Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

オートファジー & MCTオイルで断食ランニング

2019-01-15 14:51:23 | ランニング

 

なぜ母乳しか飲まない赤ちゃんが猛烈な勢いで成長するのだろうか、、、
って考えたことはないだろうか。

それ、オートファジーってやつです。
細胞が飢餓状態になると自食する行為。
自食というと悪いイメージだけど、
細胞内の不要になったタンパク質や細胞器官を掃除してリサイクルするシステム。
誰にでも備わっている。

このオートファジーに関して2016年 大隅教授がノーベル生理学・医学賞を受賞。
オートファジーの仕組みが解明されたのね。

オートファジーはいつでも起こるわけではない。
これを起こすためには16時間の断食状態を作る。
夜21時に食べたら翌日の昼間では何も口にしない。

これだけでダイエットになる。
残りの8時間でちゃんとした食事を摂るので食ってる量は同じね。

さらに効果を得るために、朝バターコーヒーを飲む。
これ雪印のバターじゃないよ。
MCTオイルという中鎖脂肪酸を摂る。
このオイルを摂取することで、糖ではなく脂質を燃やせる体質に変えることができる。

(ちょっと高いっす。2000円くらい。)

糖を燃やしても、糖には貯蔵量の限界がある。
だからそれを超えると低血糖=ハンガーノックになる。
走っていて腹が減る自覚症状だね。

ところが脂質を燃やせる身体は空腹を知らない。
パフォーマンスも上がる。

ちなみに人間にはこのオートファジー機能が備わっているので、
16時間の断食でタンパク質のリサイクルに加え、有効に筋肉を作り上げることができる。
だからプロテインを摂る必要は無いとも言えるんだね。

この16時間のファスティング(断食】& MCTオイルを初めて2ヶ月。
ファスティング時間中にランニングする。身体のキレがいい。
食事後に眠くならなくなっった。→たぶんインスリンがドバーっと出てない。
先週、20キロでPB出せた。
体重の変動が小さくなった。

いいみたいだよ。


2018 伊豆トレイルジャーニー

2018-12-11 00:23:42 | ランニング

伊豆トレイルジャーニー

12/8(土)
本番前日、伊豆の松崎町に入る。
松崎新港から修善寺までの71.7キロの旅、スタート地点。
携行品のチェックを済ませ受付でゼンッケンをもらう。
携行品チェックというのは、シームレスのレインパーカー、エマージェンシーシート、コンパス、コースマップ、
ライト、バックフラッッシュ、携帯トイレなどなど携行が義務付けられているもののチェックだ。

続いてブリーフィングに参加。
コース説明、予想天気などの説明。
鏑木さんが冒頭にこう言った。
「健康が一番」
当たり前のことのようなこの言葉が後々身に沁みた。わけは後ほど。

会場で、スキースクール時代の後輩と30年ぶりに再開する。
FBでお互いトレランをしていることもあって繋がり、
そしてこのITJを共に走ろうということでエントリーしたのだ。
感動の再会を果たし、他のエントリー仲間とメシを食い、宿に移動した。

この日、伊豆に移動しながら仲間にこう言われた。
「顔つきが変だ」
なんか熱っぽいというか、多分むくんでるのか、シャキッとしていないのは自覚していた。
2週間前に風邪を引いていて、完治していない。
それでもその日まで2回は走った。
10キロを4分45くらいで楽に走れたので、全く問題ないと思っていた。
でもまたぶり返したのかもしれない。
鼻水止まらずなんだよ。。。

雲見温泉の上質な民宿に泊まった。
熱い風呂に入り、寝たのは10時半だったかな。
西風が強く、窓がガタガタ鳴りなかなか寝れなかった。

12/9(日)
3時半起床。
オニギリ3個を食べスタート会場に移動。
これぞITJという盛り上がり。
スタートは山ではない。港だ。海抜0m。
スタートゲート脇のフラッグがバタバタを音をたてる。
西風マックス12m。
ほとんど御前崎の海でのウインドサーフィン大会コンディションみたいだ。
港の岸壁に並が当たり、波しぶきが1500人の選手にかかる。

上はウインドブレーカー、下は短パン。
シューズはOnの新しいクラウドベンチャー。

仲間たちとかたく握手し、フィニッシュでまた会おうと誓う。
電子音カウントダウン。スタートホーンが真っ暗な港に響き渡る。
午前6時、71.7キロ、累積標高4400mの旅が始まる。怒涛のスタートラッシュ。

Bon Voyage!!いってらっしゃい、良い旅を!

