福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

雀鬼と武術家の至言

2014-03-25 21:34:35 | コーラス、オーケストラ
今日の旅の友。

「賢い身体 バカな身体」講談社(2008)

雀鬼・桜井章一と武術稽古研究家・甲野善紀の対談集。




不敗の勝負師と肉体の可能性を究める男の対話からは、日々の生き方から、音楽活動に対する示唆に富んでいて刺激的である。
中から、ほんの一例を挙げておこう。

甲野「たとえば腕を上げるという動作をするとき、ことさらそのことを意識するのでなく、身体全体から推されて、その代表となるような感じであげます」

桜井「本当の集中とは点にエネルギーを集めることでなく、全体に拡散していく状態のがとなんじゃないですかね」

ああ、まさに、このように指揮できたら、音楽ができたら、どんなに良いだろう!

桜井「自然界の生き物を見てあると外敵に対する対応、外敵に対する反応の素早さに感心します。海に潜ってタコに出くわすと、彼らはさっと岩と同じ色に変色したりしますけど・・。(中略)秋葉原なんかで、どろーんとした身体で、何かひとつのことに固まって動いているオタクやマニアといった人たちは何も変化しない。タコの方が彼らより自然界では強いんです」

ディスクユニオンで、レコードを漁っている自分も、タコに負けるのか(笑)??

桜井「考えてばかりいたら、現実は間に合いません。考えるほど迷いが生じ、選択肢が増えていきます。また情報や知識がたくさんあると生きていく上で有利になると思うのでしょうが、それもまた新たな迷いを生み出すもとになります。ところが感じる力があれば、的を正しく射抜けます。的を射ながら同時に動けるのです。」

なるほど、はじめてのラーメン屋に入って、塩にするか、醤油にするか、トッピングにチャーシューを付けるべきか、なんて悩んでいてはいけないのだ。スマホの口コミなんかもアテにしてはいけない。

まずは、こんな小さなことからでも、直感力を磨いていくとするか。





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