グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

輸出するつもりが、輸入量拡大になったり。

2011-10-05 16:19:52 | Weblog
輸出するつもりが、輸入量拡大になったり。

原発事故前の記事ですが、韓国の食問題の関連として再掲載です。
よろしかったら。

 ↓

『輸出するつもりが、輸入量拡大になったり。』

優秀な日本産のコメであれば中国で飛ぶように売れるといったような、希
望的観測に満ち満ちた説があります。はたして、本当にそうなのでしょう
か。そんな農産物に関する輸出入についての話を、その高品質さゆえに、
昔から 海外に輸出されていることで有名な干し椎茸 を例にとって
おはなししてみます。

さて、干し椎茸です。

椎茸は、生のものよりも乾燥したほうが風味や香り・旨みが増すために、
日に干して、干し椎茸に加工されます。高品質の日本産の干し椎茸は、
本場ものとして人気があり、日本各地の干し椎茸業者が主として香港や
台湾に、昔から輸出をしている
ことで知られています。
なんといっても『道元が南宋に渡った際に現地の僧から干し椎茸を持って
いないかと何度も問われた』という逸話がある
ほどのものであったといい
ますから、いかに当時から日本産の干し椎茸の価値が高かったのががわ
かる話ではありませんか。

そんな干し椎茸の本場である日本に、外国産の椎茸が輸入されることなど
可能なのだろうか・・・と、前述の逸話を読まれた方は思われるかもしれ
ません。

が、現実は厳しいものです。

全国でも有数の干し椎茸の名産地である宮崎県の干しシイタケの生産量
1984年と2008年の数字を使ってご紹介しますと・・・

1984年度 2237トン

2008年度  646トン


と、いう具合に、四半世紀の間に生産量が 1/3 になってしまいました。
名産地の宮崎県でさえこれです。ちなみに全国の生産量でみれば

1984年度 16000トン

2008年度  3867トン


と、こちらは 1/4 になっています。

この生産量の減少の原因がじつは、それは 安価な中国産シイタケが大量
に日本市場に流入した
ことによるのです・・・・。

そして、コメです。
干しシイタケとちがって、本当に喧伝されているように“優秀であるから外国産
に勝てる
”のでしょうか。

わたくしは、この説をはなはだ疑問に感じます。

関税が自由化された場合、コメもまたシイタケと同じ道をたどるのではない
のか、と、思ってしまうからです。お伝えした 農産物の輸出入の現状
〔 こちら 〕から考えても、まあそう考えるのが、妥当でしょう。

たしかに

 高品質の日本のコメは外国に輸出される。

しかし、同時に

 低価格の外国産米も、同時に日本の国内市場に大量に輸入される。

結果として、日本産のコメの生産量は、

 コメの名産地で 1/3、日本全体では1/4以下

となる。それが、輸出のために関税を撤廃した場合の真実となるの
ではないでしょうか。

日本は山国であり耕地がせますぎること。水資源にも陰りがみえてきてい
ること。農業と農村は、土地利用型農業農業ばかりでなりたっているわけ
ではない
ことから考えると、そう思えてならないのです。

▼ “経費は大目に、利益は最低値で考えて経営にあたる” これが
  まっとうな農家さん的ものの考え方かと。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






あれもTPPつながりだったのかなと思う“牛”のおはなし。

2011-10-05 13:22:33 | Weblog
あれもTPPつながりだったのかなと思う“牛”のおはなし。

前回の、韓国の食の安全性の話し〔 こちら 〕関連で、日本の牛肉問題
に関する話しの再掲載です。民主党の代表戦直前のものですが、よろしか
ったら。


『前原前外相では、ここが心配。』

日本は現在、脳や脊柱などの特定危険部位を除去した生後20ケ月以下
の牛にかぎり、米国産牛肉の輸入を認めています。もし仮に、この輸入
条件が満たされない場合、輸入される牛肉が月齢20ケ月以下の牛かど
うかが確認されない場合は、〔この新聞記事のように〕その肉を出荷し
た米国の出荷会社からの輸入手続きを停止するという措置がとられます。