スタートから登りの3キロロード。
オレは朝にはめっぽう弱い。すぐに息が上がる。
すぐ暑くなりウインドブレーカーを脱いでザックにしまう。
このとき、目標タイムを記したカードと、吊り防止のサプリを落とす。
かがんだ時、ザックのポケットから落ちたんだ。北丹で両足吊ったときの恐怖が蘇る。

気がついたときに無かった。こういうのは眼の前が真っ暗になるくらい心が折れそうになる。

3キロからトレイルに入る。いきなり渋滞。10分はロスしている。
どんどん寒くなる。でも走れば寒さは解消される。ところがなかなか走り出さない。

詰まる、走る、詰まる、走るが頻繁に起こった。
やっと渋滞から開放。どんどん走れるトレイル。
走れるというか走らされるようなトレイル。
下りの林道に出た。
後輩に追いついた。
しばらくしてミドリちゃんにも追いついた。
そんな飛ばすつもりはなかったけど、とにかくシューズが良かった。
飛ばしてくれと言わんばかりバネと衝撃吸収が抜群だった。
ほとんど抜かれていない。ものすごい人数を抜いた。

そしてA1エイドの小金橋24キロ。
落とした目標カードだけど、A1のタイムだけは覚えていた。
9時目標。到着は9時19分。
とてもとても挽回できるとは思わなかった。

熱がある。そう感じた。急速に体力が無くなってる。
まずは補給せねば。特急でバナナ、オレンジを口にする。

再スタートするも頭がボーッとするよ。
とりあえず登る。登ってるけど、これで終わったと思った。
こういうときは目を閉じてみる。
明らかにまっすぐ走れない。熱がある証拠だ。
初めてDNFの3文字が頭に浮かぶ。

A1にはまだ戻れる。
だってまだフィニッシュまでは50キロ近くもあるのだ。
次のA2までは20キロ弱。
戻るか進むか、、、なんとかA2まで、そこまでは行こう。
走れるところは走ったけど、登りは確実に歩いた。
急勾配があり足が上がらない。道志や北丹よりツライ。
後続の選手がオレの後ろに溜まった。
立ち止まって道をゆずる。屈辱を感じる。
10人、20人を先にやる。

斜面をトラバースする。平衡感覚がおかしい。
バランス崩して崖から落ちたらシャレにならない。
綱渡りのように歩く。身体が山側に傾いている滑稽な姿だったろう。

それでも少しづつ、100mずつ進む。50mづつ進む。
1歩進めば1歩次のエイドに近づく。
フィニッシュのことはもはや考えもつかない。
A2が全て。A2に着いたら考える。DNFを考える。

そしてA2、仁科峠エイド、44キロ。
到着者と出発者がクロスする道がある。
そこでミドリちゃんとすれ違う。彼女は休憩が終わり再出発したのだ。
そこへオレが到着したということ。
ここではウドンを頂き、小休憩してきっと彼女とは15分の差になるだろう。
ここできっちり15分休憩した。
とはいっても急いでウドン3杯かけこみ、コーラを飲み、
水を補給して、落ち着くこと無い15分。

ここでは不思議とDNFは考えなかった。

気持ちの何処かにまだ彼女と勝負は終わってねえ!みたいなのがあったかもね。子供かよ。

エイド側道の応援で気持ちが高ぶったのもあるよ。

ところが再スタートするも、気持ちの高ぶりはすぐに消沈した。応援の声は背中にすぐ消えた。
結局はどんな強い気持ちも体調が左右する。自分の気持ちは陽炎みたいに不安定だった。
病は気から、ではない。そんなことはあり得ない。
強靭な精神は強靭な肉体に宿る。
痛感した。鏑木さんのブリーフィングでの言葉が身に沁みた。

旅を楽しむことも、笑顔で走れることも、耐久することも、健康あってのことだ。
とても悔しかったけど、ここでレースを止めた。気持ちの上で、ぷつんと糸を切った。
でもDNFではない。レースを止めただけで完走に切り替えたのだ。

簡単なことだ。糸が切れたんではない。切ったんだ。
走れないのではない。走らないと決めたんだ。

ここで気持ちを入れ替えるためにザックからBluetoothのイヤホンを出して耳にセットした。
ジャンプを聞いて、UTMBのテーマソングも流れてきた。
でも、いつもと違う。全く心が踊らなかった。音がうるさい。
すぐに取外したよ。

