グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

『除染には客土という手も。』

2012-03-24 01:37:32 | Weblog
『除染には客土という手も。』

土の表面をはぐのがいちばんいい」という除染作業に関する2011年の8月の
ニュースを聞いたときに、この作業で発生するであろう膨大すぎる土のイメージ
具体的に表した回
 に続いて、普段から“土”に関することの多い農業関係者
として思うにいたったのは、「剥ぎ取るよりも盛り土するのが簡単であり現実的
ではないのか
」ということでした。
6け月経過したいま、今回はその9月分の再掲載となります。よろしかったら、
ご参考に。

 ↓

『出来の悪くなった土地に、新しい土を搬入するという農業技術』

新しい土地の圃場では作物がよくできる」・・・これは良い営農成績
をあげておられる農家さんに共通の認識です。

土地の土壌の分析をしてみても、それははっきりと確認することが可能
あり、そのような土地でよく見受けられる特徴は

  全体的に土の養分が不足傾向にある 
  土の構成成分であるミネラルのバランスがとれている

ということになります。

そうなんです・・・あるミネラルが極端に不足したとした場合、対策と
してその不足したミネラルを補足していけばよいわけですから、 まあ
わかりやすい話ですよね〔ヒトで考えれば、痩せている方では とりあ
えず食べてもらえばよいわけですから
〕。

問題は、、長年の耕作による影響

  全体的な土の養分が過剰傾向にある 
  養分のいくつかが過剰にあり、ミネラルのバランスがとれない

ときです。

たとえば、植物の生育に良いからといって、あるミネラルばかりを過剰
に、何回も・何年にもわたって施用すると、ミネラル間のバランスが崩
れ、それぞれのミネラルの間で反発がはじまる
ことがあるんです〔拮抗
作用
とよばれますよ
〕。
そうなんです、肥満と、それに伴う減量となると、これはとにかく大変
なんです〔これは人の場合でも同じですよね〕。

そして、対処法です。まずは

  過剰になりすぎた特定のミネラルをやらない

という方法があります。ただし、この方法では、作物を作りながらとな
りますので、これに伴う技術もむずかしいし、時間もかかることになる。

そこで、もっともてっとりばやい方法として、昔から行われているのが、

山土などの、痩せてはいますが ミネラルに富んだを土を、問題の出た
土地に搬入する
という方法があります〔土を土壌改良剤として利用する
わけですね〕。実際の農業の現場では、ハウス10アール当たりに数十
トンの山土を搬入したなんて話は、よくある
んですよ。

ということで、文中の過剰になりすぎた特定のミネラルという部分が、
今回のセシウムにあたる
わけです。

現在、始められた除染作業について、たとえば

 ● 大量に剥ぎ取る土が出るが、その保管先がみつかりにくい
 ● 使用された水の流れ着いた先で線量が数倍に高まる可能性がある


という2つの問題が報道されています。いわゆる除染作業が結果的に放
射性物質を周囲に広げるのではないかという点が懸念されているわけで
すね。

そんなときにおもいあたったのが、この

『出来の悪くなった土地に、新しい土を搬入する』という、『客土』とよばれ
る土壌改良法
であるわけです。簡単に言えば問題のある土地に新しい土
を搬入することで 問題を“薄める” という行為あったわけなのです。

問題が解決するわけではありませんが、〔汚染の程度の軽い土地では
とりあえずの現実的な対応策として使用できるケースもあるのではない
でしょうか。


▼ とりあえずの対策ではありますが、剥ぎ取るよりも盛り土をするほうが、
  作業効率はよい
もの。それはセシウムによる二次汚染をすこしでも軽減
  することにつながります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染