 BSE 1.jpg

そして、これは2011年02月に米国ネブラスカ州のグレーター・
オマハパッキング社のケース


動物検疫所東京出張所が東京港についた同社の出荷牛肉のうち、輸入条
件を満たしているかどうか確認できない部位が含まれていることが判明
したため、農水省と厚生省が同社からの輸入手続きを停止すると同時に、
米国側に詳細な調査を要請したという記事となります。

・・・こういった輸入条件は、科学者や専門家からなる食品のリスク評
価を行う食品安全委員会によって決定されたもの
です。いうまでもなく、
食の安全が外交に利用されることや、政治的な圧力によってゆがめられ
ることがないようにとの配慮
から定められているわけですね。


 BSE 2.jpg  しかるに この新聞記事です。


2010年09月23日に、米国で「月齢制限緩和を一つの可能性として検討
し、出来るだけ早く方向性を出したい
」と、日本の食の安全を脅かしそうな
発言をした政治家がいます。


前原誠司外相〔当時〕です。 BSE 3.jpg


ニューヨークで行った米国のクリントン国務長官との会談で発せられた
この〔科学的知見や農水・厚生両省の考えを無視した形の〕前原外相発
は、日本の食の安全を揺るがすものとして当時話題になりました。

前原外相辞任に際し、「アメリカが一番期待していた政治家であること
は間違いないのでとショックを隠し切れない」という米国側の報道があ
ったという事実は、このような前原氏の“米国側に対する前のめりとい
ってもよい姿勢”が多いに影響しているといえるでしょう。


以上、民主党の代表戦に出馬している前原前外相に対する、日本の食
の安全性の立場からの懸念
についてのお知らせでした。

◎当時の状況は・・・・
 
牛肉輸入問題については、2010年04月に〔4月当時に農相であっ
た〕赤松広隆農相が、来日した米国のビルサック米国農務長官に対して、
「日本は科学的知見に基づいて従来どうりに食の安心と安全性を確保し
ていく」と、説明していた状況であった。



▼  ニュースを知ったとき・・・前原さんの属している民主党は、米国の
  民主党なのかなと思いましたよ。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






米国の食中毒を気にしなければならない時代・・・。

2011-10-05 09:43:36 | Weblog
米国の食中毒を気にしなければならない時代・・・。

米国のコロラド州で生産されたメロンが感染源とみられるリステリア菌に
よる集団食中毒
が発生している事件について、CNNは 9月29日のニ
ュースで「26日までにメロンが原因の集団食中毒で13人の死亡が確認
された
」と、伝えました。 

ニュースは こちら

そのニュースを受けて、すばやい動き〔対策〕をとったのは韓国です。

その対策について、韓国の中央日報は、「原因とされている米国産のメ
ロンが韓国国内に輸入されたかどうかについての調査が始められた
」と
いうニュースを伝えました。 こちら 。

そうなんです。

なにせリステリア菌による食中毒は、感染した飲食物を食べてから症状
が表れるまで4週間
ほどかかる厄介なしろもの。韓国は今後の数週間
以内に感染者と死亡者の数はさらに増える危険性を考慮したにちがいあり
ません。

日本とちがってすばやい対応だな・・・ と、感心した半面、わたし
は、こうも考えたのです。
韓国がこういった対策をとらねばならなかった背景には、自由貿易を
推進することで農産物輸入を増やしている韓国のお国事情も多分に影
したのだろうな、と。

そんな韓国の農産物輸入増大に関する参考記事は こちら 。 〔将来の
経済政策に関する〕日本の近未来像として、いま韓国からは目が離せな
だけに、よろしかったらご参考に。

▼ しかしあれですね。米疾病対策センター/CDCによれば『米国内の
  リステリア菌重症化例は年に1600件ほど、うち約260人が死亡して
  いる』という数字は、 じつに怖すぎっ。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