今朝、ベルリンより届いた第4番「ロマンティック」をもって旧東独エテルナのアナログ盤によるヨッフム&シュターツカペレ・
ドレスデンのブルックナー交響曲全集がようやくコンプリートとなった。
この全集を揃えようと思い立ってから10年を超すのだから、長い道のりであった。蒐集業というのはつくづく根気が必要だ。
この全集はEMI盤でも手には入るのだが、伝統あるドレスデン・シュターツカペレの古雅のサウンドは、旧東独エテルナ盤によってしか伝わらない、というのが、レコード蒐集家の共通した認識であり、ケンペ指揮のリヒャルト・シュトラウス管弦楽曲全集とともに、人類の宝とも言える存在なのだ。
それがようやく揃ったことは、大きな歓びではあるが、アナログ・レコードやブルックナーと無縁の方から見れば、どうでもよい話ではある。
というわけで、今朝は届いたばかりの「4番」を聴いたが、心底痺れた。「4番」はポピュラーな割に中味の薄いと言われることが多く、ボクも基本的にそう思うのだけど、ヨッフム&SKDのエテルナ盤は、そんな軽佻な考えを粉砕してしまう。なんと嬉しいことだろう。それほどに、味わい深い演奏である。