グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ナメクジ防除の妙手。

2016-05-31 23:05:59 | Weblog
ナメクジ防除の妙手。

雨が多く夜が涼しい本年だからか、いまだに貝類被害の多い宮崎県の沿岸
部地方・・・ということでひきつづき4月前後の回ですがよろしかったら。

 ↓

毎年被害があるという場合は、冬眠から醒めた今の時期に増える前に
捕獲する作戦がいちばんの対策です。彼らは夜行性ですので、日がで
ているうちに隠れている場所での捕獲を実行します。
 → 被害の回は こちら

チェックポイントは、暗くて暖かい場所。

ということで、一般家庭のお庭であれば、まずは植木鉢の底。そして
鉢置きスタンドの裏やプランターです。なかでも要注意な生息場所は
横に排水孔が作ってあるタイプや底に網がひいてあるタイプのプラン
ターです。この排水孔のスペースに侵入しているケースがとても多い
のです。

こういった 暗くて・冬のあいだは寒さをしのげるところが[越冬や
産卵場所には最適ですので]要チェックですね。

さらに暗くて暖かい場所として意外なところでは、各家庭のエアコン
の室外ファンの中。このなかで越冬するナメクジも多いとのことで、
[室外ファンがよく壊れるという方はとくに]チェックされてみてくだ
さい。

そして、もっと効果的に防除したいという方は、なんといっても夜間
です。そう、夜のあいだに庭に出て

 彼らがお花や作物を食害にでてきたところを直接捕まえる

これです。

手袋か、もしくはお箸を利用してバシバシ捕まえちゃいましょう。
3晩つづけると、かなりな確率で駆除できますよ。

実際の農家さんの場合でもたとえば鉢栽培の方式がとられているシン
ビジウム/洋ラン栽培農家さんではこの駆除方法をなされている方も
多いです。

そして、気になるのは集めたナメクジの処理法ですが・・・

貝類に属するナメクジですからね。私の場合は、近くの池やいきつけ
の海で、魚やカメの餌にしちゃいます。せっかくの生命を無駄にする
のは、しのびないですから。

ということで、今回はご家庭での物理的なナメクジ防除のおはなしで
した。


◎ 彼らが動き出す前ということもありますが、庭にまだ蚊の
  でてこない・いまのうち
が、なんといっても作業が楽なん
  です。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染


野菜を食害する生物といえば。

2016-05-31 11:38:02 | Weblog
野菜を食害する生物といえば。H


雨が多く夜が涼しい本年だからか、いまだに貝類被害の多い宮崎県の沿岸
部地方。ご質問がありましたので、4月前後の回ですが よろしかったら。

 ↓

作っている苗や定植したばかりの、とくにアブラナ科の野菜の苗が、何者
かの被害をうけて葉の部分に大きな穴があいたり、先端部分がまるごと無
くなったり〔!〕することが 春先のこの時期には よくあります。せっ
かく苗に仕立てたり、あるいは植えたばかりの苗がやられちゃったら、が
っかりしてしまいますよね。
でも、さあ、もうひとがんばり、かわいい野菜やお花のためにも、加害す
る生物を見分けて対策をたてましょう。

さて、そんな春先の時期のアブラナ科の野菜を食害する生物とは、いった
い何者なのでしょう。

温度があがる夏場であれとすれば、苗を食害する生物としてネキリムシや
コナガも疑われます。しかし、いまはまだ春。まして今年は雨が多い。し
たがって暖かくなってから活動しはじめる昆虫類ではなく、むしろ

  越冬して春を迎える生物
  雨がちの気候下でも活発に動ける生物
  比較的低温であっても活動することができる生物

が主となって、野菜を加害している。さらに今年のような春の長雨が続く
気候下でも活発に活動できる生物ということもおおきなポイントにつなが
ります。

ということで、春先にアブラナ科の野菜を食害する生物として、まずまっ
さきに考えられるのは、そう ナメクジ類 ということになりそうです。
そんな春先のアブラナ科野菜類の大敵であるナメクジ対策についてのおは
なしは 次回にて。

・・・と話しを終えるまえに、日本の代表的な種である、つぎの3種のご
紹介はすませておきますね。

  ナメクジ

 年に一回の発生。3-6月に40粒ほど産卵。孵化した幼生は秋まで
 に成熟し、土中や積んだものの下などで越冬。

  ノハラナメクジ

 年2回の発生。3月から活動。1頭で300粒!ほどの卵を産み、秋ま
 でに成熟。春の卵から孵った幼生が秋には産卵できるので、注意が必要。
 ナメクジと同様に越冬。

  コウラナメクジ

 幼生で冬を越し、3月ころから活動開始。繁殖力が強いのが特徴。
 秋に成体となり、60粒ほど産卵。秋に孵化し、しばらく植物を加害し
 たのち、越冬に入ります。冬でも、暖かい雨の日には、潜伏場所からで
 てきて活動する


この3種、いずれも越冬してくるのでほんとに厄介・・というか厄貝/笑。


◎  被害が大きくなるのは、まずはなんといっても 湿りがちな場所
  が圃場のまわりにある場合です。
  たとえば、家に囲まれて陰になる所が多い場所。用水が流れてい
  る場所。野菜クズや落ち葉などの有機物残さの多い場所。それに
  周囲が荒地になっている場所などなどとなります。
  

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