『豚インフルに12人が感染』したという米国のニュース。
8月05日のニュースです。
「アメリカのCDC=疾病対策センターは4日、 新しいタイプの
豚インフルエンザウイルスに、中西部のオハイオ州などで合わせ
て12人が感染して、その後、回復したと発表し、感染が直ちに
広がるおそれはないものの、豚には不用意に近づかないよう注意
を呼びかけています。」というものです。 こちら 。
気をけねばならないのは、この新型の豚インフルエンザ/H3N2v
には2009年に世界的に流行したインフルエンザウイルスと一部
共通する遺伝子があり、変異すれば感染力が強まるおそれがあると
いう現実です。そこで当ブログの2010年01月分を関連試料として
再掲載してみました。よろしかったら、ご参考に。
↓
『怖いのは交雑・・・新型インフルエンザ』
年が明けてからの発生件数の減少を受けて、発生当初に唱えられて
いた新型インフルエンザ楽観論が、また復活してきているようですね。
「通常の季節性インフルエンザ よりも新型の致死率がかなり低い」
「本当に怖いのは強毒性の鳥インフルエンザ。ブタを起源とするら
しい新型インフルエンザは、いわれるほど恐ろしくないのでは・・
・」という論旨が、楽観論の主張のように思えます。
しかし、例えば「致死率の推計には1年以上の時間がかかる」とい
う事実や、「新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の
豚が持っていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたこ
と」が、米国のみならず日本の研究チームによっても解析されてい
るわけですから、用心するにこしたことはないと個人的には思うの
です。なによりも、ヒトとブタ、トリの間で交雑とていくうちにタ
ミフル耐性の変異したインフルエンザが出現する可能性は常につき
まとうわけですから。ヒトと動物の間の感染例としては、こういう
ニュース もありましたし。
そしてもうひとつ、新型インフルエンザには注意せねばならない
点があります。それは感染者のうちの死者の年齢層です。米国の
米疾病対策センターが1月15日に発表したデータによると、
18歳以下の死者が多いことです。60歳以上の層の死者が大部
分を占める季節性インフルエンザの被害とは、この点が大きく異
なっています。
さらには症状が発現してから、死亡にいたる経過時間の短かい症例
があることが大きな特長といえるでしょう。この点は、昨日・一昨
日の日本における2件の例でも証明されたようにおもいます。
詳細はつぎのとおり。
『宮崎県は18日、新型インフルエンザに感染した同県美郷町の
男子高校生(17)が肺炎による急性呼吸不全で死亡した、と
発表した。基礎疾患はなく、季節性、新型ともインフルエンザ
のワクチンを接種していなかった。県によると、男子生徒は
16日、39度まで熱が上がり、自宅で解熱剤を服用したが、
翌日も熱が下がらず、呼吸困難となった。地元の医療機関に搬
送する途中で容体が悪化し、医療機関で死亡が確認された。
2010/01/19付 西日本新聞朝刊 』
『京都市は18日、新型インフルエンザに感染した北区の男子大
学生(20)が肺炎で死亡したと発表した。府内で新型インフ
ルエンザ感染者が死亡したのは10人目。大学生は独り暮らし
で15日、母親の電話に38度台の熱があると伝えていたが、
16日に電話に出ないため、母親が同日午後8時ごろ大学生宅
を訪れると倒れていたという。その後死亡が確認され、死因は
肺炎とされたが、検査で新型インフルエンザ感染が判明した。
基礎疾患の有無は調査中。1月19日16時1分配信 毎日新聞 』
というものです。
やはり楽観しすぎるのは危険ではないかと、個人的には考えざるを
得ません。ウイルスが交雑していくものであるかぎり油断は禁物な
のです。
参考までに、前述の新型インフルエンザの由来についての記事をご
紹介して考察は終了です。
『新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の豚が持っ
ていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたことが、
