いま、都響のベートーヴェン&ブルックナー#1を聴き終えて、家路についているところ。
決して、ポピュラーとは言えないプログラムにも関わらず満員盛況なことにまず驚き。
前半のベートーヴェンは、極めて引き締まった演奏。覇気はあるけど、僕はちょっと乗れなかった。というのも、小泉の指揮が肩から先の腕だけの運動に感じられたからである。呼吸が深くないのかな? 背中も固まったまま、腕をブンブン振り上げるものだから、オケにも無意識に力が入ってしまっているように思えた。
さて、本命は後半だ。
実演でブルックナー1を聴くのは、朝比奈&日本フィル、スクロヴァチェフスキー&読響に次いで、これで3度目。まあ、滅多に出会えない作品ではある。
結論からいって、充実した演奏だった。正直、ベートーヴェンで感じた指揮の力みやそれに伴う音の硬さは気になり、心底好きなブルックナーとは言えなかったけれど、各楽章の音の綾を都響の優れたアンサンブルによって実演で確認できたのは嬉しかったし、特にフィナーレの高揚感は見事だったと認めたい。
終演後の客席も沸きに沸いていたし、オケの面々も満足げに見えたところをみると、僕ひとりが天の邪鬼なのかも知れないなぁ。きっと、呼吸とか力みとかに過敏すぎるんだな。