
先日アンプビルダーの方や、ハイエンドオーディオマニアの方々がお見えになり
こんなに色んな真空管アンプが有るなら、其々聞かせて欲しいと言われ
いつものWE91レプリカアンプ以外のアンプにも繋げて比較してみました

まずはWE91B型の兄貴分と言われるWE86型アンプから
入力の電圧増幅はWE262Bを二段で使い、他の真空管や部品や出力トランスも
出来るだけWE製品で作り、オリジナルに出来るだけ近いサウンドを奏でているつもりです
WE86はオリジナル・レプリカも含めて様々な所で聴かせて頂きましたが、
それらと比較してもわりといい出来のアンプだと思っています

1988年製のWE300Bをプッシュプル動作で増幅するアンプで
元々WE300Bは、この86アンプの為に作られたと言われています
出力も15W近くあり、大出力なアンプが奏でる豪快で力強いサウンド
と、思われている方も多いと思いますが
WE86は、パワフルなサウンドというより
綺麗で繊細なバランスの良い音のアンプだと思います
まさにWE91Bの兄貴分の風格と気品を持ち合わせた音色で
比べて聞くとWE91Bは
WE86から「音を間引いて」「気品を削り落とした」ようなサウンド
若々しくフレッシュとも云える音だが、ヤンチャ坊主的な荒々しさにも感じます
WE86は風格が有り、ゆとり有り、音も本当に音の良いアンプですが
ただ私に云わせると、チョットだけ面白みが足りない
迫力が少しだけ足りない、音が飛んでこない、だから躍動感に欠ける、、、、、
気もしますが
それでもやっぱり、それなりの交響曲を奏でれば圧巻ですね
WE91Bでは明らかに低域の役不足を感じます
86の豊かな低域に支えられた落ち着きの有るサウンドは、
これはこれでとても魅力的なんです
普通~に、音楽聴くにはとても落ち着いた、素晴らしい音のアンプなんです
が・・・、
・・・・・・・、
さてさて、お次は大型送信管のGEの211送信管アンプ

このアンプはWE43風バッファーアンプを目指して作ったもので
バッファーアンプだから前段を持たない、単弾のトランス入力アンプなので
使うには、前段の小出力のアンプが必要になります
元々はWE91Bのバッファーとして作ったのですが、思うような音に鳴らずに
ウエストレックスのRA1474回路で前段アンプを作ったのですがこれもイマイチ
思案の末にWE120Aラインアンプの出力トランスをパスした出力端子を作り
WE120Aの電圧増幅部をそのまま前段アンプとして使っていたのですが
これも当初なかなか思った音は奏でないので、最近はあまり使っていませんでしたが
WE120Aラインアンプのドライブ真空管をWE348Aに変え、出力管もWE349Aに変えてから
その魅力的な音に驚きました、
もともとこの組み合わせで2Wぐらいのアンプが出来たのですが
この組み合わせが、WE史上最高の音質を誇ると噂されるアンプでもありました
やはりアンプは初段の電圧増幅で決まりますね、
おかげで出力管211の良さもさらに良く出るアンプになりました
で

水銀蒸気整流管のRCA872Aもいい仕事しています
パリんと力強く張りの有るサウンドで、これが鳴り出すと流石、大型送信管
なんとWE300Bの音のスケールが、小さい、狭い、きつい
そんふうにさえ思えてしまうのが211バッファーアンプです
この211シングルは43アンプのようにAC点火は無理でしたので、DCで点火しています、その静けさが今まであまり好きではなかったのですが
WE348とWE349に変えてから何やらいい感じです、静けさの中にクッキリとした力強い安定感のある音になりました
これまた交響曲を聴くとWE86とは違った、なにやら優雅に張りがある音
いや、柔らかさがあるのかな?
和太鼓のレコードをかけてみるが、これもヒジョーに良いではないか
改めて、俺こんなに音の良いアンプ持ってたのに

なんでいつもWE91Bレプリカばかり聴いてるんだろう
リビングルームにも、RCA245シングルアンプ、91型初段単段増幅アンプ、WE142型350Bプッシュプル
がありますが、今回はこの三台の中から、今回はRCA245アンプを運び入れ聴いてみました
そのシンプルで素直な音色にビックリ!
この濁りの無い音の純度は鳥肌もの
だが、チョットだけパワーが足りない
約2Wは希望的に出ていると思うが、心地よい大音量には足りない
以前2A3で3Wのアンプで行ったが、やはりこのくらいは欲しいところです
超高能率なスピーカーですが、大音量で楽しむにはある程度の出力は必要だと思います
4台のアンプを聴いて、元のWE91Bレプリカに戻すと

とにかく、うるさくて、音域は狭く、音に品が無い!
低域の量感を少し出そうと、外してあった電源のチョークトランスを入れてみると
量は出るが、音が遅くなるのが分かる、91Bらしさを出すには、
電源チョークではなく抵抗方式のほうがスピード感がある
暫く聞いていて、その雑味ばかりの音になれてくると
この音の表現力はやはり一番このスピーカーに似合っている気がしてきた
音が良いわけではない
音域が広いわけではない
心安らぐ気品のある音ではない
煩く、刺々しく、しつこい位に色濃く力強く
そんな音色で
表現力豊かな音の表情を聴かせるアンプが91Bだと思う
この表現を聴き楽しむにはやはり
励磁型スピーカーは必需品かもしれませんね
残念ながら、我がシステムに?
いや、私の音楽の楽しみ方に一番似合うアンプは
この音の悪いアンプのようだ(笑)