もくもくと歩く。ただただ歩く。
ツライのは気のせいだ、と言い聞かせても、もう一人の自分が、いやいやこのツラさは本物だよと言う。

仁科峠は伊豆箱根特有の熊笹一面の壮大な風景の中を走る。
左には燻し銀に輝く駿河湾。傾いた陽が海面を照らす。

段差の大きな階段の下りが続く。絶好調だとしてもキツイ階段だ。
ましてやいつもより神経を集中させるので脳が疲弊しているのがわかる。
いつかは着く、いつかは着く、とマントラを唱えて進む。

もし小さな子供が遠くからオレを見たらこう思うだろう。
あのおじさん、ヘトヘトな感じがするよって。
そうだ。誰が見てもヘトヘト感いっぱい。
頭をもたれ、肩を落とし、腰が砕け、膝が笑い、階段をよろめきながら降りてくるオジサン。

最後のエイド、A3土肥駐車場に着く。55キロ。
このエイド到着間際に相方から着電があった。
A2でリタイヤするという。膝が壊れ前へ進めないと言う。
いい選択だ。おつかれ様と言った。
DNFとはいっても今までで最長トレイルを記録。
次へ繋がるDNFだ。
それから先はオレが受け継ぐ。ゆっくり安め。
でも本当に休みたいのはオレなんだよ。。


オレはそう言いながら、50キロ過ぎてから全く進んでいないことに気がつく。
1キロが長く永遠のようだった。本当に進まないんだ。
52キロの次に51キロが現れ、しばらく行くとまた51キロの標識が現れる。
キツネに騙されているか、夢を見ているのか。。
やっと着いたA3土肥駐車場は気温2度。

夢ではなかった。明るい雰囲気と美味しい食べ物が待っていた。
ここで猪汁を頂いた。世の中にこんなに美味しいものってあったのか!
しっかり2杯、ネギをたくさん入れて頂いた。そしてウインドブレーカーと長パンツを装着。

(レース中に撮った画像はこれだけ)


服装は難しい。
寒くても厚着をすると汗をかき、それが冷えると薄着よりも危険になる。
とにかくここで冬支度をした。
ネックウオーマーで耳と鼻から下を覆う。
止まらない鼻水をグローブで拭くので、グローブはビショビショ。
鼻の下はヒリヒリして多分腫れている。

あと17キロ。永遠の17キロ。
全力で走れば80分くらい。
でも3時間はかかるだろう。
3時間も寒風の中進むのか、、、オレは何をやってるんだろう??
もうトレイルやめようかな。何なんだ、一体??
ツラさを超えると腹まで立ってくる。

達磨山レストハウスからヘッドランプ点灯させた。
空はまだ少し明るいが林の中はもう前が見えない。
このころから選手同士の励まし合いが多くなる。

みんなツライのだ。
ツライのはシェアするのだ。

途中で会話した人は同じ茅ヶ崎のランナーで家が近所だったり、
立ち止まっていたら異常なハイテンションで周りを盛り上げながら走る若いランナーがいたり、
やたら元気なボランティアスタッフがいたり、寒いけどホッカイロみたいな瞬間があったよ。

さて、ランプを点灯後、重大事故が起きた。
ランプが数秒後に消える。
またスイッチを入れるも5秒持たない。

朝、まだ暗いうちに使ったランプをしまうときに誤ってonさせちゃったのだ。
しかも予備のランプをザックに入れてこなかった。
完全に甘く見てた。山を、レースを。トレイルランナーの風上にも置けない。

オレはiPhoneですら持たない予定だったのだ。重いから。
持って走ったのは不幸中の幸いだった。
iPhoneのライトで足元を照らす。
石や段差や木の根を確認して進む。
山の中だ。月の光も星もない。曇っている。もはや完全な暗闇。
iPhoneライトじゃ限界がある。当たり前だ。前方1mをほんわり照らしているだけ。
後続選手のライトが迫ってくる。その光を追いかけながら進みたい。
でもあっという間に追い越され、すぐに遠く離される。
彼らの光をもらって走る力はもうない。