『除染作業で取り除く土って、ほんとうに大量になります』

2012-03-23 21:57:25 | Weblog
『除染作業で取り除く土って、ほんとうに大量になります』

土の表面を剥ぐのがいちばんいい」という除染作業に関する2011年の8
月のニュースを聞いたときに、普段から“土”に関することの多い農業関
係者としてまず思ったのは、この作業で発生するであろう膨大すぎる土の
イメージでした。そこであくまで具体的に、「1メートル × 1メートル 
の面積の土地の、土の量」の説明
からはいったのがこの回でした。
6け月たったいま今回は当時を検証する意味で、その再掲載第一回となり
ます。よろしかったら、ご参考に。

 ↓

『除染作業で取り除く土って、ほんとうに大量になります』

『放射性物質:取り除くには…地道に土の表面はぐ』という ニュースを
みました。 こちら 。

このニュースを聞いて最初に頭に浮かんだのが、大量にでる土の映像でし
した。

そうなんです、作物栽培指導という仕事がら一般的な農業における田畑の
土の入れ替えなどに立ち会うことも多いのですが・・・そのときに実感する
のが“土というものは、とにかく大量にでる”ということなんです。
 
たとえば、

深さを 1センチ と すると

● 1メートル × 1メートル の面積の土地の、土の量は 10キロ
● 1坪当たりの土の量は、33キロ

になります。

深さを 10センチ にすれば

● 1メートル × 1メートル の面積の土地の、土の量は 100キロ
● 1坪当たりの、土の量は 330キロ

に なります。

同じように、深さを15センチ にすれば

● 1メートル × 1メートル の面積の土地の、土の量は 150キロ
● 1坪当たりの、土の量は 495キロ

と、なります。

試しに、あなたのお宅の庭の面積や、家屋の坪数をかけてみてください。
土というものは、とにかく大量にでる”ということがわかります。

そのような現実の土の量を推測することで、確実にいえること。それは、

 まず 人力だけでは、とても無理だ

ということ。“土の入れ替え”には、当然のことながら〔ユンボや大型ダン
プといった〕重機がかかせない大掛かりな作業
になるということ。

そしてもうひとつ、

 とても時間がかかるだろう

ということです。


▼ 〔この土の量を考えれば〕放射能汚染の・放射線被曝の問題は、
  5年・10年、さらにその先へと続く、文字通り「長期戦」を覚悟して
  取り組むべき課題となりそうですね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染




まずは海外で発表し“後は流れでお願いします”?

2012-03-22 22:12:36 | Weblog
まずは海外で発表し“後は流れでお願いします”?

またまた 野田さんがまず最初に海外で発言し、“外国と約束
しちゃったんだもんね”とばかりに、したり顔で政治を進めて
いくのかとおもうと、いいかげん うんざりしてしまいます。
恒例となった海外先行発売の 野田ドクトリン って、いったい。

というわけで、昨年の11月の当ブログですが・・・そのまん
ま再掲載です。だって状況がまったくおなじなんですもの/苦笑。

 ↓

『まずは海外で発表し、後は流れでお願いします?』

ほとんどの野党や、連立を組む国民新党の反対、さらには
自らの所属する民主党の“慎重対応”するようにとの提言
をよそに 〔 こちら 〕、

一部報道にみられるように、
それでも 野田総理が、自らの政治判断で、消費勢上げに続
いて、TPPへの参加に対する表明を国際舞台でおこなった

というのであれば、 

野田総理の政治手法は、『独断・横暴と厳しく批判された
菅直人前首相』以上に 独断・横暴
 なものだといえますね。

 低姿勢で、議論と対話を重視する

といいながらだけに、よけいにワンマンぶりが際立ちます。


▼ こういうやり方には、やっぱり のださんのださん
  〔野田さんの打算〕っていいたいです。

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TPP交渉参加に関する政府説明会が各地で開催中。

2012-03-16 23:00:21 | Weblog
TPP交渉参加に関する政府説明会が各地で開催中。

全国の市町村長会が、TPP交渉に参加することに反対の姿勢を示して
いるという状況の中で、『TPPに関する政府説明会』が全国で開催さ
れています。
たとえば 2月7日には 高知、2月16日には 宮崎、そして3月15
日には 鹿児島で開催といった具合です。

