ベーム&ウィーン・フィルの「ロマンティック」については、宇野先生が「器だけが立派」と散々に酷評されていたけれど、ボクははじめから好きで、学生時代は国内盤LPでよく聴いたものだ。
なんといっても、ベームの正攻法の音楽づくりとウィーン・フィルの音色や豊穣なサウンドが魅力ではないか。
その後、CD ~ 英オリジナル・アナログと聴き継いできたが、つい先日Blu-ray Audioとなっているのを知って入手。好きな演奏は色々なフォーマットで聴いてみたくなるもの。
第一印象は余り良くなかった。デジタルの冷たさを感じたのだ。しかし、本日、聴き直してみて評価を改めた。当然ながら、音の情報量はCDの比ではない。ある意味、レコードよりも制約のない伸び伸びしたサウンドで、それが天上の神に通ずるブルックナーに相応しいとも言えそうだ。
しかし、配信によるハイレゾ環境が日進月歩のいま、Blu-ray Audioという媒体は今後生き残れるのだろうか? ソフトの少なさが普及を妨げ、普及率の悪さが新譜の企画・販売を躊躇わせる、という悪循環は生じてはいないのだろうか?
容量、音質ともに抜群に優れた、可能性を秘めた媒体ゆえに、認知度の低さが惜しまれる。