手の横好きで)尺八をするもんだから、いっつも「春の海」(宮城道雄)なんだ
あっ、そんなことを考えている場合ではないよね まるちゃん
トナカイさんとニアミスすると危ないし、帰省ラッシュに巻き込まれると元旦に間に合わないし、お澄ましして「おじゃましまーす」って挨拶する練習もしなきゃならないし、そろそろ帰省準備をした方がいいかな? まるちゃん
ワンワン 
「もーいくつ寝ると、お正月♪」って歌いながら、帰ろうよ まるちゃん

追伸
犬見知りが激しくから不安だったけれど、先輩まるちゃんやお空組の皆のおかげで、だいぶと慣れてきたよ
慣れてきて、地上組のおっちょこちょいを叱ってやる元気もでてきたよ
まるちゃん ありがとう
これからも宜しくね

ワンコより


まるちゃんへ

今、まるちゃんパワーに驚いてます。
ずっと気になる本があったのだけど、その表紙にワンコと同じ犬種の写真があるから、なんだかワンコに申し訳ないような気がして買えなかったんです。
だって、ワンコはものすごくヤキモチ焼きなんです。
私が金魚ちゃんに「いい子だね」と話しかけただけで、睡蓮鉢のところに飛んできて、何がいるのか確認せずにはおれないほどだったんです。
だから、柴犬の写真の表紙を見て、「かわいいね」なんて言おうものなら、怒りながら悲しむと思い、買えなかったんです。
それが、今日その本をプレゼントされたんです。
その名もなんと、「柴犬まるの ワン若心経」(監修・加藤朝胤薬師寺執事長 写真・小野慎二郎 文・菅原こころ)

もう、これは先輩まるちゃんのお導きとしか思えないでしょう?
まるちゃんとワンコの粋なプレゼントでしょう?
だから、「まるちゃんとワンコが特に伝えたいことを3つ教えてちょうだい」と念じて、三度ページを開いたんです。

一番最初に開いたページには、こう書いてありました。(P 094~095)
「見守ってるよ」~過去も現在も、あなたはひとりではない~三世諸佛
『あなたは決して一人ぼっちで生きてきたわけではありません。孤独で苦しい時こそ、過去と現在の自分を支えてきた存在に思いをめぐらせましょう。』

もう、ここを読んだだけでもウルウルしてしまいました。
ワンコに触れることができないから、孤独を感じるのに、そんな時こそ過去と現在の自分を支えてきた存在に思いを巡らせなさいって?
思いを巡らせたら、も一度ワンコに往きついてしまうよ、ワンコがいない淋しさに戻ってしまうよ、と・・・・・。
でも、それでいいんですよね まるちゃん

お互いがとても大切な存在だから、お空からも地上からも、お互い見守りあっていきましょうね まるちゃん&ワンコ


二番目に開いたページには、こう書いてありました。(P 048~049)
「見えるものは 一瞬で変わる」~いつも同じ散歩道なんてない~是故空中無色
『まるは毎日お散歩で通る見慣れた道の小さな変化も見逃しません。~略~
私達が「何も変わらない一日」と決めつけていれば、素晴らしい変化にも気付くことなく素通りしてしまうでしょう。季節の移ろい、風が運んでくる香り、星々の煌めき、当たり前のように私達を取巻いている自然にもう少し目を留めて、変化を感じながら生きていきたいですね。』

「まるちゃん達お空組が歌う LAST CHRISTMAS」でも書いたように、ワンコのおかげで、日常に密着した何気ないけれど大切なことに気付いたのです。
二番目のページ目に記されていることは、まさにその内容だったので驚いたのですが、それだけではありません。
「見えているものは、一瞬で変わる」ということは、まるちゃんやワンコを見えないと思うのは一瞬のことで、心さえ繋がっていれば、永遠に通じ合えるのかもしれないな、と思ったのです。
そうですよね まるちゃん&ワンコ

三番目に開いたページには、こう書いてありました。(P 020~021)
「他の道も 探してみよう」~幸せになる道は、一つではない~度一切苦厄
『幸せに到る道は一つではありません。~略~
物事を断定するたびにあなたが失っていくものがあります。ここに幸せがある、いやここにしかないと思い込んで、そこばかりを深堀りするのは、むしろ幸福からどんどん遠ざかる行為かもしれません。』

この言葉を読んだとき、ドキリとしました。
ワンコは、私が頑固で頑なで、幸せを遠回しにするような道を選びがちなことを、一番心配してくれていたから、この言葉を選んだのかなと思ったのですが、
優しくて優しい まるちゃんとワンコが、「大丈夫だよ」という気持ちをこめて伝えてくれたのだと閃きました。
ずっとずっと心は繋がっているけれど、新しい季節がくれば、一緒に歩いた散歩道だけでなく、おそれずに新しい道や新しい出会いも大切にしてね、と伝えてくれてるんでしょう? まるちゃん&ワンコ

