福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

Instagramに挑戦 ベートーヴェン「7番」よりの動画をアップロード

2021-04-22 00:50:00 | コンサート
インスタ映えという言葉は知っていても、Instagramとは無縁に暮らしてきたわたしであるが、「いまやFacebookやTwitterは若者に流行っていない。Instagramを始めるべし」とのアドバイスを複数受け、遅ればせながら取り組むことにした。

まずは、4.17コンサート直前に集客のためにリハーサルの様子を披露しようしたが、これが四苦八苦。パソコンで編集した動画をパソコンから直接、何度試みてもアップロードに失敗してしまうのだ。様々な投稿要件は満たしている筈なのだが・・。

致し方なく、パソコンで再生したものをスマホで撮影し、さらに往年の巨匠の記録のようにモノクロ化してアップロードしたものがこれ。15秒以内という制約のあることも、はじめて知った次第。

リハーサル初日 ベートーヴェン「7番」フィナーレより

コンサートは既報通り、大成功に終わったが、そのご報告としてアップロードしたのが以下である。15秒以上の長尺の動画を上げるにはどうしたらよいのか調べたら、IGTVというスタイルを選べば可能だと知る。ただし、今度は60秒以上必要というから、いろいろ面倒くさい。

コンサートのご報告として、ベートーヴェン「7番」フィナーレ、上のモノクロ動画と同じ部分を選んでみた。
舞台上手(かみて)奥に置いたビデオカメラの映像であり内蔵マイクの音で、もちろん正面から聴いた音とは違ったバランスで聴こえる。
https://www.instagram.com/tv/CN3zzb8pFDh/?igshid=8n5ouvkmzk7j

もう一本は、同じくベートーヴェン「7番」より第1楽章のラスト1分ちょっと。二階席左サイドのバルコニーより撮影したもので、やはり、音と映像はビデオカメラのもので、けっして良い音ではない。

先日の記事で触れたスケルツォのトリオに於ける「音の柱」は、あまりに巨大で、ビデオカメラのマイクには収まるものではなかった。ゆえに皆様に公開するのは、CD用の音源が届いてからとなりそうである。

というわけで、はじめてみたものの洗練には程遠い投稿ばかり。だが、Instagramにアップロードすると、設定次第で自動的にFacebookやTwitterにも投稿されるため、手間がほぼ変わらずに助かっている。

「ジュピター」やアンコール2曲からも、何箇所かアップしたい場面があるのだが、ただいま大フィル定期を控え大阪に滞在しているため、作業ができないでいる。しばしの辛抱である。


珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン 無事終演

2021-04-18 16:34:00 | コンサート

昨日、4月17日(土)福島章恭シリーズ2「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」、無事に終演致しました!
コロナ禍という外出しにくい環境の中、多くのお客様にご来場頂いたことを心より感謝致します。

”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig" というサブタイトルとおり、モーツァルトとベートーヴェンの音楽によって、ささやかな日常の歓びを取り戻したい、音楽の素晴らしさを再認識したい、という願いを込めて演奏会を企画しましたが、聴衆の晴れやかなお顔を拝見し、「ああ、やってよかったなあ」としみじみと感じているところです。実際、演奏を聴きながら涙が止まらなかった、という声がいくつも届いております。それだけ、人々の心が乾き、音楽に飢えていたという証かも知れません。また、音楽にはそうした心を再生する神秘の力があるということでしょう。

今回は、ベートーヴェンの交響曲を振る最初の機会になります。少年時代、はじめて「運命」「第九」を聴いたときの衝撃、あの感動の大きさが今もなお継続しているからこそ、今日も音楽を生業としているわけであり、ブルックナーという絶対的な作曲家を知ったあとでも、ベートーヴェンは至高の存在であり続けています。その不滅の作品を振るということは畏れ多い行為ではありますが、挑戦したいという衝動は抑えきることができませんでした。

今回、自らに課したミッションのひとつは、「スケルツォ」を克服すること。
「7番」は、もちろん大好きな作品ではありますが、「スケルツォ」は演奏次第では単調、冗長に陥りやすいのも事実。そこで、わたしは、全リピートを敢行しつつ、一瞬たりとも退屈な瞬間のない音楽づくりを目指しました。そして、それは達成できたと自負します。それが出来たのも、マタチッチ最後の来日公演で聴いた「7番」の感動を、皮膚感覚で憶えていたからでしょう。あの記憶が、わたしの心を鼓舞してくれました。

