朝起きてみると案の定、雨風が強くたいへんなことになっていた。ここで活躍するのがモンデルのポンチョ。しかし、たいへんな暴風雨。とにかく前を向いて歩けない顔を下に向けて歩く状態。もんじゅどおり駅から住宅地を通り五台山にある牧野植物園内を抜け31番札所竹林寺へ。途中の植物園では雨風のため立ち止まって観賞なんてとんでもない。本来だとゆっくり歩いて観たいのだが・・・ようやく大きな石畳の階段を上がり境内に。五重塔も風雨にさらされ滝のような雨が降りかかっている。打ち終えて納経所で休憩。この雨でも歩いている人がけっこういて外人さんも三人いた。皆、ずぶ濡れで大変しかし、雨にも風にも負けず次の札所をめざす。ご苦労様・・・
暴風雨の高知遍路 各札所
この後、32番札所禅師峰寺までは海からの風雨でなかなか前に進むことができない。トンネルの中は風雨に当たらないと思ったがとんでもない。風で押し戻されるしまつ。水しぶきを上げて車は通るし危険極まりなかった。禅師峰寺を打ち終えまだまだ収まらない暴風雨の中、種崎の渡船場へ。予定では瀬戸大橋を渡り桂浜へ行くわけだったがこの天候では行くことができず中止。今度来た時に(いつのことやら)・・・観光ばかりやっているので天罰が・・・
渡船場まではあ2㌔強ようやくたどり着くが、とにかく足が痛い。出発までは時間があるので船渡の待合室でテーピングをほどいて足のマッサージ雨でふやけている。とにかく痛てーーー。
この種崎渡船は高知県でやっていて無料。これも遍路道の中に入っているのだ 昔は舟を漕いで渡っていたのだ。
時間になってきたのか待合室にだんだん人が集まってきた。その中で埼玉から来た女性遍路がまだ宿が決まってなかったので、対岸の高知屋の電話番号を教えてあげた。電話を掛けたが3階の部屋しか空いていない、足が痛いので3階までは上れないというので断った。他の宿に掛けても満室だったので高知屋に再度電話を。聞いてみると足を痛めて歩けなくなってしまったそうだ。湿布薬や道端のアロエだの色々試してみたがダメとのこと。出発の時間が来たのでフェリーに乗船し浦戸大橋を見ながら対岸の長浜に渡る。ここにきてようやく晴れ間が見えてきた。今まではなんだったのか。
フェリーから浦戸大橋を望む
33番札所雪蹊寺を打ち向かいの高知屋に到着。晴れたので桂浜観光に出かけようとしたが、足が痛くてその気になれない。風呂に入って休むことにした。夕食の時、ジャンボタクシーで巡っている遍路さんから「福島から来たんですか」と声を掛けられる。「なんでわかんの」と言ったら、「懐かしい言葉だったので」とのこと。偶然にも郡山湖南の人と、いわきの人。今は結婚して東京に住んでいるとのこと。ビールのお接待を受けそのごはいわずと知れたこと。
朝出発の時、女先達から「只者でないですね」といわれたれ、「お仕事は何をしているのですか」と聞かれ「家事手伝いです」・・・一期一会を大切に、お互い笑顔でお気をつけて・・・
昨日の足を痛めた彼女はリタイヤ。荷物をまとめて埼玉に帰るとのこと「今度来る時は計画を立てマイペースで歩くように」と一言。そこで夕食・朝食時、寡黙な一人の男性遍路に逢い後日一緒に歩くことに。高知屋は新しく洗濯もやってくれる、ただ洗濯物が紛失・・・あとで部屋に「ありました」と持って来てくれた。総合的にみて良い遍路宿だった。
高知屋2階から 33番札所雪蹊寺