まるちゃん
ワンコは犬見知りが激しいから、まるちゃんに御迷惑をおかけすることもあると思いますが、どうぞ宜しくお願いしますね。

年末年始は、比較的穏やかな天気だというので、お空組の皆で仲良く帰って来てくださいね。

追伸
最初だけ「おじゃましまーす」ってご挨拶すれば、あとは、お正月なので、無礼講だよ
楽しみなら、帰って来てくださいね。

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まるちゃん達お空組が歌う LAST CHRISTMAS

2016-12-26 20:50:55 | ひとりごと
これからは、天上界で「ラストクリスマス」が歌われることになった。

<英歌手ジョージ・マイケルさん死去、53歳> ロイター 12/26(月) 8:37配信より一部引用
英歌手で、ポップデュオ「ワム!」やソロシンガーとして多くのヒット曲を放ったジョージ・マイケルさんが死去した。53歳だった。
マイケルさんの広報担当者が「私たちの愛すべき息子、兄弟、そして友人であるジョージが、このクリスマスの期間に自宅で亡くなったことは大きな悲しみだ。家族はこの困難な時にあってプライバシーを尊重してほしいと望んでいる。現時点でこれ以上のコメントはない」と発表した。英警察は、マイケルさんの死について「原因の説明は不可能だが、不審な点はない」としている。
1963年にロンドンでギリシャ系移民の両親の下に生まれたマイケルさんは、1981年に「ワム!」を結成し「ラスト・クリスマス」などの大ヒットを飛ばした。

昨日まさに、’’去年の今頃(クリスマス)’’はワンコがいてくれたと思い堪らない気持ちになっていただけに、寂しさを強く感じている。

この時期になると御大は、高3の担任が二学期の終業式に宣ったという「クリスマスは苦しみます」という寒いセリフを必ず言うのだが、どのクリスマスソング(流行語)が心に浮かぶのかは、世代により違うのだと思う。

私の場合、クリスマスソングといえば、ワムの「ラスト・クリスマス」だ。
クラスのなかに、アイドルの話をする同級生がちらほら現れ始める頃、チェッカーズや光GENJIが流行り始めていたのだと思うが、そんななか、ワムやカルチャー・クラブが好きだという友達が一人いた。
もとより熱血チビッ子野球派の私は、アイドルでもワムでもよいのだが、他の同級生より一足早く大人の階段を登っているような友人に興味をもち、初めて聞いたのが、ワムの「ラスト・クリスマス」だった。

今年もまた、私の頭に「ラスト・クリスマス」が流れていたのだが、この曲の冒頭の「LAST CHRISTMAS」が浮かんだだけで、もう堪らない。

去年のクリスマスには、ワンコがいた。
季節が一巡りしても、寂しさは募るばかりで、どうしようもない。
だが、ワンコのおかげで違う視点を持つことができたことを感謝しなければならないと思う一節に出会った。
このところ読んでいる短編小説「サファイア」(湊かなえ)の中の唯一の連作「サファイア」「ガーネット」の一節だ。

人に甘えるなど滅相もないと思っている主人公の真美は、他人におごってもらう事もタダでもらう事も嫌いなので、まして人に何かをねだる等ということはしたことがなかったのだが、旅先で出会った修一とは不思議なほど感覚が合い心を許し、20歳の誕生日のためにと人生で初めて指輪をおねだりしたのだった。
だが、修一は、誕生日当日事故に遭い、亡くなってしまう。
後日、修一の家族から真美の誕生石であるサファイアの指輪を手渡された真美は、その指輪を買うため修一がしたアルバイトが悪徳商法だったことを知る。
修一自身は悪徳商法と知らずにしたアルバイトだが、それにより恨まれていたのではないか、事故ではなく被害者に殺されたのではないか、と不信をもった真美は、『たった一度のおねだりは、これほどまでに罪深いことだったのか』 『もう二度と「欲しい」なんて口にしない』と心に決めて、何年もたつ、というところで話が終わる、「サファイア」

10年経ち、真美は、人のイヤな部分を炙り出す書きっぷりがウケる売れっ子作家になっていた。
その10年の間には自責の念から自殺未遂もはかったこともあったが、時々夢に現れてくれる彼を支えに、大学を卒業し、食品加工会社で流れ作業の一部となる仕事をし、なんとか生きていた。
だが転機が訪れる。
夢のなかの彼が、中に何も書かれていない本を手渡してくれたのを契機に初めて書いた小説が受賞するのだ。
夢のなかで、受賞作を彼に渡すと、彼は真美の頭を撫ぜ、ぎゅっと抱きしめ、背中をトントンとたたいてくれたが、やがて、次作を書かない真美を、夢のなかの彼は寂しそうに見るだけになってしまう。
そんな時、真美の活躍を妬む者により、肌身離さずつけていた遺品のサファイアの指輪が盗まれたり、階段から突き落とされたりという事が真美の身におこるのだが、この経験をもとに、人の憎しみや不幸に酔いしれる人の醜い復讐などを書いた作品が、ベストセラーになり映画化される。
そして、その映画の対談を読んだ読者からの手紙により、真美は真実を知るのだ。
かつて修一が売りつけた悪徳商品の買い手は、決して修一を恨んでいたわけでもなければ、その後の人生を不幸に生きていたわけでもなかった。
それどころか、10年前の修一が真美をいかに愛していたかを、知ることになる。