と、自ら書いたところで自画自賛となりますので、わたしのブルックナー8番でコンマスを務めてくれた愛知祝祭管の高橋広さんの文章(Facebook「丹沢ブルックナー楽友協会」)をご紹介しておきましょう。奇しくも、スケルツォへの似たような想いが綴られているのが愉快です。
(なお、Web版で閲覧される方のために、改行のみ、こちらで追加しました)

本日4月17日の福島先生の演奏会の感想を友人限定タイムラインにアップしたところ、同じ演奏会に来あわせた友人から、「折角だから『丹沢ブルックナー楽友協会』カテゴリに転載したら?」とコメントを頂いたので、友人が登場する部分など一部カットして掲載致します。
~~~~~
今日は、奇跡のような演奏体験となった愛知祝祭のブルックナー8番(2014年)を指揮して下さった福島章恭先生の自主公演を神奈川県橋本まで聴きに来ました。コンマスを務めるテアトロ練(名古屋テアトロ管弦楽団)とかぶっていたこと、コロナの状況、距離などがあり、前日まで迷いに迷いぬいたのですが、やはりあのとてつもないブルックナーを振った福島章恭という漢(おとこ)が、今どんな境地に到達しているのかをどうしても自分の耳で確かめたく、さらにこんなアゲインストな時期に敢えて自主公演を行う心意気に打たれ、結局テアトロ練前半を休ませてもらい、こちらに参加することになりました。
前プロはフィガロの結婚序曲。曲調と小編成オケであることから、さすがに巨大な演奏ではないものの横振りを多用されることによる音楽の流れや生命力が横溢する快演でした。
続いてジュピター交響曲。モーツァルトの交響曲の中でも最愛の作品であり、今回一番楽しみにしていた曲でもあります。これも愛知祝祭とのブルックナーのような巨大さはないものの、ややゆったり目のテンポの中で、実に深い呼吸感で自然に、豊かに、深々と鳴り渡ります。弦の人数は6-6-4-3-2という極めて小編成ながら、全くそれを感じさせない大らかで充実した響きがホールを満たしました。いや、小編成ながらというよりは、この編成だからこそ出来る最良のサウンドを見事に引き出し、かつオケも福島先生の意図を微細な点までしっかり汲み取り、ベストな演奏でそれに応えていたというべきでしょう。そしてティンパニとトランペットが実にいい仕事をしており、闇雲に存在をアピールするのでなく、普段はしっかりと音楽の隈取りをつけながら、ここぞの場面では文字通り乾坤一擲のサウンドでハッとさせる頂点を作り上げてくれました。最後列中央に位置するティンパニ奏者の井手上氏と福島先生の一本の太いラインが音楽を壮麗な高みへと牽引していく様は圧巻でした。特にどこまでも昇りつめていく終楽章の、決して踏み外したり割れたりすることなく、しかし凄まじい熱量で高揚していく様は、大オーケストラを指揮する往年の大巨匠の演奏に些かもひけを取らない、偉大な演奏でした。
休憩後はいよいよメインのベートーヴェン交響曲第7番。実は個人的にはベートーヴェンの交響曲中一番好きじゃない作品で、しかもあのジュピターの偉大な名演の後だけにかなり分が悪かろうと心配していましたが、第一楽章の第一音目でその懸念が吹っ飛びました。前半のモーツァルトとは全く違うストレートでシャープな、鮮烈なサウンドが鳴り響いたのです!ジュピターではフィナーレの最高潮の箇所でも決して出さなかった突き抜けるサウンド。前半だけでは分かりませんでしたが、モーツァルトの際は、極限まで薄い紗幕で包まれたような夢幻的であったオケのサウンドは、後半になって一変したのです。これだけ違うサウンドを引き出した福島先生の指揮も魔術的なら、それに完璧に応える東京フォルトゥーナ室内管弦楽団もスゴい!第一楽章序奏部からオケの決して力みはない力強さが見事で、低弦は上述の如くチェロバスで5人しかいないはずなのに、豊かで濃く熱いサウンドで福島ベートーヴェンの土台を磐石なものにしていました。続く第二楽章見事で、福島先生を含め36人が一つの有機体となってこの楽曲の核を演奏している感がありました。冒頭の方でチェロが旋律を演奏する箇所の subito p はゾッとするほどの緊張感であり、隣に座っていた聴き巧者の友人はここでブルッと体を震わせていたほどです。第三楽章は僕が一番苦手なところで普段は往年の巨匠の録音を聴いている時さえ冗長さを感じてしまうのですが、今日は退屈する暇もありませんでした。モーツァルトでも書いたここ一番のティンパニとトランペットのサウンドも、さらに鮮烈さをもって見事に決まっていました。そして遂に終楽章。ここはテンポとしては巨匠風というよりはむしろ速めで圧倒的な推進力と生命力が溢れだしていましたが、中盤の高弦と低弦が掛け合う箇所のドラマティックなルバートは、福島先生が外面的には現代的な演奏スタイルながら内面は往年の巨匠の風格も併せ持っていることをよく示していました。そしてラストはさらにテンポをさらに追い込みつつ巨大で熱狂的な音楽となって終結しました。この小編成で、しかもチェリビダーケのような遅いテンポでもないのに、フル編成のベルリンフィルの実演に接した時に勝る壮絶な体験でした。
