常宿が満室だったため、お初の宿を取ってみた。
オープンして間もないJR西日本系ビジネスホテルだが、通されたのが駅を見下ろす部屋。様々な音が聞こえてくる。
ガタンゴトンという線路の鳴る音やカーブで電車の軋む音、ホームの発車ベルや車掌の笛、駅員による電車到着や乗り換え案内等のアナウンス。発車ベルも在来線と新幹線では種類が違っているようで面白い。
僕が"鉄"だったら、ここは天国かも知れない!
確かに静寂には遠い。しかし、そんなに嫌でもない自分を発見して驚いている。
幼少の頃、父の勤める会社の社宅に、1年ちょっと暮らしたことがあって、そこが線路のすぐ近くだった。京急で言えば生麦と子安の間、法政女子高校の下の方である。京急のほか、京浜東北戦、東海道線、貨物線など、多くの線路が敷かれていたのは今も同じ。渡るのに長い長い踏み切りがあった。
ここに住んでいる間に生まれた4つ下の妹が、後に法政女子高校に通うことになったのも、不思議な縁だと思う。
さて、その妹の誕生を家族3人待ち詫びていた頃も、電車や貨物列車の音は一日中、耳や身体に響いていた筈で、いま、その遠い記憶を楽しんでいるところである。