昨年京都に行ったとき、古本屋で見つけた『京都のフォークソング』。
今ここで買わなければ多分もうこの本とは会うことができないかもしれない。
そんなことが頭の中に。思わず衝動買いしてしまった1冊である。
著者は京都の老舗扇子屋「白竹堂」の10代目当主。
小学校6年生の時に吉田拓郎の「知識」を聴いてフォークソング好きになったという。
冒頭にこんなことが書かれている。
「僕の心には、いつもフォークソングがながれていた。
静かに心に響く歌詞とメロディーは、
僕の考え方や人生に大きく影響している。」
全く同感である。
本書は、アマチュア時代に京都の地で活躍していたフォークシンガーを中心に対談で構成されている。
杉田二郎、ばんばひろふみ、きたやまおさむ、中川五郎、豊田勇造、ほか
名前を聞いただけでもう、フォーク好きの僕は興味をもってしまう。
帯には、「1960年代後半から1970年代前半まで 京都はフォークの聖地だった」と書かれている。
本を読んでいるとあの時代の「熱」が胸に突き刺される。
フォークソングというサブカルチャーから、若者たちのエネルギーが感じられる。
奇跡のあの時期、ある意味ではいい時代だったのかもしれない。
今でもフォークソングが愛されている、その原点をも対談から伝わってくる。
いつのまにか僕の愛読書になった『京都のフォークソング』
自分にとっていい本にめぐり会ったと思っている。