アミャゾンでシューズを注文したことがある。
ショップで試着できない人にとって返品無料なので便利である。
しかも旧モデルは割引率が良くて、普段の練習用にと頼んだのだ。
数回注文したのだが、これが見事に全部外れている。
気に入る、気に入らない、じゃない。
不良品だ。
もしかしたら不良品と思わない人もいるかも知れないけど、
オレの場合は、不良品にした。
アミャゾンから配達されたシューズ、縫製位置が違う。接着にムラがある。ベロに折り目があり甲に当たる。
最大の不具合は同じサイズ表記なのに0.5も違う。
よくあります。メーカー担当者はロットが違うから、って言う。
いやいやいやいや、、、よくあっちゃダメっしょ。ロットが違っても同じものじゃなくちゃ。
先日なんかトレイル用シューズを発注して、履くときに踵のループ引っ張ったら取れちゃったし。。。
ちょいとだけ専門分野になるけど、
量産製造工程にCopy Exactlyっていう考えがある。
今や常識なんだけど、製品にばらつきが無いように、材料メーカー変更、製造機械や治具変更、作業者変更、
要は、不良品というものは変更が起こったときに生じるので、変更に関する全てを厳しく管理するという手法だ。
世の中の製造工程は、東南アジアや中国に展開するが当たり前と思ったほうが良い。
現地で作業経験の乏しい者に作らせるので、指示サイドのぶれない信念を持つ生産技術力がない運用できない。
開発力、設計力より、生産技術力が圧倒的に必要。
どうやれば現地で作りやすいか、無理せずできるか、快適に作業できるか、検査しやすいか、
モチベーションを高められるか、教育は効果的か、そんなの含めて生産技術力。
ちゃんと現地に展開してるのかな~???
メーカー自体がシューズをアパレル製品と思ってるのでは???
製品ポリシー、性能は素晴らしい。でもそれは設計段階でのことだ。
でもそれが製造現場に伝わっていない。
シューズって明らかに工業製品。しかも人間が直接身につけるもの。
そのことをメーカーの人すべてが認識してるんだろうか。
シューズは、非常に高度なエンジニアリングだと思います。
足の形は人それぞれだから多少のムラはいいのだ、と思う先に縫製不具合が生まれるのだよ。
必ずモデルになる基準の足型がある。
それに忠実に作ることだ。
その上で多くのランナーが絶賛するシューズって凄いと思わないか?
シューズというのは、Engineering の結晶なのだ。
半導体製品、自動車製品とはぜんぜん違う。
機能、快適性、速さだけ目指すだけではなく、
それを生身の人間が履いて、走り、歩き、挫け、止まり、怒り、責め、泣き、笑う接点であるのだ。
オレはEngineer だから、なんとなくわかるよ。
計算して、方法を決めるだけじゃない。それだけだと単なるManufacturing。
この製品はこうあるべき、という固い信念がベースにあって初めてEngineering。
だから、OnシューズにSwiss Engineering と刻印されている背景は、
それなりの覚悟で臨んでいるメーカー姿勢の表れだと思うのだ。
開発とか製造のこととかメーカーは言わないよね。
散々な苦労があるさ。モノ作るって大変なんだ。
それを言わず、ただ一言。
「まあ、とにかく履いてみろよ」
かっこいいじゃないか!