ちょうど1週間前、12日(木)には、やまと国際オペラ協会設立5周年記念コンサートのためのトライアル公演が行われた。
演目は、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」 ハイライトと「レクイエム」。
何をもってトライアル公演と称するかというと・・・。
本来本年の2月29日に開催されるはずだった当公演が、コロナの影響により一旦は8月に延期されるも再び上演が叶わず、来年の3月13日(土)に三度目の正直としての上演を目指しているいま、ソーシャルディスタンスをとりながら、どれだけのことが可能かということを試すための公演なのである。
モツレクのソリスト陣とオーケストラに関してはフルメンバー、「ドン・ジョヴァンニ」については、演出の中津邦仁さん、表題役の井上雅人さん、レポレッロ役のデニス・ヴィシュニャさん、ドンナ・アンナ役の刈田享子さん、ドン・オッターヴィオ役の安保克則さんをお迎えしてのさらなるハイライト版での上演である。おっと、大事な人を飛ばしていた、当オペラ協会代表の長谷部浩士さんも威厳に満ちた騎士長を歌い演じてくださった。
「ドン・ジョヴァンニ」ハイライトに関しては、歌手陣の仕上がりが素晴らしく、もう明日本番でもOKという状況。
中津さんの演出も冴え渡っている。
オーケストラについては、大きなソーシャルディスタンスを確保した上で、さらに管楽器の前にパーティションを置く、という過酷な環境。
とくに上手の管楽器陣の後ろ、壁沿いに陣取るコントラバスの皆さんとのコンタクトをとるのは至難の業であった。
しかし、そんな不利な条件をものともせず、コンサートマスターの相原千興さん以下、皆さん素晴らしい演奏を繰り広げて頂いたことに感謝したい。
コーラスは写真のように、全員がマスクを着用の上、舞台いっぱいに広がっての歌唱。
これだけ、ばらけた配置であっても、アンサンブルが大きく乱れる場面のなかったことは幸い。
また、後から聞くに、後方からは指揮が見え難かったとのことで、改善の余地はあるだろう。
とまれ、この上演が大成功だったことに疑いはない。
このトライアル公演を経験したことによって、3月の本公演がより素晴らしくなることであろう。
企画実現に骨を折られた長谷部ご夫妻には労いと感謝の念を捧げたい。
写真提供:やまと国際オペラ協会