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2018北丹沢12時間耐久山岳レース参戦

2018-07-09 00:05:00 | ランニング

キタタン初参戦なのだ!

18/7/8 2時起床。
前の日は早く床には着いたけど、そんなに寝れるもんではない。
2時起床ってよくわからない。
貴重な日曜日、夜中に起きて灼熱地獄の山を走りに行くって、なんなんだ???
しかも45キロだってよ(笑)

普通の人なら、お金ももらっても走らないね。

それに1万円払っとります。


3時に出発して4時半、青根キャンプ場に着く。
朝焼けが素晴らしかった。
でも、憂鬱になる。
今日は快晴になって最高気温が30度余裕でぶっちするよー、っていう空のサインだ。



会場で受付。
明らかに一般的なレースとは違う。キタタンはファンレースじゃないんだとあらためて痛感。
すべての選手、ギュインと身体が絞られてる。 足は鋼のごとく。目は虎のごとく・ω・
なんたって日本三大山岳レースのうちの一つ。
しかもスカイランニング関東選手権大会を兼ねる。空を走ってみろ!!空に向けてか。。

6時半、スタート。前方は日本のトップ選手ばかりですよー!


今回は後方からのんびりスタート。
それでもいきなりの急登ロードで心拍が上がりまくる。
朝は苦手だ。身体が完全に寝とります。
いきなり汗が全身から噴き出る。これ身体に凄く悪そうな気がするよ。
絶対に寿命縮まってますな(T_T)

トレイル入口に入ったが、当然のごとく大渋滞。結構立ったまま動き出すまで待ちます。
どのくらい早くトレイル入口に着けば渋滞を免れるののだろうか、、、
でもそこでガンガン登らされるより、ちょっと休憩できたんでそれはそれで良かったのかな(笑)



最初の山を超え、ロードに入る。
立石建設という最初の給水所まで。このロードだけで7キロくらいある。
ここは快調に飛ばす。やっと身体が起きたようだ。
でも結構登ってるところもあって、これは予想外。地図では下りだったもんで。
給水所では、柄杓で頭から水をかけてもらう。気温、体温ともに上昇中。

鐘撞山トレイルに入る。1発目の難関。
幾重にも続く九十九折。
30あるのか、40あるのか、、、
この地点で大腿部に違和感を覚える。
攣りそうだ。 オレ、攣ること無いんだ。 初めてだ。
標高差400mを一気に登る。
そこから更にもう400mおまけで県境分岐尾根まで登る。
もう上は見ない。見ると気持ちがダウンする。
眼の前だけ見て、手を膝にかけ、何も考えずに歩を進める。
距離が長いとか、ツライとか、考えない。できることなら機械になりたい。

そうそう。トップ選手って無表情だな。(マラソンの河内選手は別(笑))

後ろになればなるほど、ギョヘーとかクゥゥゥーとかグギューとかって顔してる。

まあトップ選手は気持ちもコントロールできるんだろ。

とにかくこまめに水分を摂る。
足が攣りそうなのは水分が足りないんだ。
でも水を摂っても摂ってもそれ以上に汗が出るんだよね。
県境分岐尾根到着。
休息入れず、そのまま700mを一気に下る。
段差を飛び越え着地の際に、足攣りインジケーターの針が1メモリづつ上がる。
この下り、止まる訳にはいかない。走る続ける。
いちお時間目標を掲げている。出るからには、走るからにはそれなりのタイムでフィニッシュしたいのだ。

大腿部はがんばって耐えてくれたけど、でもとうとう我慢できなくなり、ピキン!と音をたてて攣った。
でも下りで速度が出ている。惰性で走り続ける。
ここで一つわかった。
両足が攣っても走ることはできるんだな、と。

攣ってからはなるべくソフトに走って、走りながらリラックスさせる。攣りが軽減されるまではソフトに。
あるところで攣りが解消されるが、でも強い衝撃でまた攣る。これを繰り返す。
まだ20キロにも達していない。 後半はどうなるんだ????    、、、、考えない。
今できることを考える。今歩いたらリタイア。今できることは、やらなくちゃいけないことは走ること。
攣ってない時間帯はちゃんと走る。前の選手を抜けるだけ抜く。

第一関門 神の川ヒュッテ到着。3時間6分。
たぶん、ゴール7時間のペース。これ以上に攣らなければね。
しっかり水分、捕食、トイレを済ませ再スタート。
500m近く一気に登る。

前日までの雨で斜面は濡れている。
そこで足を滑らせるものだから、一瞬足に強い力を入れる。
そこで完全に足が攣る。だいたい両足いっぺんに攣る。これには参る。
動けなくなる。落ち着くまで待つしか無い。
後方の選手が助けてくれようとする。
「遅れちゃうから先に行ってください。ありがとうございます!」
このやり取りが実に多かった。
トレイルランナーは山岳スポーツなので山の精神なのだ。素晴らしい!

