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グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

電動農業機械の実用化による農業振興を。

2013-01-22 23:35:49 | Weblog
電動農業機械の実用化による農業振興を。

前回は、ガソリンスタンドの廃業が“ガソリン難民”と“ガソリン難民
キャンプ
”を生みつつある現状をお伝えしました。そして、今回はその
解決策を考えることになるのですが・・・対策として〔誰が考えたって〕
まずいちばんに思い浮かぶのは、太陽光発電ですよね。

そう、

 太陽光発電を用いた電動農業機械の実用化による農業振興

です。

と書いても、一般の方々は 電動農業機械の実用化には時間がかか
るのではないかと考えられる方も多いと思いますが、じつはですね、
電動軽自動車用などに使われるモーターと電池を改良して搭載した、
最大で中型トラクター並みの13馬力の力が出せる電動トラクター

などは、すでに試作され実用段階にはいっているのです。

そんな農業機械の代表ともいえる 電動トラクターが こちら 。


 対策ひとつとして.jpg


気になるその性能ですが、利点としては

  燃料費はディーゼルエンジンの1/2から1/3
  排気ガスがでないため、ハウス内の作業に適している
  電動化で騒音や振動が抑えられるため機械操作が簡単

という点が挙げられていますよ。問題点としては

  1回の充電〔3~5時間〕で1時間程度の作業性能
  試作車では、ガソリン車の制作費が2倍

といった点が改良すべき点とされているようですが・・・この問題
点は、電動トラクターが量産されさえすれば解決できる気がします。

そして量産されるために必要となるのが・・・これもまた誰が考え
たって、まずいちばんに思い浮かぶのが

 エコカー補助金ならぬ エコ農業機械補助金

ですよねっ。

といったわけで今回は、近い将来にガソリン入手が困難になるであ
ろう日本の中山間地の農業振興を図るには、政策としてエコ農業機
械補助金を創設するのがいちばんの対策になる
というお話しでした。

発電用の太陽光パネルに、充電スタンドのある中山間地の農地で
働く、さまざまな農業用機械
」というのが、近未来の日本の農山村
の風景となったら素敵ですよね。そんなレゴ・ブロックが あれば
子どもたちにも受けそうです。


◎ 小さなものから大きなものまで、さまざま用途の機械が必要と
  なるのが、農業です。そういった意味では、日本の内需を拡大
  させる起爆剤
にもなりえるのではないかとも思えるんですよね、
  農業機械の電気化というのは。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




獣害を防止するために、田を起こそう。

2013-01-22 16:03:10 | Weblog
獣害を防止するために、田を起こそう。

こんなに ひと気のあるところなのに・・・・と思われるような
場所で、動物を目撃するケースがおおくなってきました。かくい
うわたくしも、先日の日曜日に、町に程近い田んぼでサルの群れ
に遭遇したばかりです。というわけでそんな動物たちの引き起こ
す獣害とその獣害対策についての話となります。よろしかったら。

 ↓

鳥獣による農作物の被害が、拡大しつづけています。農水省発表に
よる最近の具体的な被害状況の推移は・・・つぎのように。

 鳥獣による平成20年度の農作物被害

 被害金額が199億円で前年度に比べ14億円(対前年比8%)増加、
 被害面積が10万haで前年度に比べ9千ha(対前年比10%)増加、
 被害量が49万tで前年度に比べ8万4千t(対前年比21%)増加し
 ています。
 主要な獣種別の被害金額については、シカが58億円で前年度
 に比べ11億円(対前年比24%)増加、イノシシが54億円で前
 年度に比べ4億円(対前年比7%)増加、サルが15億円で前年
 度に比べ6千万円(対前年比4%)減少しています。


 鳥獣による平成21年度の農作物被害

 被害金額が 213億円で前年度に比べ14億円(対前年比7%)増加、
 被害面積が10万5千haで前年度に比べ5千ha(対前年比5%)増加、
 被害量が62万tで前年度に比べ12万9千t(対前年比26%)増加して
 います。
 主要な獣種別の被害金額については、シカが71億円で前年度
 に比べ12億円(対前年比21%)増加、イノシシが56億円で前
 年度に比べ2億円(対前年比4%)増加、サルが16億円で前年
 度に比べ1億円(対前年比7%)増加しています。


そしてこの獣害を呼び寄せているの一番の原因は、 ひこばえ に
あると、最近では いわれはじめました。

ひこばえとは、収穫後の作物の切り株や根元から生えてくる若芽
こと。とくにイネ刈り後の水田に残っている切り株から生えてくる
ヒコバエが要注意です。栽培しているお米や野菜とちがって、放置
されているひこばえなら、動物が食べてもさほど気にならない。

こういった 心のすき間に、動物達が忍び寄る のです。

ちなみに

 10ヘクタールの田んぼのヒコバエなら、
 100頭のシカを ひと月養えるほどの餌となる


というデータがあります〔1ヘクタールでは10頭・10aで1頭の割り
になりますよ〕。ひこばえの放置は、ある意味で動物の餌付けをしている
ものと考えなければなりません。

そんなひこばえが生えてくるのを防止するには、収穫後のこまめな
耕運が効果的
です。田を起すことで、株を土中にすきこみ、ひこば
えが生えてくるのを予防するわけですね。

そうすることで、動物たちが集落に近づかないようにする。

いじょう、獣害被害の多い集落では、こういった農業の基本的な作業を部
落をあげて励行することが、なによりの獣害予防方法となるというおはな
しでした。


◎ バインダーで刈られた長いままのワラの場合は、大雨などで
  田から流出すれば、排水路を詰まらせることにもなりかねません。
  水害を予防するという観点からも、田起しは重要になります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」