グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

手入れ不足の「山」や「水路」が招く水害。。

2016-09-25 23:03:48 | Weblog
手入れ不足の「山」や「水路」が招く水害。。

河川を通じて海に流失した丸太や立ち木が、港の機能や船の航行、そ
して漁業の障害になるケースをお伝えした2007年の記事。こちら
今回は、その回の前後に掲載した記事となります。それから10余年
・・対策がなされぬままに、いまや被害は全国区となった観ありあり。
ということで、 こちらも ご参考までに よろしかったら。

 

手入れ不足の「山」や「水路」には 要注意!

手入れ不足の人口林が原因とおもわれる豪雨災害が増えています。
被害拡大のメカニズムはつぎのとうり。

 山林が大雨で崩壊 → 流木が河川に流失 → 流木が橋の橋脚に
 ひっかかり → 川の流れをせき止める → 橋が急激にダム化して
 水かさが増す → 氾濫 → 濁流が田畑や住宅地に押し寄せる 

と、いった図式です。2005年の7月9日から10日にかけて大
分県を襲い、死者は4人・行方不明者1人を出した豪雨災害は、ま
さにこの典型的なものでした。
現地の土木事務所・林業試験場の見解はつぎのように。

10日未明に降った1時間に84ミリという強雨の影響で九重町の
 山林約32ヘクタールが崩壊、玖珠〔くす〕川に多量のスギ・ヒノ
 キが流れ込み、豊後渡橋の橋脚に集積、水をせきとめる形となり
 氾濫をひきおこした。
』 

と、いうものです。

直径20~30センチのスギ・ヒノキが現場には山積み状態。数が
多すぎて流木の数もわからない
」との現場での土木事務所関係者の証
言から、この流木が本来は、管理面からいって伐採されるべき細い木
であったことが分かります。適切な間伐がおこなわれない密植された
人口林では、地表に日光さえ差し込まない状態であるために樹の根張
りが悪くなり、結果として地盤の弱体化をひきおこしてしまう
のですね。

以上、手入れ不足の人口林が原因とおもわれる豪雨災害の被害拡大
メカニズムをお伝えしました。


◎ 衰退していく一方の 農業や林業を振興すること。プラス
  して 大規模化・機械化と併せて、いろいろな業態の農家
  を維持していくこと。それはおおきな自然災害を防ぐこと
  につながります[水路の維持管理にはとにかく大人数が必
  要ですから
]。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染



流木。豪雨災害の置き土産。

2016-09-25 14:45:26 | Weblog
流木。豪雨災害の置き土産。

台風や集中豪雨があった後に、おもに港での船の航行に支障をきたす
流木の問題。最近ではあたりまえすぎてニュースとして発信されるこ
とすら少なくなるほどに全国各地で問題となっていますが ・・・ 
今回はまだニュースとして発信されたていたころの2007年前後の
再掲載の回となります。ご参考までによろしかったら。

 ↓

『流木。豪雨災害の置き土産。』

台風や湿舌などの豪雨を伴う水害の置き土産となるもの・・・それが
流木です。 

流木.jpg

映像は2007年7月に宮崎を直撃した台風4号・5号における台風
後の海岸の様子です。このときに宮崎県の県北部の海岸では、このよ
うな情景がそれぞれの大きな川の河口付近に数キロメートルほどの長
さにわたって続いていたものでした。

山から流れでる無数の流木は、まずは海に運ばれ、その後このように
大量のごみに混じって、海岸線に打ち上げられるのです。

この流木が再び海に流れでると、船にぶつかれば船体を傷つけるのは
もとより、スクリューやシャフトといった船の動力関係部分を壊して
しまう危険性があります。またひっかかって魚網を破ることによる漁
業関係の被害を引き起こす場合もあります。

そこでこの流木の山がでるたびに、県や市町村の職員をはじめ、地域
住民や各種団体がボランティアでかたづけることになるのですが、

 数百人の作業人員がでて大量のゴミを作業し、回収された流木は
 大型トラック数10台分にも上った


などといった光景が繰り広げられることになるんですね。

残念な話しではありますが、このような光景は、もはや地方ではちょっ
と激しい水害がくる度に繰り返される日常になっています。
そしてこれからはこういった流木のニュースは、皆さんお住まいの地方
でも、そして大都市圏であっても、ふつうにおこってくることになる。

そう、それはこういった災害の原因が、「日本の国土に高い割合で存在
している人工林がある
」こと、そして「放置された人工林が日本中に増
え続けている
」ことにあるからです。

そういった意味では、海に流れ込む多量の流木が引き起こす災害は
人為的な環境破壊が引き起こす災害”、すなわち人災でもあるといえ
そうです〔水害そのものも人災の部分がおおいのかもというおはなし
は こちら 
〕。


◎ 2007年9月のニュースですが、「関東を直撃した台風9号の
 影響とみられる大量の流木などのごみが東京湾で確認されました。
 場所は千葉県船橋市日の出の千葉港葛南港区で、幅約700メー
 トル、奥行き100メートル前後の帯状になって滞留しています

 というものを記憶しております。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染