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【必読】あのメロスは走っていなかった

2015-03-09 15:40:35 | 日記

太宰治の書いた名作「走れメロス」 

「身命を懸けた友情の美しさを描いて名高い」作品として有名である。

オレが小学校のとき、国語の教科書に載ってたぞ。
よーく覚えてる。それなりに感動した覚えがあるよ。
今の教科書には載ってるのかな?

40年以上たって読んでみた。
短編なので無料書籍としてネットにあがっている。

長い長い月日を経て再読し、
このメロスという男、実はダメよダメダメ男だというのがわかった。

これは読み手を笑わせようと太宰が意識したのか、
もしくは太宰自身がダメ男で、単にメロスに自己投影したのかはわからない。

(※太宰治は執筆のため金を借りて熱海に行ったが、
執筆は全くせず、酒と温泉遊びしまくり、金はあっという間に底をつき、
東京から呼んだ編集社の人を宿に人質として置いて、
太宰は金を工面するため東京に戻った。
しかし太宰はなかなか熱海に戻らず、不審に思った知り合いが太宰の家を覗きに行くと
毎日酒を飲んで将棋をうっていたという。
⇒メロスは全くをもってこんな感じである)

では物語のあらすじと笑えるポイントを書こう。

妹の結婚式の服など嫁入り道具を買うためにメロスはシラクスという街にやってきた。
そこの王が暴君でとんでもねー野郎だ、という噂をメロスは立ち聞きした。
メロスは事実もろくに把握せず、単なる勢いで王をぶっ殺してやる!とばかり城に強行突入する。
無実の人々が拷問に合うとか、火あぶりとか水責めを見たとかではなく、
ほとんど路上でたまたま聞いた他人の話で激怒したわけである。

思い過ごし、思い上がり、沸騰ヤカン、勘違い、超短絡、おっちょこちょい。
他人情報だけで殺意が生じ、しかも堂々と城に向かって王を殺しに行く??
対決という意味ではケンシローvsラオウで比較するとメロスのあほさ加減がよくわかる。

ケンシローは身体と心にとてつもなく深い傷を負いと悲しみを背負い、ラオウと宿命の対決をする。
しかし、メロスは妹の結婚式の道具を買いに来たついでである。
思いつきで殺人をしようとするとても危険な男である。

当然短絡男なので企てなど一切ない。
城のエントランス、ん?なんて言うんだ?正面玄関? あ、正門ね。
正門からまともに入ろうとするもんだから、門番にあっけなく捕まっちゃったよ。
しかもちゃっちい短剣しか持っていなかった。

だいたい民間人が王には会えないし、正門から入ったら城の兵隊1000人と戦うくらい予想してないのか?
王が外出の時を襲うとか、城の見取り図を手に入れて夜の寝込みを襲うとか、、
まあ気持ちだけは必殺仕事人か、ミッションインポソブルだったかもしれないけど。
で、メロスは日中堂々と正門で捕まります。

で、王の前に連れて行かれた。

そこで王をめちゃくちゃ怒らせたんだよ。
まずタメ口。 なぜか王に対して上から目線。
いろいろと王とやりあって、結局は自分は処刑されるんだろうな、って思った時、
なんでこのシクラスという街に来たか思い出して、ハッとした。
王をやっつけに来たんではなく、妹の結婚式道具買いに来たんだと!


「おめーは最低な野郎だ。天に代わって成敗してやる。
でもどうやらオレに勝ち目は無さそうだ。。。
そうだ! 友人を紹介してあげるからそっちをオレの代わりに処刑してくれ!
でもオレは妹の結婚式が終わったらここへ三日以内に戻る。
そしたら友人を開放してオレを処刑してくれ。」


いやいや、なんて勝手なんだ!
いきなり友人を売ってしまいました。
身代わりとして人質になってしまった友人はビックリ仰天だったろうな。
「え??なになになになんなのよ!!!」
青天の霹靂です。
恨むでまったく。メロスの鬼! by セリヌンティウス


城を出たメロスは10里(40キロ)離れた妹のもとへ向かう。
ちょうど鎌倉の材木座から茅ヶ崎のオレンチの往復である。
メロスは夜に発ち、翌日の昼前に着いている。
ということは、おおよそ12時間以上かかったということである。