アンコールの洒落ていながら極めて明晰なピチカートポルカ、そして愉悦感に満ちたラデツキー行進曲は、明るく楽しく生きよう!という福島先生のメッセージが深く胸に届きました。
福島先生、素晴らしい演奏会を本当に有難う御座いました!

相原千興さん率いる東京フォルトゥーナ室内管弦楽団メンバーへの謝辞も書きたいのですが、些か長くなってしますので、別の記事に書きたいと思います。


カルロス・クライバーに捧ぐ ポルカ「雷鳴と電光」(ヨハン・シュトラウスⅡ) 音質改善版

2021-03-30 13:28:49 | コンサート

ニューイヤーコンサート《ウィーンの花束2020》福島章恭 コンサートシリーズvol.1

ヨハン・シュトラウスⅡポルカ「雷鳴と電光」 
(カルロス・クライバーに捧ぐ)

指揮:福島章恭
東京フォルトゥーナ弦楽合奏団(コンサートマスター相原千興)

2020年1月5日(日)
 大和市文化創造拠点シリウスやまと芸術文化ホール

「ウィーンの花束2020」からの音質改善第2弾は、ヨハン・シュトラウス2世の「雷鳴と電光」です。

「雷鳴と電光」といえば、カルロス・クライバーの十八番ですね。
わたしもバイエルン国立管との来日公演(東京文化会館)のアンコールで聴いて、興奮したのを覚えています。
興に乗ったクライバーが、途中から右脚をブラブラさせながら指揮をしていたと記憶しますが、色気満点、格好良かったですねぇ。心底痺れました。

「ウィーンの花束2020」では、それぞれの演奏を「敬愛する指揮者に捧げる」という趣向でしたが、この演奏を「カルロス・クライバーに捧げる」とするのは必然でした。
もっとも、わたしが勝手に捧げているだけであり、クライバーには甚だ迷惑なことに違いありません。クライバーを愛する皆様、誠に申し訳ございません!

ところで、雷鳴と言えば大太鼓。
笛やラッパ、太鼓もなしの弦楽アンサンブルで、この曲の面白さを出すのは難しいところがありましたが、コントラバスのお二人に「何やら雷鳴らしき音をください」とお願いしたところ、見事に奏してくださいました! その妙味をお楽しみいただければ幸いです。

福島章恭シリーズ2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"

2021年4月17日(土)
13時30分開演(13時開場)
JR横浜線・京王相模原線 橋本駅北口
ミウィ橋本7階
杜のホールはしもと

プログラム
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92

福島章恭 指揮
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団
(コンサートマスター:相原千興)

全席指定:4,500円 (2月15日(月)発売)

主催:かもっくす音楽舎 

チケットお申し込み・お問い合わせ
かもっくす音楽舎
Tel & Fax: 042-799-0182
E-mail: akiyasu.concerts@gmail.com

チケットぴあ tel: 054-02-9999  (Pコード: 191626) 
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2033917&rlsCd=001&lotRlsCd=

ちけっとMove(相模原市民文化財団) tel: 042-742-9999
http://move-ticket.pia.jp/

主催 かもっくす音楽舎
後援 やまと国際オペラ協会、丹沢ブルックナー楽友協会
協力 一般社団法人 国際親善音楽協会(IGMEA)

 


チャイコフスキー:弦楽セレナード  第1楽章 音質改善版アップしました

2021-03-29 19:06:05 | コンサート

福島章恭コンサート・シリーズVol.1 ニューイヤーコンサート"ウィーンの花束2020"

2020年1月5日(日) 13:30​ 大和市文化創造拠点 シリウス 芸術文化ホール
チャイコフスキー 弦楽セレナード ハ長調 作品48
第1楽章: Pezzo in Forma di sonatina; Andante non troppo - Allegro Moderato
 
