唐突ですが、あなたは肥ダメに落ちたことはありますか?
話は近所の飲み屋から始まります。
たまに行く飲み屋がある。
そこは家から歩いて数分のところ。
這ってでも帰れるとこだ。
細長い店でBAR形式になっている。
レゲエやハワイアンのBGMをかけ、
BIG WAVEのDVDをBGVにしている。
ビールと焼酎くらいしか置いていないのが寂しい。
日本酒や洋酒をもっと置いて欲しいところだ。
マスターとその彼女と二人で営んでいるのだが、
マスターは終始飲んでいる。
で、やかましいくらい陽気。
一人ゆっくり飲む店ではない。
マスターはベロベロになるのでサービス酒が多い。
帰ろうとすると、『ただにするから!』と言って引き止められる。
ここの名物はドッポン便所である。
かのローマ帝国では下水道完備だったのに、
21世紀のここではドッポン式である。
初めてその店のドッポンで用を足そうと扉を開けたとき、
オイラは恐怖に慄いた。(←おののいた)
小学2年生の時、肥ダメに落ちて溺れ死にそうな体験を思い出したのだ。
海で波に巻かれることなど屁ではない。
オイラは人々のウンチィ~を田んぼの肥料にするための水槽?便槽だ!に、
両足から見事に落ち、鼻の穴から耳の穴まで頭の毛穴までウンチ一色になった。
ランドセル本体も中身も全滅した。
交通安全の白いお守りがまっ茶色になった。
口に入ったかは覚えていない。
おそらく入ってるだろう。ちょっとは飲み込んだかも。
オイラは茶色お化けに変身した。
肥ダメから無事生還したオイラは泣きながら家路を急いだ。
オイラの歩く後にはポタポタとウンチ滴が垂れた。
繁華街を通ったけど、通行人はエンガチョ!と言わんばかりに、
道を開けてくれたなあ。
オイラはちっちゃな小学2年生である。
家に帰るとオフクロが悲鳴を上げたなあ。
かわいそうだったなあ~、オレ。
そんなんで、そのドッポン式トイレが視界に入った瞬間、
肥ダメ落下事件が走馬灯のように脳裏を駆け巡ったのだ。
というわけで、オイラはそこのトイレでは用を足さない。
オシッコしたくなったらオアイソして家に帰るわけである。
ここにはとても面白い人達が来る。
Y島のオヤジサーファーたち。プロサーファー。
パチンコ屋の店長。ダイビングスクールの女性経営者。
なんちゃってDJ。失業中の893。
海上保安庁の教官。スナックのママ。
パチンコ屋の店長はオイラにこう言った。
『パチンコなんてしちゃいけない』
さて。
本日から会社で新型インフルエンザ予防のためのマスクが支給される。
海外渡航者が多いためだ。
インフツエンザにかかるか、肥ダメに落ちるか、
どちらかを選択しなくちゃいけなくて、それを決めるのは難しい。
カレー味のウンコか、ウンコ味のカレー、
どちらかを食えと選択を迫られたときと同じくらい難しい。