あべちゃんの写楽生活

撮ることが楽しいのか、楽しいから撮るのか

うれし恥ずかし、ヌード撮影会の巻 3

2015年03月31日 06時21分19秒 | 写真

 

つづき

 

「はい、じゃあ脱ごうか!」

見るに見かねて、先生(プロカメラマン)が叫んだ。

モデルはさも当たり前のように、下着をがばっと脱ぎまた棒立ちになった。

「こりゃ、だめだな」

そう思ったかどうか知らないが、先生はこまかいポーズをつけ始めた。

モデルも人間だから、こちらから指示しないと身体的

に楽なポーズをとってしまう。

そうさせないために、先生がいる。

また先生は、ポーズといったら、足を開くことしかできない、

危ない子のストッパーの役割もあるのだ。

 

やっと撮ることができるようになったな、そんな感じでカメラを構えた。

先生がつけたポーズが決まるたび、カメラを構えるのだか、

いっこうに目線が・・・こない。

プロのモデルは一定の間隔でそれぞれのレンズを見てくれる。

しかし悲しいかな、アルバイトモデルはそんなことできないのであった。

壮絶な「目線くれ戦争」が始まった。

 

モデルに声をかけて目線をもらい、シャッターを切る。

モデルはミラーが跳ね上がったのを確認して他の人に移る。

その間約4~5秒。

その間に、フレーミング、ピント、露出を確認してシャッターを切らねばならないのだ。

その場でフィルムチェンジなどしようものなら、ブーイングである。

「そんなこと、後ろでやれ!」ってね。

みんな真剣である、にやにやしてる人など一人もいない。

みんな一瞬のチャンスをものにしようと必死である。

 

2、3回シャッターを切ったであろうか、後ろのほうから声がした。

「そろそろ、代わってもらえませんか?」

そうであった、いいポジションで撮りたいがため、私の後ろに

ならんでいるのだ。しかも大勢。

これは無視する雰囲気ではないな。

そう感じた私は「立ちまーす!」と言い、後ずさりした。

撮影会では前の人が立ち上がるときは、後ろで撮影してる人の

じゃまにならないように、声をかけることが暗黙の了解だ。

いろんな場所で「立ちまーす!」の声が響いていた。

 

一番後ろにならんで、もう一回いくか!

いや、30人もいるんだ、もし回りきれなかったらもったいない。

そんな貧乏根性丸出しで、私は次のモデルに移ることにした。

 

               -- つづく --

 

*2015年 追記

 

        モデルもベテランになってくると、カメラマンの腕前を瞬時に判断できます。

        「こいつら、へただな」

        と、思われると、勝手にポーズをし始めます。

        しかたなく、我々はそれを撮ります。

        これを業界用語で「撮らされている」と言います。

        しかし、モデルが「ここで、撮って!」と無言で訴えているとき、

        いいタイミングでシャッター音がすると、やがてモデルも乗ってきます。

        それはそれで、いい写真になるときもあります。

 

                素朴な疑問

 

        Q:モデルは全部脱ぐの?どんなポーズもOK?

                  A:全部、脱ぎます。

         基本、ポーズの要求には応じてくれますが、予めモデルは

        「あまり過激な要求には応じないように」

        と言われています。

        またモデル本人がOKでも、マネージャー、関係者から

        ストップがかかることもあります。

 

        Q:個人的にモデルは雇えるの?

        A:基本、アマチュアとはモデル事務所は契約しません。

         しかし、活動が広く知られているようなグループには

         例外的に契約することがあります。

         ただし、ギャラ(事務所に支払う額)だけで10万円くらいします。

 

        Q:よく写真雑誌に広告を出している、個人撮影はどうなの?

          A:モデル事務所から指定されたスタジオで1時間単位で、撮影できます。

         1対1の撮影です。

         モデルはアルバイトなので、素人と素人の撮影会になります。

         写真のクオリティはあまり望めません。

         素人モデルは制約が多い(顔NG、ブログNG等)ことがあります。

 

コメント
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