修一はお客に、何かを切っ掛けに違う世界が見えることがある、それが自分(修一)にとっては真美だと語っていた。
『彼女を通して見える世界が好きなのだ。同じ景色を見ているのに、彼女の語るその景色には自分に見えない色があり、匂いがあり、空気がある。それは自分一人では気付くことができないけれど、彼女を通して見えたとき、ずっと探していた世界のように感じることができる。だから、一緒にいたいのだ』と。

この言葉を聞いたお客(手紙をくれた読者)は、違う世界を見せてくれる何かを欲しいと思う。
『自分の目に映る世界にまだ向こう側があることを教えてくれる、映画監督や作家のような存在かな、と。
 世界の向こう側・・・・・。わたしの目にはくだらないと思えるこの世界も、何かを通せば変わって見えるのだろうか。
 それは人なのか、モノなのか。モノならば、指輪(悪徳商法の品)ということもあるんじゃないか』

悪徳商法の品である指輪は確かに粗悪品だったが、修一の言葉により新たな視点を得た購入者は、その後良い人生を歩むことになり、今では、その悪徳商品が「人生を変えた品」というべき物となっていた。
それを知った夜、真美の夢に修一が現れた。
彼は、真美の頭を撫ぜ、強く抱きしめ、にっこり微笑み、そして光のなかに消えていった。
真美は、『多分、もう、夢の中で彼に会うことはないだろう』と思うが、鞄に本を入れておけば、きっと彼は読んでくれるだろうという安心感と安らぎのうちに終わる「ガーネット」

ワンコ、長々と二編を紹介した私の意図が分かるかい?
心配事がある時、褒めてもらいたい時、彼が夢に現れてくれることが、羨ましかったんだよ ワンコ
もう一つ、ワンコのおかげで私も、ずっと探していた世界に通じる何かに出会えたと伝えたかったんだよ ワンコ
それを伝えたくて、この忙しい時期に、長々と概略を書いたんだよ ワンコ

ワンコを通して見ることで、確かに世界は変わって見えたな。
何気なく歩いていた道に、色がつき、匂いがして、季節の移り変わりに敏感になり、ワンコ仲間もできたな。
生活に密着した何気ないそれは、意外なことに大切なことだったと、今ひしひしと感じているよ ワンコ

黙って、ただ黙って寄り添うことの優しさを教えてくれたのも ワンコだったな。
ワンコを通じて、本当の優しさや愛を感じることができたことは学びだったよ ワンコ

ワンコは、『自分の目に映る世界にまだ向こう側があることを教えてくれる』存在だよ ワンコ

ワンコが、もう((下界の家族は)大丈夫だと思ったら、安心してお空に居座ってしまいそうで、寂しいけれど、
私が泣き言ばかり言っていたら、ワンコは、お空世界を楽しめないのかい?
じゃあ、繰り言はなるべく控えるから、ご褒美を届けにきておくれよ ワンコ

クリスマスの朝、布団のなかにワンコの匂いがして、サンタ・ワンコが遊びに来てくれたんだなと分かったよ ワンコ
きっと、(お空生活11日)先輩まるちゃんと一緒に、地上にプレゼントを届けに来てくれたんだろう ワンコ
私にとっては、ワンコのあの匂いを感じることができたことが、一番のプレゼントだったよ ワンコ

でも、これから年明けの、その日が近づくにつれ、きっともっと辛く辛くなると思うんだよ ワンコ
それは、毎日’’去年のこの日のまるちゃん’’を見つめ続けている、まるちゃんママさんにとっても、キツイことだと思うんだよ ワンコ
だから、まるちゃんと一緒に地上へパワーを送っておくれよ ワンコ

そして、年末年始には、まるちゃん ワンコ お空組さんたち
皆仲良く、「ラスト・クリスマス」を歌いながら帰っておいでよ

お空で皆で楽しくやっていると知ることで、地上組も元気になるからね
帰省しておくれ 
まるちゃん ワンコ お空組さんたち

追伸
まるちゃんママさんへ
まるちゃんが、「ラスト・クリスマス」を好きかどうか分からないのに、勝手に帰省のお伴の曲に決めてしまい、そのうえタイトルにまで登場してもらい、申し訳ありませんでした。
少し前から、まるちゃんの優しい目や足元をブログで見るたび、ちょうど一年前のワンコと同じだな、と感じていました。
だからこそ、これからその日が近づくにつれ、きっと辛さが増してくるだろうと、私の気持ちを重ねていました。
でも辛さばかりではありません。
年齢にして一歳先輩で、お空組としては11日先輩のまるちゃんが、ワンコをリードしてくれると思うだけで、どれだけ心が救われているかしれません。
ありがとうございます
これからも、どうかワンコともども宜しくお願い致します。

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