「新しい土地の圃場では作物がよくできる」・・・これは良い営農成績
をあげておられる農家さんに共通の認識です。
土地の土壌の分析をしてみても、それははっきりと確認することが可能
あり、そのような土地でよく見受けられる特徴は
● 全体的に土の養分が不足傾向にある
● 土の構成成分であるミネラルのバランスがとれている
ということになります。
そうなんです・・・あるミネラルが極端に不足したとした場合、対策と
してその不足したミネラルを補足していけばよいわけですから、 まあ
わかりやすい話ですよね〔ヒトで考えれば、痩せている方では とりあ
えず食べてもらえばよいわけですから〕。
問題は、長年の耕作による影響で
● 全体的な土の養分が過剰傾向にある
● 養分のいくつかが過剰にあり、ミネラルのバランスがとれない
ときです。
たとえば、植物の生育に良いからといって、あるミネラルばかりを過剰
に、何回も・何年にもわたって施用すると、ミネラル間のバランスが崩
れ、それぞれのミネラルの間で反発がはじまることがあるんです〔拮抗
作用とよばれますよ〕。
そうなんです、肥満と、それに伴う減量となると、これはとにかく対策
をとるのが大変なんです〔これは人の場合でも同じですよね〕。
そして、対処法です。まずは
● 過剰になりすぎた特定のミネラルをやらない
という方法があります。ただし、この方法では、作物を作りながらとな
りますので、これに伴う技術もむずかしいし、時間もかかることになる。
そこで、もっともてっとりばやい方法として、昔から行われているのが、
山土などの、痩せている土 / 養分の少ない土を、問題の出た土地に
搬入するという方法があります〔土を土壌改良剤として利用することに
なりますね〕。実際の農業の現場では、ハウス10アール当たりに数十
トンの痩せている山土を搬入したなんて話は、よくあるんですよ。
こういった、「田畑に新しい土を導入する」行為。これは 古来からあ
る農業技術で、“客土/きゃくど” とよばれてきました。土をお客さま
扱いして大事にしてきた と いうところなんでしょうね、きっと。
◎ そして・・・この技術が 除染にも使えるのではないか
と考察した回は ここら 。