泥の水溜りにはまる。小さな岩をけとばす。
なんでラストにトレイルなんだよ!!思わず声に出す。

オレより更に遅いランナーが前にいた。
足を引きずって走っている。
足を引きずって走っているランナーに歩いているオレが追いつく。
「一緒に行きましょう。もう少しだ。」と話しかける。
「もう無理ですから先に行ってください。」と彼は返す。
彼はオレにライトがないことがわかったのか、オレの道標になろうと無理に走ってオレの前に出てくれた。
彼は自分のヘッドライトを外しオレに手渡そうとしたよ。
「これ使ってください。私はハンディライトあるから。」
礼を言って丁寧に断った。
「もう街頭が見えてきたしダイジョウブ。フィニッシュ目指しましょう!」

少し走り、多く歩き、多めに走り、少し歩いた。
民家が見えてきた。
民家から住人が、もう少し、頑張れ!と励ましてくれる。

修善寺の温泉街に入った。
とてもレトロな街。赤提灯が灯る居酒屋がある。射的場もある。
亀のような速度で走っていると、ドン!と背中を叩かれた。
「もう少しだよ、がんばれ!!!!!」
知らない女子選手が大きな声で励ましてくれた。
「ありがとう!」と言ったら彼女は振り返らず左手でガッツポーズをしてくれたよ。

オレは自分の不甲斐なさと、それとランナーの温かさと優しさがもうゴチャゴチャになって涙が止まらなくなった。

遠く選手をコールするフィニッシュの賑やかさが聞こえてきた。

階段を下る。
細い花道が始まる。
先にリスペクトタイムを出しフィニッシュしたミドリちゃんと相方がいたよ。
最後のストレートは相方と一緒に走った。
こないだの神流では逆のパターンだったな。
テープを両手でつかみ高く上げた。

フィニッシュ。

(動画撮ってな。最後だからここは撮らんと!)

 



11時間58分。
長い旅の終了。

反省すべき点数多し。
いいように考えよう。
得ることが多かった、得ることが大きかったレースだ。

あらためてハッキリしたこと。
トレイルランニングは素晴らしい。
友人だったり仲間だったり、山の自然や、自分と向き合ったり、
愕然としたり復活したり、諦めたり。
こんなに楽しいことはない。
楽しいに尽きる。
それに尽きる。

良い旅をしたと思う。

 

ITJ 2018(IZU Trail Journey)

グリーンフィールドさんの投稿動画です。素晴らしいので御覧ください。

 


伊豆トレイルジャーニー2018 カウントダウン!

2018-11-25 23:31:13 | ランニング


こんなレース出ますぜ。伊豆トレイルジャーニー。略してITJ。

副題 旅するトレイルランニング(*´ω`*) 恋するでもいいんじゃね(笑)

http://izutrailjourney.com/

キャッチコピーって大切だよね。

ウエブサイトのこの画像とキャッチだけで出たくなる。

でもレース、前後誰もいなくなるとセンチメンタルジャーニーっすね。


ITJは国内最終レースにして、アジアトレイルマスターの最終戦も兼ねる。
実はちゃんとした国際大会。有力選手いっぱい来るねん。
距離72キロの獲得標高4400m。

長いですな。この距離初めてですわ。走れんのかい。。

朝6時スタートのフィニッシュ制限は20時。
12月だからね、夜を2回経験するわけだ。朝真っ暗、夜真っ暗。

しかも、オレ知ってるよ。
冬型の気圧配置が決まったら、西風ブンブン。
山の稜線走るんだけど、過去に軽量な女子選手が横にぶっ飛んだらしいよ。。横風で。
体感温度は氷点下。西風20m、セイルサイズ3点台の爆風コンディションで~す(笑)

携行品が決められていて、エントリー時にチェックされるんだけど、
携行から漏れると出走できない。
途中でなにかあっても救助できない環境なんだね。

ちゃんと規格で決まってるレインジャケットを用意しなくちゃいけない。
エマージェンシーシート、携帯トイレ(立ちション禁止、ウンチもNG)
ヘッドライトはスペア入れて2個。 2個も買うんだよ。
背中用の自発光ライト。ロングパンツ。グローブ。
ウエアも決まってる。ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウター。
携帯電話に、水、行動食。
ほとんどサバイバルキットですな。この時点で旅というか災害時の帰宅仕様決定。

オレ、トレイルとかウルトラとか、フルマラソンよりちょっとナゲーのやってんだぜ的なノリなんだけど、
ここだけの話し、トレイルの最長っって52キロなんだよね。
ほれ!そこで52キロだと短いぞ、って思う。長いんだけど。