米国や日本の研究チームの 解析でわかった。米疾病対策セン
ター(CDC)や世界保健機関(WHO)が公開する新型イン
フルの遺伝子情報をもとに調べた。予防や治療の基礎データと
な るウイルスの正体が明らかになってきた。米コロンビア大な
どのチームは、今回のウイルスと過去の研究でわかっている豚
のウイルスの遺伝子情報を照らし合わせた。この結果、ウイル
スに8本 あるリボ核酸(RNA)のうち、6本が北米の豚に
感染するウイルスから受け継がれたもので、2本が欧州やアジ
ア由来のユーラシア型の豚ウイルスから受け継 がれたことを
見つけた。
前者の6本には、人、鳥のそれぞれに感染するウイルスに由来
するRNAも混ざっていた。人は通常、豚や鳥のインフルには
かからないが、豚は人や鳥のインフルにも感染する性質を持つ。
98年ごろ、北米で豚インフルが流行したときに、豚の体内で
豚ウイルスと人のA香港型ウイルス、鳥ウイルスが混じり合っ
て、まず「3種混合」のウイルスができたとみられる。これが
北米の豚ウイルスと交雑を重ね、最終的にユーラシア型の豚ウ
イルスと合わさって「4種混合」の新たな豚ウイルスになった
という。
このウイルスの表面のたんぱく質が、人に感染しやすい変異を
起こした可能性が高い。生物資源研究所(沖縄県名護市)の
根路銘(ねろめ)国昭所長たちは、北米の豚ウイルスから受け
継がれた6本のRNAのうち、1本が人、2本が鳥、3本が豚
(北米)由来であることを示した。国立感染症研究所のウイル
ス研究室長などを務めた根路銘所長は「ルーツが詳しくわかっ
てきたことで、対策につなげられる可能性がある。今後もウイ
ルスは変化する可能性があり、監視が必要だ」と話している。
2009年5月3日asahi.com 』
◎ 豚インフルエンザにかかったブタのふん尿に、ウイルスが混在
していたとしたら・・・工業的大規模畜農業と感染症の関係 ↓ 。
についてのそんなおはなしもあります。
「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
8月05日のニュースです。
「アメリカのCDC=疾病対策センターは4日、 新しいタイプの
豚インフルエンザウイルスに、中西部のオハイオ州などで合わせ
て12人が感染して、その後、回復したと発表し、感染が直ちに
広がるおそれはないものの、豚には不用意に近づかないよう注意
を呼びかけています。」というものです。 こちら 。
気をけねばならないのは、この新型の豚インフルエンザ/H3N2v
には2009年に世界的に流行したインフルエンザウイルスと一部
共通する遺伝子があり、変異すれば感染力が強まるおそれがあると
いう現実です。そこで当ブログの2010年01月分を関連試料として
再掲載してみました。よろしかったら、ご参考に。
↓
『怖いのは交雑・・・新型インフルエンザ』
年が明けてからの発生件数の減少を受けて、発生当初に唱えられて
いた新型インフルエンザ楽観論が、また復活してきているようですね。
「通常の季節性インフルエンザ よりも新型の致死率がかなり低い」
「本当に怖いのは強毒性の鳥インフルエンザ。ブタを起源とするら
しい新型インフルエンザは、いわれるほど恐ろしくないのでは・・
・」という論旨が、楽観論の主張のように思えます。
しかし、例えば「致死率の推計には1年以上の時間がかかる」とい
う事実や、「新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の
豚が持っていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたこ
と」が、米国のみならず日本の研究チームによっても解析されてい
るわけですから、用心するにこしたことはないと個人的には思うの
です。なによりも、ヒトとブタ、トリの間で交雑とていくうちにタ
ミフル耐性の変異したインフルエンザが出現する可能性は常につき
まとうわけですから。ヒトと動物の間の感染例としては、こういう
ニュース もありましたし。
そしてもうひとつ、新型インフルエンザには注意せねばならない
点があります。それは感染者のうちの死者の年齢層です。米国の