福島章恭 指揮 
東京フォルトゥーナ弦楽合奏団 (コンサート・マスター:相原 千興)

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ 第1楽章(音質改善バージョン) 福島章恭 東京フォルトゥーナ弦楽合奏団

福島章恭コンサート・シリーズVol.1 ニューイヤーコンサート"ウィーンの花束2020" 2020年1月5日(日) 13:30​ 大和市文...

youtube#video

 

4月17日(土)の「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」コンサートを控え、昨年のニューイヤーコンサートの動画から、いくつかを音質改善することにしました。
その第1弾は、チャイコフスキーです。
 
前回の全曲動画では、家庭用カメラの内蔵マイクの音でしたが、今回はワオンレコードさんによるワンポイントマイク録音に入れ替えました。
当日の愉しい雰囲気を、臨場感豊かにお楽しみいただけると思います。
 
来たる4月17日(土)杜のホールはしもとに於けるコンサートでは、
このアンサンブルに管打楽器を加え、モーツァルト「フィガロ」序曲、「ジュピター」、ベートーヴェン「7番」を演奏します。
どうぞ、ご期待ください。

福島章恭シリーズ2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"

2021年4月17日(土)
13時30分開演(13時開場)
JR横浜線・京王相模原線 橋本駅北口
ミウィ橋本7階
杜のホールはしもと

プログラム
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92

福島章恭 指揮
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団
(コンサートマスター:相原千興)

全席指定:4,500円 (2月15日(月)発売)

主催:かもっくす音楽舎 

チケットお申し込み・お問い合わせ
かもっくす音楽舎
Tel & Fax: 042-799-0182
E-mail: akiyasu.concerts@gmail.com

チケットぴあ tel: 054-02-9999  (Pコード: 191626) 
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2033917&rlsCd=001&lotRlsCd=

ちけっとMove(相模原市民文化財団) tel: 042-742-9999
http://move-ticket.pia.jp/

主催 かもっくす音楽舎
後援 やまと国際オペラ協会、丹沢ブルックナー楽友協会
協力 一般社団法人 国際親善音楽協会(IGMEA)





3度目の正直!モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ハイライト&レクイエム 無事終演!

2021-03-16 11:33:32 | コンサート



先週末3月13日(土)「やまと国際オペラ協会創立5周年記念演奏会」モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ハイライト&レクイエム を無事に終えることが出来ました!
昨年2月26日、本番3日前の通し稽古の朝に無念の延期が決定され、8月に予定された延期公演も見送り、三度目の正直の開催となりました。

主催者はじめ関係各位のご苦労は並大抵のものではなかったと思われます。
心より労い申し上げます。

「創立5周年」という節目の公演の指揮者として、わたしを任命してくださったことに感謝致します。
会長である長谷部浩士さんとの厚い信頼と友情関係によるものではありますが、「オペラの指揮」について未知数であったわたしに賭けてくださったことは誠に有り難く、その期待を裏切らないように臨んだつもりでおります。その結果、公演を盛り立てることの出来たのは幸いでありました。

また、日々の合唱稽古に於いては、「コーラスを鍛え上げてください」との勅命を授かったわけですが、それについても、最低限の責任は果たせたのではないか? と自負します。
合唱団の皆さんは、発声も音程もバラバラで収拾のつかなかった状態から、皆さん、よくあそこまで頑張られたと思います。
日々の進歩をとても嬉しく感じておりました。

有料配信はこちら! 
 https://eplus.jp/yioa/ 
3月17日 午前10時 ~ 3月23日 午前10時 何度でも視聴可

