ウンカ。例年より早く飛来す。
6月の野上農相の記者会見において「これからウンカ類の増殖に好適な
高温小雨の気候条件となれば、昨年同様に発生の拡大が懸念される」と
発表されました。農水省によれば6月中旬までにすでに9府県で飛来が
確認され、そのうちの8府県で例年よりもひと月ほど飛来時期が早かっ
たということで、注意が必要です。なんといっても2020年のウンカ
の被害は甚大なもの[昨年の新聞記事はこちら↓]。
2020年新聞→
中国・九州地方を中心に水田のイネが約半分が枯れてしまったという農
家をはじめ、なかにはイネが全滅したという農家に加えて、さらには自
家用のコメもさえ確保できないという農家などもいたほどの、深刻な被
害をもたらしました。 ということで当ブログのウンカの記事、19年
分と20年分の再録です。とくに早期栽培では出穂の時期をむかえてい
るということで、よろしかったら ご参考に。
『2019年9月分/ミステリーサークル状の穴を作るトビイロウンカ』
水田のイネの穂がそろったあたりの時期から、あれよあれよというまに
イネの茎が灰白色になって株が倒れ始め、そのうちに遠目でもはっきり
わかるような円形の“窪地状の坪枯れ”ができる・・・
ちょっとした小型の “ミステリーサークル”のように、水田のあちこちに
陥没ができるのが イネの害虫であるトビイロウンカによる被害です。
その穴の大きさですが、今回の写真のケースでは 普通車のトラックが
すっぽりはいるくらい。ですから この虫の発生によるイネへの影響は
大きいものとなり[倒伏しない程度のイネにも発生していますからね]
● 収穫期の終盤ちかくの発生で 3割近くの減収
● 穂がでて30日くらいの発生で 5割近くの減収
● 穂がでてまもなくの発生では 収穫が皆無
という大被害をもたらすことになってしまうのが、現場でのイネをみる
とよくわかります[今回の写真は西都市にて09日に撮影]。
このイネの大害虫であるトビイロウンカ が、ただいま西日本を中心に
大発生。9月10日時点で16の都道府県で注意報や警報が発令される事態
となっていますよ。おそらくは 7月初めの台風などの温湿な南西から
の風に乗って海外から飛来した第一世代の子供たち が、繁殖したもの
だと考えられます。
このように、つぎつぎと世代交代して大繁殖していくトビイロウンカ。
早生種よりも晩生の品種・乾田よりも湿田・ウルチ米よりもモチゴメ
といった具合に被害が大きくなりますので、 心当たりのかたは水田を
よく観察し[成虫で5ミリ弱といったところ]、被害を発見されたとき
には出来るだけ早く関係機関の発表にそった対策を実施されるようにさ
れてくださいね。
なんたって、寄生されたイネは こんな状態 ↓
見るからに 痒そうでゾワゾワ してしまいます。
病虫害被害を軽減するために大切になるのは、なんと
いっても早期発見。被害にあったとして3割減収の場合
では10アール当たり3万円。1haでは30万、10ha
だと300万にもなりますものね~。これがもし壊滅なん
て事態となったらなら、ぞっとします。・・ということで
日常のこまめな観察ってやっぱり大切。。
『2020年9月分/トビイロウンカ発生は今年も』
宮崎県病害虫防除・肥料検査センターは9月01日宮崎県の
全域の普通期水稲を対象にトビイロウンカの注意報を出しま
した。
「8月下旬に県内の41圃場を実施した圃場では、1株当り
の虫数が平年の7.5倍の水準の10.69匹であった」
「なかには1日株当りの虫数が240匹を超えている圃場も
あった」
ということで、過去最大のトビイロウンカ被害が起きた昨
年なみの状況[こちら]が引き起こされる可能性も充分に予
想されますから注意が必要です。
ちなみに 8月20日には佐賀県でトビイロウンカに対す
る警報、8月21日には大分県で警報、8月26日には鹿
児島県で注意報、8月28日に長崎県で注意報がだされて
おり、今後は昨年なみに九州の広い範囲で「爆発的に増え
る恐れがある」ことも予想されますから、
水田をよく観察し 産卵数が多い短翅型[たんし/羽が短い]
雌成虫がみられる場合には、すぐに防除されることをおす
すめします。あわせて昨年被害が大きかった場所も忘れずに
ですね。
ということで今回は、台風被害や塩害もだけれど トビイ
ロウンカの害も、忘れずに対処しましょうというおはなし
でした。
弱った作物個体に集中してやってくるのが、虫
たちの習性/たち。台風害で樹勢が弱ったいまこ
そ注意&ケアが大切です。
「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
