グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

イネは水管理でつくる/水を温度調節に利用する。

2020-04-01 16:09:31 | Weblog
イネは水管理でつくる/水を温度調節に利用する。

3月中旬からはじまった宮崎県沿岸部の早期栽培のイネの田植えも
終盤に。ということで、今回は イナ作栽培における水の利用例を
ご紹介いたしましょう。

まずは田植前の3月中旬には、植えしろを完成させて水を貯め、水温
を上げておく
ことからイネの水管理は始まります。


ののの イネ作の始まり.jpg



無事に田植えを終わらせた後は、霜対策と風対策のために、やや深水
として苗を守り、



苗が活着したら、分けつ〔イネの株をふやすこと〕を確保するために
晴れた日中は浅水にして、水温をあげることに努めます。



水温があがって分けつがとれはじめていることを確認したら、一度田
の水をすべてを落水して、土中のガス抜きをします。



その後は浅水とし、ひとつのイネのイナ株の本数が26本前後になっ
た5月下旬の時点で1週間程度水を抜く 中干しにかかります〔中干
しは、体づくりの段階の生長から、実をつくる生長に転換させるため
におこないますよ
〕。


ののの イネの転換点.jpg



中干し後の 穂ができる時期の水管理は、水を入れたり・出したりす
る間断かん水をおこないます。



イネの穂が育つ時期にあたる6月10日から6月末にかけては、水を
切らさないように、田に水をいれた状態を保ちます。



そして6月25日前後に、めでたく出穂となります。



出穂がすんだ7月は、暑さがきびしい時期にもあたりますので、あま
りに気温が高いときには、水をかけ流しにして気温の上昇を防ぎます


ののの 次世代への希望.jpg



イネ刈り前の最終的な落水は、〔水持ちが良い・わるいといった〕田の
状況でちがってきますが、コンバインの作業がしやすい乾く田であれ
ば、極力 落水を遅らせます。



例年であれは、7月末にイネ刈り です。


といったわけで今回は、生育初期には主として田を保温する手段とし
て、そして 生育後期には 主として田を冷却する手段として用いら
れる水田の“水”についての、おはなしでした。


晴れ まあしかし、イネっていう作物は 素晴らしいですよね。3月
  下旬にうえられた3キロほどの稲のタネが 7月の末には
  〔うまく管理すれば〕600キロ以上のおコメになるというわけ
  ですから。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業「 本当は危ない有機野菜