おかしいんだよね。トレイルって。トレイルランナーは距離感覚が麻痺してる。
100マイル=160キロはウルトラ。
100以上でロング。
70キロはミドル。
50キロはショート。

いやいや絶対ショートじゃないよ、50キロって。
朝スタートして夕方だよ。
1日中、山の中でございます。

まあ、道志と北丹沢完走してるんで、そこ走ってれば伊豆はへちゃらさ!って誰かが言ってたね。

あと白馬の八方の激登りで、「ITJは楽しいですよ」って隣のゾンビ化したランナーが言ってた。

だからもしかして白馬よりも楽なのか???と少し期待(^o^)


だから、そんなに悲壮に思ってるわけではない。
走ってるときは悲壮だろうけどね。

だって52キロが今までのトレイルの最長であと20キロ足すだけだ。
ウルトラなんかロード最長42.195走ってから、あと60キロかあ、、、、って最悪な気持ちになったもんな。

とは言っても、こないだは神流マウンテンランっていう雰囲気的にはユルユルのレースだったんだけど、ITJは違うだろうな。
みんな顔は笑ってるけど、目は怒ってるみたいな(・∀・)

まあ当日走ってみないとわからん。体調やら天候で各レース、十人十色の思いがあるからね。

んん??? なんかマイナス志向だな。いや、ITJはきつくない!こんな楽しそうな画像がサイトにあったよ。


とはいっても、トレイルレースは毎回思うよ。
今回は完走できるのかなあと。 (とは言ってもが多いって!)
いきなり調子悪くなったり、両足吊ったり、思い切り転倒したりとかわからないんだよ。
誰か登りの上から落ちてくることもあるし、
過去のITJでは鹿の大群がランナーに突っ込んで来たとか、、、(・∀・)

まあエントリーするどのレースも楽ってことはあり得ない。
走るレースすべてがキツイよ。

それを走りきれるのはスタッフ、ボランティアの応援もちろんだけど、
同行するメンバーが同じ時間帯、ちがう道でもがいてるだろうな、っていう共有感もあったりするんだよ。
仲間は一人として楽には走ってないからね。

今回は5人なんだよ。
地元のラン友に今回はなんと30年ぶりに会う後輩がエントリーしてて同じ宿にしたんだよ。
スキースクール時代の大阪の後輩でね、まあトレイルやってるとは思わなかった。
SNS繋がりだけど、すげーなーって思う。

なんでトレイル始めたのかな?

志賀高原で夜中に素っ裸にさせてゲレンデ走らせたからそれがキッカケかもしれん(笑)
まあ、そいつがちょっと体調不良でDNSの危険アリとか言ってきたので、
そうはならないようにブログにしたんだけどね。出ざるを得ない、みたいな。

レースと考えないで、前後に走る女子選手からかいながら走れば楽しんじゃない?
ナンパするくらいの気持ちでよ!

そう伝えたら絶対DNSしない、と返ってきたよ。
そういうのって30年たっても変わらないもんだね。

いやいや、違う。
ものは考えようで負担が軽くできるってことだよ(^o^)

そうそう。
適当が大事ですな。
適当に走ってちゃいちゃいって進んだらゴールしちゃったよーみたいな。

良い言葉にすれば、心軽やかにだ。
心軽やかにロングトレイルを旅してこよう。
あと13日。

その道はUTMFに続く!!

こんなフィニッシュを決めるぞ!


第10回 神流マウンテンラン&ウオーク レース編

2018-11-14 17:13:59 | ランニング


オレは先日、56歳になった。
これから走るレース、そろそろタイムが悪くなっていくのかなと不安になることシバシバ。
悲しいかな、実際は下降している。当たり前だ。

でも違う見方もできる。

陸上を中学生の頃からやってる人。 20台でピークが来て徐々に落ちていく。
でもオレは陸上の経験はないし、若い頃走ったこともない。
50過ぎて走り出して、それでも徐々には良くなっているので、
陸上経験者の50歳よりは、お得感がある、はず。
同じ落ちていくのも、若いうちに早く落ちてデブリンチョになる人。
でもオレはこれから落ちるんだよ。
お得っていうのかな。儲けた、かな。


トレイルレースではオレよりも年上の人にガンガン抜かれる。
60裁オーバーの鉄人女子や白髪のあきらかにジ◯イ選手にもガンガン抜かれる。
でもね、そのときは悔しいとは思わない。
抜かれることは希望でもあるのだ。
オレもまだまだ行ける可能性はあるんだな、と励みになるってことだよ。

