グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

土は肥えればよいというものではない。

2013-10-11 02:04:31 | Weblog
土は肥えればよいというものではない。

土に栄養が過ぎる状態が続くと・・・つぎのような症状が作物に表れる
ことが ままあります。

 ● サトイモの丈が伸びるがイモがならない
 ● ミカンを植えたが、花が咲かない
 ● サツマイモのつるだけがのびる
 ● イネの丈が 伸びすぎる
 ● 穂の出が遅れ、刈り取り前に倒伏した
 ● お花の咲く時期に花がこない

作物は、養分があればあるほど、そこにある肥料分を吸っちゃう。
その生育は 身体を大きくする方向へ進んでしまう。

だから上記のような状態にもなるのです。

こういった状態は「樹ボケ」や「ツルボケ」とよばれてきました。

では こういった症状を防ぐには、どんな手立てをとるべきなので
しょう。

それは 必要な肥料分しかやらないことです。よけいな肥料分をやらな
いということ
でもあります。

その方法ですが、たとえば最初に土の検査をやって、その作物にとって
の 必要な養分だけ〔作物それぞれの基準値があります〕を施しておく
という方法があります。

また、作物の生育にあわせて肥料を分けて施していくのも手です。

 植付け前にある程度施して
 ↓
 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり
 ↓
 花芽がつきはじめた時点から
 ↓
 植物が利用できる程度に少しづつ
 ↓
 生育に合わせて肥料 を施していく

というやり方ですね。この方法は手間はかかりますが、まずまちがいの
ない収穫があります。

・・・こういうふうな作物が利用できるくらいの適度の養分を施してい
くやり方が、けっきょくのところ 植物にとっても・人にとっても、も
ちろん自然環境的にも やさしいやり方
ではないかと思うんです。

さて、そこで・・・「有機」なら話は別だろうと考えているあなた。

有機資材〔たい肥や生ゴミが原料の〕の元肥一発大量施用が、樹ボケ・
ツルボケをひきおこす危険性はじつは一番高いんです。注意されてくだ
さいね。

またこれは実のなる作物の話ばかりにはとどまりません。たとえばホウレ
ンソウやコマツナとかの葉もの野菜の場合でもおなじです。この場合は、
作物の体の中の硝酸が過剰になる場合もありますから、気をつけてくだ
さいね。


◎ 有機資材を多施用する場合におこりがちなおはなしについては
  こちら と こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染