「ドン・ジョヴァンニ」については、素晴らしき歌手陣と演出家に恵まれ、秀逸なパフォーマンスとなりました。
タイトルロールである井上雅人さんは、ただの悪役ではないドン・ジョヴァンニのキャラクターを入魂の演技で歌い究め、レポレッロ役のデニス・ビシュニャさんは無尽蔵のエネルギーでもって、レポレッロの悲哀を見事に演じてくださった。
ドンナ・アンナの刈田亨子さんはアンナの誇り高さを、ドンナ・エルヴィラの西谷衣代さんはエルヴィラの燃え盛る情念を、そして、ツェルリーナの馬原裕子さんはツェルリーナの男殺しのコケティッシュな魅力を存分に振りまいてくださった。
マゼットの平尾弘之さん、ドン・オッターヴィオの渡辺大さんも、それぞれの立場で男の弱さ、悲しさ、愛しさを微笑みと共に演じてくださった。
騎士長である、長谷部浩士さんの貫禄も申し分なし。協会会長というお立場で、運営面だけでも相当な労力と思われる中(当日だって雑用だらけ・・・)、本公演に賭ける想いの熱さが、かくも激烈な地獄落としへと繋がっていたと思われます。

忘れてはならないのは、中津邦仁さんの趣味の良い演出でしょう。
予算はない、舞台装置も殆どない、音楽は割愛されているという、ないない尽くしの中から作品の本質をグイッと抉りだした見事な演出をしてくださっています。喩えるなら、玉子もないのにどうやってオムライスを作るか? という離れ業をなさっているわけです。「制約の中にこそ無限の自由がある」の典型であり、敬服しているところです。

最後にオーケストラの好演にも触れておかねばなりません。
前日と当日だけで仕上げるという厳しい時間的条件、さらにパーティションだらけでコミュニケーションの取り辛い劣悪な環境の中、見事に演奏しきった集中力と献身ぶりにはただただ感謝するのみです。コンサートマスターの相原千興さんのリーダーシップの賜でもあり、重ねて感謝致します。

さて、本公演をもう一度味わいたい、会場には行けなかったけど観たい、聴きたい、という方のために、配信が用意されました。
いまや、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場を筆頭に、世界でもトップクラスのオペラが配信で鑑賞できる時代ではありますが、上記の理由から、観ても損のない、魅力ある映像であると確信致します。

3月17日 午前10時 ~ 3月23日 午前10時の間、何度でもご覧いただけます。どうぞ、お楽しみください。

お求めは https://eplus.jp/yioa/ で!
3月23日 午前0時まで 購入可能です。

どうぞよろしくお願いいたします。


追加情報あり「ベートーヴェン7番ブレンド」ラベル 来たる ~ カフェえんぴつ猫さん

2021-02-26 19:06:59 | コンサート


♪お知らせしたばかりの記事ですが、堀マスターより「ベートーヴェン7番ブレンドは、3月第1週中に発送します!」
との嬉しい知らせが入りましたので、ここに書き添えておきます。

「自家焙煎コーヒー カフェえんぴつ猫」の堀マスターより、珈琲で応援コース「ベートーヴェン7番ブレンド」のラベル・デザインが送られてきました。
いつもながら、なんともお洒落ですね。
「ベートヴェン名言Tシャツ」のデザインにも採用した”Durch Leiden Freude"(苦悩を突き抜けて歓喜へ)に光を当てるとともに、
珈琲好きだったベートーヴェンの「60粒」逸話を文字にしてくださっているのも素敵です。豆を数えるルートヴィヒ様のお顔の表情も、気難しすぎず、愛嬌がありますね。この辺りの絶妙なバランス感覚は見習いたいところ。

前作「ブルックナー8番」ブレンドも香り高い逸品でしたが、この度の「ベートーヴェン7番」ブレンドがどんな味わいとなるのか、今から楽しみです。
 

Ⅱ.珈琲で応援コース(by 自家焙煎コーヒー カフェえんぴつ猫)

ベートーヴェン7番ブレンド(200g)(豆まま、挽き 選択可)

4.17コンサート入場券とのセット価格 6,000円(税込み・送料無料)

音楽をこよなく愛する堀謙造マスターが心を込めて焙煎する、このコンサートだけのためのスペシャル・ブレンドをお届けします。
カフェえんぴつ猫の堀マスターが掲げるポリシーこそ、今回のコンサートの精神そのものではないでしょうか。

① 1杯のコーヒーから出会いと心豊かな生活を実現。
② コーヒーを生産する人から~コーヒーを飲む人までの間を笑顔と幸福感でつなぐ。


③ 個人の居場所を取り戻し毎日の生活に豊かな喜びを取り戻す。

※ベートーヴェン7番ブレンドは、カフェえんぴつ猫さんより直送となります。