第10回 神流マウンテンラン&ウオーク 2018年11月11日。
群馬県多野郡神流町。 走ったよ。

56歳初レース。一つの節目と捉えたんだ。
これがちゃんと走れれば来月の伊豆トレイルジャーニーにビビらず臨めるのかなと思ったのだ。
なんと言っても伊豆のレースは距離72キロ。
ロングディスタンスは始めてなので距離感がつかめない。
ロードのウルトラ100とはまた違うだろうし。

神流をちゃんと真剣に走ろう。そうすれば伊豆にも繋がる。
そう思って目標タイムを設定し、各ポイントでの到達時刻を意識しながら走った。
目標を5時間半にした。

5時間半だととエイジ別で3位入賞が夢じゃなくなるんだよ。
速い人がDNS、DNF、もともとエントリーしなかった、などの条件が必要っす(笑)

11月11日 AM7:00 超快晴!!
鏑木氏のカウントダウンでスタート。
前に50人位。結構前の位置だよ。みんな速そう。場違い感満載(・∀・)
入りの1キロは4分35秒。2キロは4分50秒。
オレの場合は朝メチャクチャ苦手なのでこれ以上速く走ると平地でも止まってしまう。
さすがに朝イチ5分切りで走ると心臓バクバク。
追い打ちかけるように3キロから急登開始。
いきなり足が止まる。勝手に止まる。止まれ!みたいな。
あいやー、止まっちゃったよ。

残り37キロもあります(*´ω`*)

老人ホームのベランダにじいちゃんばあちゃんが皆出てて、応援旗を振ってくれてる。
いきなり感動するわい。心へのエナジージェルですな。で、また走り始める。
トレイルの入り口に、民泊でお世話になった黒澤のおかあさんが待っててくれた。
ハイタッチをしてパワーをもらい山に入る。
「ほれ~、がんばれ!!」 「はいはいっさーーー!!」



10キロの西御荷鉾登山口
目標は8:40  到達は8:45 5分遅れ
(いきなり借金!)

その後、素晴らしい尾根の下りがあり、アップダウンを繰り返す。
森林公園管理棟まで長い長い林道を走る。
女子の招待選手に抜かれる。一般の女子にも抜かれる。
元気のいい若者にドンドンぶち抜かれる。
ここはきつかった。5キロくらいあった。
何度も歩き、少し走り、歩いて歩いた。
やっとやっとだ、管理棟到着。足がプルプル震えとります。



目標 9:40  時計は10:05 25分遅れ
(あれだけ歩きゃあなあ。。)

そこから下りもあるけど、白髪山に向けてまた登りがあるんだよ。
先程の管理棟から200m上げるのだ。
25分遅れから更に遅れるだろうな。。。

前後に選手がいなくなり単独走が多くなった。
後ろに誰もいない。
ところが数分後には背後から音がして、さっと抜かれてしまう。
忍者かよ(・∀・)

確かここらへんだったかな。
メッセージボードがあったよ。
「50歳以上の人てをあげて!年なんて関係ない、がんばろう!」



ハイ!って手をあげたら、後ろの選手もハイ!って言ってた。
笑ったね。
スタートホーンが鳴った瞬間、年齢って忘れるんだよ。
年齢と闘ってるわけじゃない。今その時の自分と闘ってるわけよ。
それが年齢聞かれてハイッ!って言ったから、忘れてた年齢思い出しちゃったよ(笑)

コースから観る山々。本当に感動した。
山にグレナデンシロップかけたみたいに真っ赤だよ。
ゴールドも入ってるね。


白髪山の山頂に到達した。
休みてー!まじ休みてー!!
トレイルって毎回毎回、その回が一番きついんだよね。



でも、キタタンや道志思い出したよ。
あそこに比べれば、あそこは拷問部屋でここはレストハウス。
あそこは暴力バーでここはキャバクラ。
あそこは三角木馬でここはスケベ椅子(*´ω`*)

だから休憩は入れない。そのまま下りに入る。
下りで走りながら休めばいいのだ。

とととと、、、なんとそこから50段を超える九十九折のダウンヒル。

これ一番やばいパターンだ。エキセントリックダウンヒル。
こういう急坂にやっつけられるので慎重にいかなくちゃいけない。
でも慎重はロスタイムに拍車をかけるしね。
ここは決断&勇気。一気に降りねば!
幸い、この下り6人のダンゴ状態となった。
オレの前に3人、後ろ2人。
感覚はほぼ2メートル。
先頭がつまづいたら全員滑落するほどのハイスピード。