米疾病対策センターが1月15日に発表したデータによると、
18歳以下の死者が多いことです。60歳以上の層の死者が大部
分を占める季節性インフルエンザの被害とは、この点が大きく異
なっています。
さらには症状が発現してから、死亡にいたる経過時間の短かい症例
があることが大きな特長といえるでしょう。この点は、昨日・一昨
日の日本における2件の例でも証明されたようにおもいます。
詳細はつぎのとおり。
『宮崎県は18日、新型インフルエンザに感染した同県美郷町の
男子高校生(17)が肺炎による急性呼吸不全で死亡した、と
発表した。基礎疾患はなく、季節性、新型ともインフルエンザ
のワクチンを接種していなかった。県によると、男子生徒は
16日、39度まで熱が上がり、自宅で解熱剤を服用したが、
翌日も熱が下がらず、呼吸困難となった。地元の医療機関に搬
送する途中で容体が悪化し、医療機関で死亡が確認された。
2010/01/19付 西日本新聞朝刊 』
『京都市は18日、新型インフルエンザに感染した北区の男子大
学生(20)が肺炎で死亡したと発表した。府内で新型インフ
ルエンザ感染者が死亡したのは10人目。大学生は独り暮らし
で15日、母親の電話に38度台の熱があると伝えていたが、
16日に電話に出ないため、母親が同日午後8時ごろ大学生宅
を訪れると倒れていたという。その後死亡が確認され、死因は
肺炎とされたが、検査で新型インフルエンザ感染が判明した。
基礎疾患の有無は調査中。1月19日16時1分配信 毎日新聞 』
というものです。
やはり楽観しすぎるのは危険ではないかと、個人的には考えざるを
得ません。ウイルスが交雑していくものであるかぎり油断は禁物な
のです。
参考までに、前述の新型インフルエンザの由来についての記事をご
紹介して考察は終了です。
『新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の豚が持っ
ていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたことが、
米国や日本の研究チームの 解析でわかった。米疾病対策セン
ター(CDC)や世界保健機関(WHO)が公開する新型イン
フルの遺伝子情報をもとに調べた。予防や治療の基礎データと
な るウイルスの正体が明らかになってきた。米コロンビア大な
どのチームは、今回のウイルスと過去の研究でわかっている豚
のウイルスの遺伝子情報を照らし合わせた。この結果、ウイル
スに8本 あるリボ核酸(RNA)のうち、6本が北米の豚に
感染するウイルスから受け継がれたもので、2本が欧州やアジ
ア由来のユーラシア型の豚ウイルスから受け継 がれたことを
見つけた。
前者の6本には、人、鳥のそれぞれに感染するウイルスに由来
するRNAも混ざっていた。人は通常、豚や鳥のインフルには
かからないが、豚は人や鳥のインフルにも感染する性質を持つ。
98年ごろ、北米で豚インフルが流行したときに、豚の体内で
豚ウイルスと人のA香港型ウイルス、鳥ウイルスが混じり合っ
て、まず「3種混合」のウイルスができたとみられる。これが
北米の豚ウイルスと交雑を重ね、最終的にユーラシア型の豚ウ
イルスと合わさって「4種混合」の新たな豚ウイルスになった
という。
このウイルスの表面のたんぱく質が、人に感染しやすい変異を
起こした可能性が高い。生物資源研究所(沖縄県名護市)の
根路銘(ねろめ)国昭所長たちは、北米の豚ウイルスから受け
継がれた6本のRNAのうち、1本が人、2本が鳥、3本が豚
(北米)由来であることを示した。国立感染症研究所のウイル
ス研究室長などを務めた根路銘所長は「ルーツが詳しくわかっ
てきたことで、対策につなげられる可能性がある。今後もウイ
ルスは変化する可能性があり、監視が必要だ」と話している。
2009年5月3日asahi.com 』
◎ 豚インフルエンザにかかったブタのふん尿に、ウイルスが混在
していたとしたら・・・工業的大規模畜農業と感染症の関係 ↓ 。
についてのそんなおはなしもあります。
「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」