まあ超大昔だから崖あり谷ありかもしれないけど時間かかり過ぎ。
馬車だってある時代だろうさ。意外と道はちゃんとしてたかもよ。
そうだよ。馬車に乗ればいいんだ。
だって友人の命がかかってるのに、そこでなんでケチするのかね。
やっぱり仲はさほど良くないんだね。知り合いレベルだ。

オレはメロスっていうと古代ローマの阿部寛を想像するね。
テルマエ・ロマエの。
だから走ると40キロなら4時間切るはずだよ。
それが12時間。

走ってない。ほとんど歩いてる。たぶん途中で寝てるね。
メロスは阿部寛ではなく、運動不足でメタボなのが容易に想像できる。

家について早速、妹の結婚式で大盛り上がりする。
飲むや歌え、食え食えのどんちゃん騒ぎ。
自分のせいで友人のセリヌンティウスが処刑されるというのにだよ。
しかも、大宴会の後、しこたま寝る。
フルマラソンの翌日とはいえ、疲れが溜まってるとはいえ、寝る。
しかも、友人が独房で不安にさらされ、処刑が刻々と近付いているというのに、寝る。


そして、朝目覚めて一言、
あっちゃー、寝坊しちゃったよ!!!
まるで緊迫感のない男である。

原文では、「メロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫」
余裕ぶっこいてるね~。
信用ならねえ奴だよね。
オレここで古代ローマ人がどっから南無三って言葉を持ってきたのか不思議でならない。
南無三って仏教語なんだよね。
ゼウスとかポセイドンとかアポロの時代の土地におかしくね?

オレが朝寝坊しても「あっちゃー、アラーの神よ、寝過ごしちゃったよ!」とは言わないもんね。



メロスはシラクスに向かう。
オレの原作の記憶ではここからが本番で走りまくるんだったよ。
でもちゃんと読んだら、走ったのは最初の4キロだけっちゅうのがわかる。
半分以上歩いてる。
ぶらぶら、呑気に、しかも歌いながら。
お気楽極楽ウオーカーである。

ちょうど中程で、雨のせいで川が氾濫し道が無くなっている場面に出くわした。
で、途方に暮れる。
とりあえず泳いでみる。なんとか渡り切る。
死ぬほどゼイゼイする。助かった感で泣く。
そしたら山賊に襲われる。
あたふたする。
逃げるためにそこから走り出す。
友人が処刑されるというのに、そこまで追い詰められてやっと走り出す。
後悔は一切していない。
途中でぶらぶら道草食って歌いながら歩いたことを悔いてはいない。
今真剣に走ってるからいいじゃん!と開き直る。

原作は真剣にマジにすべての力で走ってることになってるけど、
ぜんぜん大した距離じゃねっす。
メロス研究では数キロとの見解もある。


そして城へ滑り込みセーフ。
しかしだ。
オレは今到着したぞー!!!と声が出ない。
呼吸ができず、ぜいぜいしてるんで。
そりゃそうだろ。
メタボで飲み過ぎ二日酔いなんだから。
でも普通の人だって40キロ走っても大声出せるよね。
メロス弱っ!

メロスはここで大役者を演じる。
すげー疲れた感を出して、友人のためにフルマラソンを2時間切る速度で走ってきたばかりにアプローチする。
しかもその場を和んだ感じにすれば王が許してくれて誰の処刑もなくなると思い、「素っ裸作戦」を決行する。

メロスはチ○コ丸出しでスタジアムに走ってきたわけである。
マラソン大会で1位の選手が素っ裸でゴールのスタジアムに帰ってきたら、、、、って想像すればいい。
実況アナウンサーは笑うね。
それを向かいいれる大会委員長も笑うかも。
メロスはそのウケを狙ったに違いない。
飲み会でパンツ脱ぐ奴と同じ精神構造である。

メロスは素っ裸の状態で、磔(はりつけ)から解放された友人と抱き合う。
そこへ王もやってきて3人で抱き合う。
異様な光景ですね~。

最後はどっかの小さな女の子が布を渡して、これで隠して、とメロスに言う。
メロスは自分が素っ裸だったのに気づき「いや~ん!」と言って幕を閉じる。

この最後の素っ裸シーンは国語の教科書には載ってない。
文部省が気を遣ったんだね。

これが誰もが知る、フェイマス日本文学なのだ~!!!!

人を売るな!
計画性を持て!
思いつきで発言、行動するな!
日々鍛えておけ!

これがこの作品の言わんとするところすかね。

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