6月の野上農相の記者会見において「これからウンカ類の増殖に好適な
高温小雨の気候条件となれば、昨年同様に発生の拡大が懸念される」と
発表されました。農水省によれば6月中旬までにすでに9府県で飛来が
確認され、そのうちの8府県で例年よりもひと月ほど飛来時期が早かっ
たということで、注意が必要です。なんといっても2020年のウンカ
の被害は甚大なもの[昨年の新聞記事はこちら↓]。
2020年新聞→
中国・九州地方を中心に水田のイネが約半分が枯れてしまったという農
家をはじめ、なかにはイネが全滅したという農家に加えて、さらには自
家用のコメもさえ確保できないという農家などもいたほどの、深刻な被
害をもたらしました。 ということで当ブログのウンカの記事、19年
分と20年分の再録です。とくに早期栽培では出穂の時期をむかえてい
るということで、よろしかったら ご参考に。
『2019年9月分/ミステリーサークル状の穴を作るトビイロウンカ』
水田のイネの穂がそろったあたりの時期から、あれよあれよというまに
イネの茎が灰白色になって株が倒れ始め、そのうちに遠目でもはっきり
わかるような円形の“窪地状の坪枯れ”ができる・・・
ちょっとした小型の “ミステリーサークル”のように、水田のあちこちに
陥没ができるのが イネの害虫であるトビイロウンカによる被害です。
その穴の大きさですが、今回の写真のケースでは 普通車のトラックが
すっぽりはいるくらい。ですから この虫の発生によるイネへの影響は
大きいものとなり[倒伏しない程度のイネにも発生していますからね]
● 収穫期の終盤ちかくの発生で 3割近くの減収
● 穂がでて30日くらいの発生で 5割近くの減収
● 穂がでてまもなくの発生では 収穫が皆無
という大被害をもたらすことになってしまうのが、現場でのイネをみる
とよくわかります[今回の写真は西都市にて09日に撮影]。
このイネの大害虫であるトビイロウンカ が、ただいま西日本を中心に
大発生。9月10日時点で16の都道府県で注意報や警報が発令される事態
となっていますよ。おそらくは 7月初めの台風などの温湿な南西から
の風に乗って海外から飛来した第一世代の子供たち が、繁殖したもの
だと考えられます。
このように、つぎつぎと世代交代して大繁殖していくトビイロウンカ。
早生種よりも晩生の品種・乾田よりも湿田・ウルチ米よりもモチゴメ
といった具合に被害が大きくなりますので、 心当たりのかたは水田を
よく観察し[成虫で5ミリ弱といったところ]、被害を発見されたとき
には出来るだけ早く関係機関の発表にそった対策を実施されるようにさ
れてくださいね。
なんたって、寄生されたイネは こんな状態 ↓
見るからに 痒そうでゾワゾワ してしまいます。
病虫害被害を軽減するために大切になるのは、なんと
いっても早期発見。被害にあったとして3割減収の場合
では10アール当たり3万円。1haでは30万、10ha
だと300万にもなりますものね~。これがもし壊滅なん
て事態となったらなら、ぞっとします。・・ということで
日常のこまめな観察ってやっぱり大切。。
『2020年9月分/トビイロウンカ発生は今年も』
宮崎県病害虫防除・肥料検査センターは9月01日宮崎県の
全域の普通期水稲を対象にトビイロウンカの注意報を出しま
した。
「8月下旬に県内の41圃場を実施した圃場では、1株当り
の虫数が平年の7.5倍の水準の10.69匹であった」
「なかには1日株当りの虫数が240匹を超えている圃場も
あった」
ということで、過去最大のトビイロウンカ被害が起きた昨
年なみの状況[こちら]が引き起こされる可能性も充分に予
想されますから注意が必要です。
ちなみに 8月20日には佐賀県でトビイロウンカに対す
る警報、8月21日には大分県で警報、8月26日には鹿
児島県で注意報、8月28日に長崎県で注意報がだされて
おり、今後は昨年なみに九州の広い範囲で「爆発的に増え
る恐れがある」ことも予想されますから、
水田をよく観察し 産卵数が多い短翅型[たんし/羽が短い]
雌成虫がみられる場合には、すぐに防除されることをおす
すめします。あわせて昨年被害が大きかった場所も忘れずに
ですね。
ということで今回は、台風被害や塩害もだけれど トビイ
ロウンカの害も、忘れずに対処しましょうというおはなし
でした。
弱った作物個体に集中してやってくるのが、虫
たちの習性/たち。台風害で樹勢が弱ったいまこ
そ注意&ケアが大切です。
「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」