グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

農業の「6次産業化」でおこるリスクもある。

2012-03-27 22:42:30 | Weblog
農業の「6次産業化」でおこるリスクもある。

ボツリヌス菌による食中毒事件を知ったときに思い出さずにはおられなか
ったのが、当ブログの3月05日分の、まさにこの記事です。
このニュースの中の、記者会見する社長の姿には、事故を起こしたことに
対する反省とともに〔食中毒を出そうと思ってだしたわけではないでという〕
ある種の無念さ
を感じずにはおられません。
というわけで、農業の6次産業化でも充分におこりうるであろうケースと
して、ご参考までによろしかったら。

 ↓

『農業の「6次産業化」でおこるリスクもある。』

来年度農業予算で

 農家などが加工や流通事業に進出して収益化をはかる「6次産業化」に
 ついては、官民の「農林漁業成長産業化ファンド」(仮称)で支援。創
 設資金として300億円を計上された。


ということから、熱い注目を浴びる 「農業の6次産業化」ですが・・・
前回は、「しかし、6次産業化〔農商工連携も含めて〕の取り組みは、現時
点でさえ山ほどある」という現実を お知らせしました。 こちら 。

そして今回は、もう一歩踏み込んで、6次産業化でもっともありがちな

 農産物を食品加工をすることで利益率を高める

という6次産業化の最大のウリポイントを例にとって、発生しがちなリ
スクを考えてみることにいたしましょう。

たとえばですね、

 農産物を加工して販売していた漬物に異物が混入した

といったケースはどうでしょう。さらには

 製造販売した惣菜や、農家レストランで提供した食事が原因で食中
 毒事故が発生した


というようなケースはいかがでしょう。

そう・・・たしかに農産物を食品加工し販売することで、利益率はあが
るかもしれません。
しかし、食品加工し販売するということは、同時に農産物を販売してい
るだけではおこりえなかったリスクもまた発生する可能性もあるという
ことを考えておかねばならないということなのです。つまり

 ただの農産物の販売には適用されないけれど、
 農産物を加工した場合は「製造物責任法」が問われる


ということなる。6次産業化を計画するということは、こういった不慮
の事態が発生する場合を常に考えておかねばならない
ということでも
あるのです。

 メリットには、かならずデメリットがついてくる

ということですね。

そういったわけで、農業経営に対するわたくしなりのアドバイスなのです
が、なによりいいたいのは、利益率をあげる方法は農産物加工ばかりが
その方法ではない
ということです。

たとえば農産物の秀品率を上げることでもいい。農産物の糖度とか機能
性とかの品質面を向上させる事もそうでしょう。収穫量をあげるのもいい。
その地域における珍しい作物を作るという手もある。

そうすることで、6次産業化を計画したことによるデメリットに関係なく
できた農産物を 既存の食品業界に高く買い取ってもらうことでも
利益率を上げることは可能だということなのです。

いじょう、優れた農産物や人気のある農産物を作るという農業本来の営
業努力を積み重ねる
こともまた、〔より簡単に〕利益率をあげる方法だ
というおはなしでした。。


▼ 果物生産の話しです。
  高値が期待できるからと、全国で一斉に“早生”“極早生”品種を奨励
  しちゃったら、“晩生”のほうがよくなっちゃったなんて話は 農業界では 
  ごろごろ。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





ボツリヌス食中毒・・・商品名に関するニュース。

2012-03-27 11:51:22 | Weblog
ボツリヌス食中毒・・・商品名に関するニュース。

前回の 「ボツリヌス食中毒発生についての厚労省報道。」 につづいて
製造業者によって自主回収されはじめた商品の、具体的な名前が報道
されています。 読売新聞による こちら 。

いまのところ、「夫婦が食べた商品の入手経路や賞味期限、保存状態
などは不明で、県によると26日現在、同様の被害報告はない。」と
いうことですが、強い毒素を作るボツリヌス菌が検出されているいじ
ょうは、充分な注意が必要でしょう。


▼ 地元の岩手日報によるニュースは こちら 。
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜



ボツリヌス食中毒発生についての厚労省報道。

2012-03-27 02:18:58 | Weblog
ボツリヌス食中毒発生についての厚労省報道。


本日3月26日、厚労省・医薬食品局食品安全部監視安全課食中毒
被害情報管理室から、報道関係者各位へのつぎのような発表がなさ
れました。↓

「ボツリヌス食中毒事例の発生について」
 本日、鳥取県からボツリヌス毒素を原因とする食中毒患者(2名)
 が発生したとの連絡がありました。毒素が検出された検出食品の
 入手の経路、保存状況等について調査中ですが、ボツリヌス毒素
 による食中毒の重篤性を考慮し、厚生労働省から別添のとおり
 全国の地方自治体を通じて消費者や医療機関への情報提供、注意
 喚起を行ったのでお知らせします。厚労省の関係ページは こちら 。
 ↑

そして この報道発表を受けて、たとえば 東奥日報では速報として

 あずきばっとう」中毒で回収

題するページ をネット上に掲載しています。

なお、食中毒事件に関するニュースは 以下のとおり。

  ボツリヌス菌食中毒、5年ぶりに発生  読売新聞
  ボツリヌス菌の食中毒で夫婦が意識不明 日本テレビ


▼ 「あずきばっとう」等、対象となっている商品の回収が急がれています。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