ちなみに宮崎大会には、説明者として 内閣官房内閣総務官室企画官が、
随行者として 内閣官房副長官補付内閣官房主査と、 農林水産省国際
経済課国際交渉官が出席されましたよ。

そのような政府説明会において、気になるのは会の内容ですが、

10年以内にすべての関税を撤廃するのが原則」など、これまで日本
が守ってきた分野に重大な影響があることは否定しないという説明は、
まあわかるとして、

会における説明のあとの質疑内容でどうしても気になってしまう部分で
あることで問題となっている混合診療や政府調達や農業などの分野につ
いての質疑の回答に

 「明らかでない
 「対象となる可能性は否定できない
 「さらなる約束を求められる可能性はある
 

といったTPPを語るうえで定番になったともいえる言葉を説明として用
いることの多い回答には、正直いって落胆させられました。さらにダメ
押しには、こんな 常套句です。いわく・・・

 「議論にはなっているが、首相は守ると言っている

なんですもの/笑〔まるでひとごとですよね〕。

しかし、そんな会の内容であってもですね、参加して確信したことは
ありました。それはこの会についての認識です。

 会の内容がお粗末すぎると、「内閣によるTPPのPRの場であるは
 ずの説明会」は、県民あげてTPPに反対する姿勢を政府に示す会


に変貌しまうという事実です。これを知ったのは収穫でした。

ちなみに鹿児島の説明会を伝えたニュースは こちら 。


▼ とはいったものの会を重ねるうちに、内容が進化するやもしれません。
  お近くで開催される場合は、ぜひ、あなたも ご参加を。

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TPPへの参加に反対する特別決議〔全国町村長大会〕

2012-03-16 22:46:54 | Weblog
TPPへの参加に反対する特別決議〔全国町村長大会〕

2011年12月の記事ですが、次回分の資料として再掲載です。

 ↓

12月01日におよそ1500人が出席して開催された全国町村長大会にお
いて、会は政府が協議入りを決めた環太平洋連携協定(TPP)への参加に
反対する特別決議を採択
しました。

「不十分な情報開示や社会や経済への影響の見極めもないまま、国民の
不安や懸念をよそに『平成の開国』といったムードに流された議論ばかりが
先行している。今のままでは、地域そのものの崩壊につながっていくとしか
考えられない」という考えに基づくものです。

これは10月29日の常任理事会・政務調査会でのTPP参加の撤回を求め
る緊急決議と、11月4日の決議の政府への要請につながるものとなります。

来賓として出席していた野田総理大臣は、このTPP問題に関して、

「交渉参加に向けて、政府が近く関係国と事前協議に入ることについてアジ
 ア太平洋の成長力を取り込む観点から、今後、十分な国民的な議論を経て、
 あくまで国益の視点に立って結論を得たい」

と、いつもどおりの〔 まじめではあろうけれど、どこかがずれていると揶揄
されることの多い〕主張
を述べられたということです。

・・・それにしてもです。

こういった町村長会の動きをとりあげたマスコミのニュースの少なさといっ
たらどうでしょう。「日本の美しい農村を守る」とした野田総理の言葉に登
場するその美しい農村の、現場の長たちの言葉
であるというのに。

また、せっかくとりあげてくれたのはいいのですが、NHKのニュースの表
題も拍子抜けせざるを得ませんでした。
「首相 町村長にTPP理解求める」なんですもの。ここはやっぱり「全国町
村長大会においてTPPへの参加に反対する特別決議を採択」といってほし
かった
なー。

◎ 関連記事 
「苦言を呈する人が、苦言を呈された話し」は、 こちら 。
 宝塚のかっこいい男役を連想した、佐藤ゆかりさんの国会質問は こちら 。


▼ だからでもないのですが、こんな話し は、できるだけ多くの
  みなさんに知っていただきたいですよね。

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