日陰沢源頭到着。これから長い林道をひた走る。下る。
下りロードはまた違う筋肉を使うようだ。攣りの心配はなかった。
土砂崩れの跡の土砂の上を走る。


ほうぼうに滝がある。 丹沢水系の源流ですな。
その源流で、道がなくなり深い水たまりを進む。 ワイルドっす。
そして第二関門 神の川園地到着。 4時間28分。

ゴール7時間切、6時間45分のタイム。
すごい!だいぶ挽回した。

ところがこの先はどうにもならなかった。
最大の難関、姫次直登、ラスボスが待ってる。

九十九折から始まり、やがて直登になり、進めば進むほど斜度がきつくなる。
上が見えない。
登れど登れど登れど、、、終わらない。
ロッククライミングではないけど、こういうところが地球上にあるのか、、、
一歩一歩、もとい、半歩半歩、足を上げるたび腿が悲鳴をあげる。
滑るとフクラハギまで攣って、斜面倒れこんでしまう。
一体山頂まで何キロあるんだ。。。
もう前の選手を抜くことはなかったが、ほとんど屍になった選手は抜いた。
誰も無言で、葬式のようだ。選手がゾンビ化してる。

永遠の地獄はあるのだろうか。。
そう思わせるほどのコースだ。

黙示録 第14章にこうある。
そして、彼らの苦しみの煙は、永遠にまでも立ち上る。
獣とその像とを拝む者、まただれでも獣の名の刻印を受ける者は、昼も夜も休みを得ない。

黙示録によれば永遠の地獄は存在するのだ。

空が見えてきた。視界がひらけた。
あれは蛭ヶ岳だろうか。
丹沢の大パノラマが眼の前に広がった。
とても辛くてもこの景色を見れることは、、ここまで登ってきたんだ。
あと少し!!

黙示録は間違っておる。
地獄はあるが、それは永遠ではない。永遠の苦しみは、神の愛とは調和しないからだ。
神の愛に触れる。 大パノラマ。 神秘としか言いようのない絶景。

そして袖平山到着。さらに700m進み、姫次着。 
そこの大きな木のテーブルに、ザックを脱ぎ、大の字で寝た。限界だった。
チョコバーを食べ、最後の水分補給をした。5分以上休んだ。
スタッフが、だいじょうぶか、ヤメたらどうかと余計なことを促した。
周囲を見渡したら、そこではエマージェンシーシートにくるまり救護スタッフを待つ選手。
大きくうなだれ動かない選手。
もうみんな限界。野戦病院状態(T_T)

これ以上、救護を必要とする選手を出したくないのだ。

そう、オレにとっても姫次ピーク限界でした。

でも救護は待たないね。

この限界の先、歓喜が待っているからだ。
ここからはダウンヒルパラダイス。風を切り、空を舞い、駆け下りる!
ザックを背負い、両頬をバンバン叩いて気合を入れて、3、2、1のカウントダウンでGO DOWN!
とにかく飛ばす。
この下りを走るためキタタンにエントリーした、そんなコースだ。
前後から、ヒャッホー!!!の声が聞こえる。

オレも奇声上げて走った。
走ってて胸が熱くなる。そんな体験ができる。キタタンは。

スピードコースを終え、朝登ってきたコースを下る。
最後の最後に両足が攣り動かなくなったところを後続の選手が気にかけてくれ、
漢方薬を渡してくれた。
「これ攣りがなくなるから、ちょっと苦いけど、これ飲んで最後がんばって!」
ツムラのシャクヤクカンゾウソウだ。
なんてありがたい!
飲んで5分、攣りがなくなった。
「苦いけど、おしかったよー!!!」
彼はすでに遥かに下を走っていて片手をグーで上げてくれた。
かっこいいぜ! 名前はお聞きしなかった。でもホントにありがとうございました。

朝走ったロードを横切り、ご褒美トレイルに入る。
下から、女性MCが聞こえる。フィニッシュはもうすぐだ。
青根キャンプ場到着。
ストレートを走る。最後は力が何故か出るものだ。でも飛ばさない。
楽しく1歩1歩大切に走る。



フィニッシュテープを掲げてフィニッシュ。


7時間23分。

オレはフィニッシュが大好きなんだけど、そのためにエントリーしてるんだなあ。
すごくロスタイムが多かったけど、フィニッシュできれば辛さがぶっ飛ぶ。

いやー、でも今までで一番つらかった(*´ω`*)
くっそー!!!来年は7時間切りたい!!

(今回の旅の相棒、montrail variant x.s.r.
ロード、トレイル兼用シューズ。ロードも走れてグリップ強烈な厚底。)