 3月第1週の発送を予定しております。暫く楽しみにお待ちください。
 かもっくす音楽舎のみの扱いとなります。どうぞご検討ください。

4.17 応援コラボ・チケット発売のお知らせ!
https://blog.goo.ne.jp/akicicci/e/9f715b3aef5724d628e6654df56f5219

福島章恭シリーズ2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"

2021年4月17日(土)
13時30分開演(13時開場)
JR横浜線・京王相模原線 橋本駅北口
ミウィ橋本7階
杜のホールはしもと

プログラム
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92

福島章恭 指揮
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団
(コンサートマスター:相原千興)

全席指定:4,500円 (2月15日(月)発売)

主催:かもっくす音楽舎 

チケットお申し込み・お問い合わせ
かもっくす音楽舎
Tel & Fax: 042-799-0182
E-mail: akiyasu.concerts@gmail.com

チケットぴあ tel: 054-02-9999  (Pコード: 191626) 
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2033917&rlsCd=001&lotRlsCd=

ちけっとMove(相模原市民文化財団) tel: 042-742-9999
http://move-ticket.pia.jp/

主催 かもっくす音楽舎
後援 やまと国際オペラ協会、丹沢ブルックナー楽友協会
協力 一般社団法人 国際親善音楽協会(IGMEA)



 

 





三度目の正直!モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ハイライト&「レクイエム」配信チケットのご案内

2021-02-23 00:01:39 | コンサート

4月17日(土)のモーツァルト&ベートーヴェン公演前に、もうひとつ大事な演奏会があります。
やまと国際オペラ協会主催によるモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ハイライト+「レクイエム」公演。昨年2月末の上演が一旦は8月に延期され、さらに来る3月13日(土)に延期、即ち、三度目の正直の待望の公演となります。

皆様にご来場頂き、その耳と目で確かめて欲しいのは山々ですが、緊急事態宣言を受け、チケットの新たな販売はなくなりました。

その代わり、配信チケットの販売を致します。J:COMによる撮影はたいへんに美しく(トライアル公演で実証済み)、特に「ドン・ジョヴァンニ」ハイライトは、適材適所の実力派歌手陣、および中津邦仁の冴え渡る演出により、存分にお楽しみ頂けるものと確信しております。

配信チケット



本日は大阪のホテルの一室にて、丸1日を「ドン・ジョヴァンニ」のスコアとともに過ごしました。ピアノもオーディオもない環境で、じっくり作品と向き合う機会はなかなか貴重な時間でした。いくつかの発見もありました。




そして、夜は大阪中央公会堂へ。
村本大輔の魂の叫びは、まさに命を賭けた笑い! 明日への力を貰ってきました。終演後、中川パラダイスが客席に登場して、お話をしてくれたのも嬉しかったなぁ。

明日は、早朝の新幹線にて「ドン・ジョヴァンニ」の稽古に向かいます! ソリストの皆さんとは、11月のトライアル公演以来の再会。楽しみです。






福島章恭シリーズ2「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン 」チケット好評発売中!

2021-02-21 01:17:49 | コンサート

緊急事態宣言下ということから、宣伝を控えて参りましたが、去る2月15日にチケット一が般発売されましたので告知させて頂きます。

今回の公演は、昨年1月5日に開催されたニューイヤーコンサート「ウィーンの花束2020」につづく自主企画第2弾。
名付けて「福島章恭シリーズ2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン ”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"」