ここがオレのハイライトだったな。
とにかく飛ばしたし楽しかったし、足が動いた。

ロングトレイルは復活するんだよ。

この復活劇は誰にでも必ず起こる。
この下りでオレは復活した。
長い長いダウンヒルだったね。
落ち葉が敷き詰められた道を急降下で落ちるように走る。

まあ、足がやっつけられなかったのはフカフカのお陰だった。
あれ、硬い土なら骨折してたかもよ(笑)

6人のダンゴはそのまま持倉エイドに到着したね。
目標 11:00 実タイム 11:30 30分遅れ
(また遅れたやんけ。。。挽回してないし。)

持倉の限界集落。おばあちゃんたちの手打ち蕎麦が食べられる。
でも時間がない。
1杯だけ胃にブチ込んですぐに走った。
誰ものんびりしていないんだよ。


持倉集落を後にする。
鏑木さんがいてくれた。
選手にハイタッチをして最後のパートに送り出す。
プロだよね。凄いなって思う。
他のスポーツ大会とかプロ天狗でずーっと役員テントでふんぞり返ってるし。
まあ、そういうスポーツは無くなるな。
鏑木さんは常にいるんだよ。もしかして分身の術使ってるかも。

持倉から緩やかな林道が数キロ続く。
ここ最後の耐久区間。

安取峠到着。
目標 11:30  実タイム 12:03 33分遅れ
(また遅れた。じわじわ遅れてますやん。。)
あと7キロ。
7キロを30分かあ。。。
トレイルをキロペース4分17秒か。
よーし、いったるか!!

いけませんて。


でももう少し行けば天国トレイルが待っている。
下りのフカフカ極上トレイル。ここは楽しまなくちゃ。
ここ走るのが楽しみだったんだ。
そしてフカフカの入り口、神丸尾根下山口にきた。
(おねした やまぐち じゃないよ。)
ここからは全力疾走。無理やりスイッチを入れる。
スイッチ入れるときはエイッ!って言う。本当だ。
ヘイッ!だとおかしい。
ヘイ、ヘイッ!だとフレディー・マーキュリーになる。

前半飛ばし過ぎたであろうヨロヨロの失速ランナーを何人か抜いた。
ヘイ、ヘイッ!って言ってね。心の中だけど。

足は悲鳴を上げていたけど心は躍動したね。
眼の前の風景が凄いんだ。
木立の感覚が広く、陽射しが燦々降り注ぐ。
路面はゴールド&レッド。
まるで雲の上を走っているようだ。
これがトレイルランニング。
本当に楽しい。
トレイルの下りは、自分の足が乗り物になるんだ。
スキーやロードバイク、サーフボードと同じ。
あれだけきつかったのに、なぜこんなに動くんだろうね。

鏑木さんの書いたボードが途中にあった。
トレイル上達の秘訣は自分の走りに酔うこと。
まさにそう思わせるポイントだったね。



ヘイ、ヘイッ!

トレイルパートのラスト、民泊でご一緒した井上さんが望遠カメラを持って待ち受けてくれていた。
オレに気づいてくれて猛ダッシュでオレより先に降りて、シャッターを押してくれた。
ニヤついてるな。そういう下りだったよ。
井上さん、ありがとう!



最後の最後、トレイル脇に土井隆選手がいた。選手にエールを送っていたんだ。
彼は日本が誇るロングディスタンスのトップ選手。
一旦ゴールしてから戻ってきたんだね。
すごくねーか??? このスポーツを愛すればこそだね。
一般選手の辛さを知っていればこそだね。
感動しました。凄いよね。
こういうのって本当に力をもらえる。
きっとミンナそうだったと思う。

トレイルが終わった。
あと1.5キロは舗装路。
渾身でキロ4分50秒。

この日履いたのはOn ベンチャーピーク。
べらぼーに軽いシューズ。
クッションが効いていて下りの舗装でやっつけられない。
平地ではスピードボードが蹴りを補助してくれる。
こいつに今回は助けられた。
登りで滑ることは一度もなかったね。

