音を決定付けるスピーカーにおいては、様々な特性があります
周波数特性や、音圧特性、位相特性、遅延特性、歪み特性、過度特性等、等々
良い音を目指す方々はこれらの特性を、出来るだけズレ無く、ブレ無く、乱れ無く整えます
これがオーディオ・セッティングだと思います
同じ音響機器を使っても、このセッティングが違えば、当然音も違います
測定器を使って特性を揃えると、「音はよくなります」
「乱れのない良い音」と言えばよいのでしょうか?
でも、良い音と言っても、それは人それぞれ
楽しい音、突出した音、魅力的な音、等々の「個性的な音」もあり
求める音は様々です、100人オーナーがいれば100通りの良い音があると思います
因みによい音は「誰が聴いても良い音」だと思っています
魅力ある個性的な良い音と言ってもいいのかな

私が目指すのもそんな個性的な魅力ある音かな?
原音に忠実に、の路線は崩しませんが、
それに加えて演奏者の情熱を自分なりに奏でたり
自分ならではの独自の表現方法で音楽を奏でるには
極力、測定器を使って特性を補正しない事が大切だと思います
注、正しく繋がれているかのチェック程度は必要だと思いますが
様々なお宅を巡り、聞かせて頂いて思うのは
測定器でびっちり合わせて、理論通りの特性になっています
「素晴らしい音でしょう」
と唱えるオーディオマニア宅では、確かに歪も無く、ノイズも無く、帯域も広く、音は良いです
でも音の楽しみや、演奏者の情熱やエネルギー、感情等は、なかなか伝わってきませんね^_^
聞いていて何か物足りない、良い音だけど何か少し残念なシステムに聞こえます
聴かせて頂いて、「楽しい」、「魅力的なサウンドだ」と感じられるサウンドは
オーナーが、自分の感性を研ぎ澄ませ、自分の耳を使い感性で仕上げたシステムが殆どです
あくまで私が聴いてきた限りではそう思いました
40年以上前かな、だいぶ昔ですがお世話になった販売店、某C音響でブラインドテストをご一緒させて頂いた事が有ります
米国製、英国製、国産等の数台のスピーカーを後ろ向き(ブラインドで)聴かせて頂き
好みの音のスピーカーを選ぶ、遊びのような聞き比べでしたが
この試聴で、私が良い音だと選んだスピーカーの特性をその場で計ってみると
見事に特性がバラバラ、山あり谷あり乱れあり(笑)
つまらない音だと思ったスピーカーが、なだらかで一番いいカーブを描きました
やべー、「お前は音が分からない奴」と言われる、と思ったら
武〇社長から意外にも
「流石、良い耳してますね~」と褒められ
特性と音について教えて頂いた思えが有ります。
武〇さんは技術者でしたから、特性は大切だと言いましたが、それと音の良さは関係ないと
音は個性と魅力だから・・・・、と言われたような、言われなかったような(笑)
40年以上前の事ですから何となくの思い出ですが、その頃から音の魅力について
特性を揃えれば揃える程、ある意味音は死にます
かといって乱れていればいいのかと言われれば、そんなことはありませんが
特性は重要だと思いますが、それに囚われすぎると、大切な何かが失われるのでしょうか?
難しものです