サブタイトルは、音楽によってコロナを打ち負かそう、などという大それたものではなく、閉塞的な状況だからこそ「音楽によって日常の生活を、歓びを取り戻そう」というささやかな試みです。

悲しみの底にあっても人々に微笑みを与えつづけたモーツァルトの音楽、
そして、取り巻く環境や自己と闘いつづけたベートーヴェンの音楽の組み合わせは、このコンサートに打って付けと言えましょう。

チケット購入窓口は、以下の3つとなります。

1. かもっくす音楽舎
Tel & Fax: 042-799-0182
E-mail: akiyasu.concerts@gmail.com

 主催のかもっくす音楽舎へのメール、電話、FAXでの申込みです。
 メールとFAXでは、ご希望の座席の位置をご指定くだされば、その時点で、それに1番近い最良の座席をご用意致します。
   お電話では座席をお選び頂けますが、電話対応のできない時間帯もございます。
   おな、メール利用の方には恐縮ですが、gooブログの制約から当頁とメールアドレスとの連携ができませんので、お手数ですがコピペにてご利用ください

2. チケットぴあ tel: 054-02-9999  (Pコード: 191626)

3. ちけっとMove(相模原市民文化財団) tel: 042-742-9999  http://move-ticket.pia.jp/

 「チケットぴあ」と「ちけっとMove」は、座席選択可能です。両者は、同一のシステムを利用致しますので、取り扱う座席は同一となります。ご都合の良い方をご利用ください。

なお、①福島章恭のCD、②ベートーヴェン7ブレンド珈琲、③ベートーヴェン名言Tシャツ などとの、応援コラボチケットの販売も開始されました。
すでに、いくつもの温かいご声援を頂き、感謝しているところです。

応援コラボ・チケット ~ 3つのかたち
https://blog.goo.ne.jp/akicicci/e/9f715b3aef5724d628e6654df56f5219

これらは、かもっくす音楽舎のみの扱いとなります。どうぞご検討ください。

福島章恭シリーズ2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"

2021年4月17日(土)
13時30分開演(13時開場)
JR横浜線・京王相模原線 橋本駅北口
ミウィ橋本7階
杜のホールはしもと

プログラム
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92

福島章恭 指揮
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団
(コンサートマスター:相原千興)

全席指定:4,500円 (2月15日(月)発売)

主催:かもっくす音楽舎 

チケットお申し込み・お問い合わせ
かもっくす音楽舎
Tel & Fax: 042-799-0182
E-mail: akiyasu.concerts@gmail.com

チケットぴあ tel: 054-02-9999  (Pコード: 191626) 
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2033917&rlsCd=001&lotRlsCd=

ちけっとMove(相模原市民文化財団) tel: 042-742-9999
http://move-ticket.pia.jp/

主催 かもっくす音楽舎
後援 やまと国際オペラ協会、丹沢ブルックナー楽友協会
協力 一般社団法人 国際親善音楽協会(IGMEA)

 

 


苦悩を突き抜けて歓喜へ!~大フィル合唱団史に残る「第9シンフォニーの夕べ」

2020-12-31 17:23:39 | コンサート

12月29日(火)、朝比奈先生の命日に行われる大フィル恒例の「第9シンフォニーの夕べ」をもって、苦難の2020年の音楽活動を締めくくった。
例年であれば、29日、30日と2日公演となるところ、今年は1公演のみ。

「第九」公演について、14名~40名という小編成のプロ合唱団による本番が主流となっている中、99名もの大アマチュア・コーラスで本番を挙行するには、大きな責任が伴う。
それだけに、新型コロナ感染対策について、大フィルと大フィル合唱団による配慮は最大限のものだったと思われる。
レッスン時より、検温とマスク着用、本番に準ずるソーシャルディスタンスを確保、と、ここまでは当たり前。
大フィル会館という、優秀な換気設備のある大きな空間を練習会場に持つことの有り難みを、これほどまでに感じたことはない。

