きしめんを求めて西へ。
今日の旅の友はこれ。
「怪書探訪」古書山たかし著(東洋経済新報社)
古書山氏の文章は、幾万の読書量に比例して、知識と表現の引き出しが多い。奥が深く、ユーモアに富み、思考の回転が早く、またその趣味の変態性が人を呆れさせ、また惹きつける。
アナログ・レコード蒐集家のわたしを狂とするなら、古書蒐集家の著者もまた狂。ただし、わが狂が尖り、周囲の人々を傷つけ、我が身をも滅ぼさんとするとき、古書山氏の狂はどこまでも柔らかで微笑ましい。しかし、その優しさは仇とはならず、むしろ万人を幸せにする質のよい狂と言えよう。
しかし、いま、わたしは敢えて叫ぶ。
"友よ、狂え。
もっと激しく、己を焼き尽くすほどに!"