グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

苦楝子と書いて“くれんし”、苦楝皮と書いて“くれんぴ”。

2013-05-26 15:19:14 | Weblog
苦楝子と書いて“くれんし”、苦楝皮と書いて“くれんぴ”。

トリが食べ、その結果 種がはこばれることで、いろいろな場所で芽吹く
センダンのはなしのつづきですが・・・じつはこのセンダン、薬用植物と
して利用されています。

生薬として用いられるのは果実と樹皮で

  秋冬に黄熟したセンダンの実を採取して、果肉の部分を生のまま
   や日干ししたものを 苦楝子/くれんし 
  初夏に剥いだセンダンの幹の皮のコルク層の部分を除いて、細か
   く刻んでから、日干しにしたものを 苦楝皮/くれんぴ 

と、よばれていますよ。

その効用ですが、この苦楝子と苦楝皮は、ともに駆虫効果があり、回虫
や条虫の駆除薬
として服用利用されます。また外用薬として果実や樹皮
を煎じた煎液は、ガンコな皮膚病用の薬として利用されます。また苦楝
子/くれんを患部に直接塗ることで、霜焼けやヒビの治療にも効果がある
とされています。

ということで、薬用としてなかなかに有用なセンダンなのですが、問題
となるのは服用するときの量であり、センダンの実〔茎葉〕を食べるこ
とによる牛・豚・羊・山羊や犬・ネコなどの中毒症状があるとのことで
すので、この点は注意が必要です。

さて、そこでトリです。

食べる量によっては中毒作用をおこすといわれる、そのセンダンの実を
熟れた秋冬の季節に〕ついばむトリたちの健康には、影響がないもの
なのでしょうか。

と、ヒヨドリやムクドリ、そしてときにはカラスなどが、センダンの樹
にとまっているたびに、そしてその後の春先に、庭のあちこちからセン
ダンの若芽が顔を出すたびに
心配になってしまいます。

まあしかしそのあたりは〔こちらが心配しなくてもいいように〕トリた
ちにも考えがあり、ひょっとしたら メヒコのトリのタバコのはなし
ように体内の寄生虫対策として、

 中毒症状を承知したうえで上手にセンダンを利用している

のかもしれませんね。トリにまつわる病害虫については こちら 。

ということで今回は、身近な大木であるセンダンと、そのまわりで生活
している〔自分を含めた〕動物たちのおはなしでした。


◎ それにしても、いつも手に持ったときに思うのは、トリたちの体重
  の軽いことです〔なんといっても空を飛ばねばなりませんものね〕。
  それだけに、センダンの中毒が気になってしまうのです。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染