マエストロ、オーケストラ、合唱団の下した大きな決断は、通常は行われる大フィル会館でのオケ合わせを取りやめたこと。
いかに換気の良い大フィル会館をもってしても、密となることは避けられない。
つまり、オーケストラと合唱団が会するのは、本番直前のゲネプロのみ、ということになるが、
これはオーケストラ、合唱団、尾高マエストロというお互いを知る組み合わせでなければ、成立しなかったプランだ。
三者の揺るぎない信頼関係の証という言い方も出来るだろう。



本番当日のバックステージでは、オーケストラとコーラスが同じフロアに同居しないように楽屋が配置され、さらにコーラスの男声と女声は別棟という徹底ぶり。女声楽屋からステージまでの所要時間が10分弱だったというから恐れ入る。

感染予防対策のダメ押しとして、ステージの上には、合唱団とオーケストラの間に、2メートルに近いアクリル板が置かれ、さらには、ソーシャルディスタンス確保のために広げられたステージにより、反響板にも大きな隙間が生まれてしまう。

例年より20余名少ない編成、マスク着用、巨大なアクリル板、不完全な反響板という四重苦は、合唱にとって厳しい条件であることは間違いない。正直、あの巨大なアクリル板の壁を見上げたときには、心が折れそうになった。しかし、どんな条件であれ、わたしたちは、歌うことを歓びとする集団である。舞台に立てば、マエストロの棒に応え、最善を尽くすのみ。

結果は、思いのほか素晴らしいものであった。尾高先生のアプローチはオーソドックスながら新鮮で、オーケストラの燃焼度も激しかった。
コーラスも、ゲネプロでの苦難に打ち勝って、高らかに歌い上げた。

もちろん、マスクやアクリル板がなければ、もっともっと大きなエネルギーを客席に届けることは出来たのだと思われるが、不利な条件を想定したレッスンを重ねてきたからこそ、獲得したスキルや精神性も小さくない。大フィル合唱団にとって通るべき道であったのだ、と思うことにしている。

本年の「第9シンフォニーの夕べ」は、大フィル合唱団にとって、未来への大きなステップとなったばかりでなく、歴史に残る公演だったと言えるだろう。

「第9シンフォニーの夕べ」
2020年12月29日(火)午後5時開演

フェスティバルホール

指揮:尾高忠明

独唱:髙橋絵理、富岡明子、福井敬、青山貴

管弦楽:大阪フィルハーモニー管弦楽団
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(指揮:福島章恭)

 


36年ぶりに聴くブルックナー「第6」

2020-07-23 10:25:43 | コンサート



愛する大フィルがブルックナー「6番」を演奏するというので、矢も楯もたまらずフェスティバルホールに駆け付けた。新型コロナにより大フィル合唱団のレッスンも中止され、実に4か月ぶりの大阪である。

「6番」は、ブルックナーの交響曲の中にあって地味な存在で、演奏頻度は高くない。「3番」以降の7曲の中では録音も少なく、レコード全盛時代にはカイルベルト、クレンペラー、ヨッフムくらいしか手に入らなかったことを思い出す。

しかし、作品の魅惑は絶大で、特にはじめの2つの楽章の雄大さ、深遠さはブルックナーならではのものである。他のナンバーより人気の薄い要因は、充実しきった前半に対する後半の2つの楽章の比重が軽いことであろうが、スケルツォもフィナーレもそれぞれに魅力があり、もっと演奏されるべき作品であると思う。

わたし自身、「6番」を生で聴くのは、1984年の朝比奈&東響以来というから36年ぶり。東京文化会館の3階ライト側から見下ろしたステージ風景を今でも思い出す。メインのブルックナーも良かったけれど、前プロのハインリヒ・シフを独奏に迎えたドヴォルザークが胸躍る快演であった。


今回のマエストロは飯守泰次郎先生。
リハーサル3日目の後半より聴かせて頂いたが、その脱力の妙により、大フィルから、かつてない柔らかで、奥行きのあるサウンドを紡ぎ出してくださっているように思う。

ここぞというときにも、全く力みのない指揮をなさるので、オーケストラにも余分な力の入ることはない。その結果、力こぶを伴った演奏よりも、大きく、味わいのある音楽となっている。第2楽章では何度か「奇跡か!」と思われるような身震いする瞬間すらあった。

失礼ながら指揮は明瞭とは言い難い。しかし、それがオーケストラの自主性を引き出し、実に集中力に富んだアンサンブルを生み出した。やはり、大事なのは人間力なのである。

本日、午後3時よりの2日目は、より自由な演奏を展開してくださるであろう。今からとても楽しみだ。

※写真1枚目は、大フィルTwitterより転載しました。