シューズに感謝しながら一歩一歩大切に駆ける。

町の中心に入った。
到るところで応援を受ける。
町中の人が沿道に出て声援を贈ってくれる。
警備の警官でさえガンバレー!って応援してくれる。

たまらん。泣きそうになる。
でも涙は見せない。流れているのは汗だから(*´ω`*)



ゴールゲートが見える。
鏑木さんが待っててくれる。
こちらは分身の鏑木さんではなく本物の本人だ。
固く握手をしてくれる。

にせものはいるのか。

フィニッシュ。

目標 12:30  計測 12:39



でも後半で相当挽回した。
24分も短縮した。
目標よりは9分オーバーしちゃったけどね。
今の実力ではもっと走り込まないと短縮できないな(・∀・)



ロングクラス リザルト

全クラス出走 821名
ロング出走 398名
ロング50歳以上 出走116名

総合46位
エイジ別13位

飾り気など何もない、これほどピュアな町がどこにあろうか。

Heart of country. 

群馬県神流町。

トレイルランナーの心に焼きつく山があり、そこに暮らす素敵な人々が住む町。


天空の里 持倉集落

2018-10-29 17:25:01 | ランニング

 

 

群馬県神流町。

関越道本庄児玉ICからクルマで60分。

神流町という標高350mの昭和レトロな町に着く。

そこからほとんど地図にも載っていない道を10キロ走るとその道の行き止まり、持倉集落に着く。

つまりその道は持倉集落に行くためだけの道なのだ。

 

神流川の支流の最奥。平家の落人伝説もささやかれる集落。

人口10名7世帯。2016年の集計だ。だから今はもっと減っているかもしれない。

全員70歳以上。70歳代が一人。あとは後期高齢者。

 

林業が基本で、こんにゃく、蕎麦、養蜂などを営んでいる。

見渡す限りの山々の絶景、その中に佇む7世帯。

あと何年か先、集落を閉じることが検討されるだろう。

 

この天空の限界集落が年に一度、1000人のランナーの熱気に包まれる。

 

神流マウンテンラン&ウオーク。

鏑木氏がプロデュースするこのトレイルレースは来月で第10回を迎える。

日本で最も過疎の進む町を復興すべく始まった。

知らぬ選手と一般家庭に民泊させて頂き、とても温かいおもてなしを受ける。

前夜祭では町の女性たちの腕によりをかけた手料理が振る舞われる。

 

日本で数あるトレイルレースの中で最も温かいレースと言われる。

 

極めつけは、持倉集落がエイドステーションになることだ。

集落の人達が夜通し打った蕎麦が選手に振る舞われる。

疲れ果てた選手はここで一気に復活し、最後の神丸尾根に飛び出していく。

10人しかいない限界集落が選手の熱気で一日中冷めやらない。

 

 

オレはレースの前にどうしてもこの集落へ行ってみたくなった。

そこを訪れたら、きっとレース当日、その集落へ再訪することがとても楽しみになり、

急登も九十九折の激下りも頑張れると思ったのだ。

そのキッカケをその集落がくれるのだろうと確信したのだ。

 

そしてレース2週間前の10/28 行ってきた。

神流町にクルマを置き、フィニッシュ地点からコースを逆に走る。

少々のダウンを繰り返し10キロ登る。

柔らかい土のトレイルですでに紅葉が始まっているので落葉で敷き詰められている。

登りながら後ろを振り返る。帰りはこの登りをダウンヒルできる。

 

トレイルから舗装道に出た。

これから本格的な紅葉になっていく山々が目の前に広がる。

絶景だ。本当に素晴らしい。

 

その先にポツンと現れた。数件の集落。山の斜面に佇む天空の里。

持倉集落が見えた。

秋晴れ、絶景、時折風が鳴らす木の葉の音、鳥のさえずり。

なにもない。全くなにもない。

家からは人の声も聞こえない。窓を開けた家からかすかにラジオの音がした。

 

あまりにも山の景色に溶け込んでいて、そして世間から忘れられた集落。

 

きっと忘れ得ない集落になるんだろうな。

 

そう思いながら帰路トレイルに入る。

 

噂通りだ。極上のトレイルとはここのことだ。

辛さが吹っ飛ぶ。走りながら笑える。

トレイル走っててよかった、と思えるトレイル。

素晴らしいの一言。

 

神流、サイコーである。レース当日はもっとサイコーになるだろう。

オレはいつもどおり、全力を尽くすことだ!