福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

再投稿 岩城宏之 & NHK交響楽団 によるベートーヴェン交響曲全集

2014-03-21 23:48:25 | レコード、オーディオ
福島章恭HP http://www.akiyasuf.com



去る16日(日)。インバルのマーラー9終演後、高揚した気分のまま馬車道のディスクユニオンへ乗り込んで見つけたもののひとつがこれ。

ベートーヴェン交響曲全集
岩城宏之指揮 NHK交響楽団
日本コロムビア OS-10074/80(7LP)

1968年~69年
厚生年金会館大ホール
杉並公会堂ホール
世田谷区民会館ホール
レコーディング・エンジニア: 若林駿介



もちろん、日本初のベートーヴェン交響曲全集として、存在は知っていたけれど、アナログ盤の現物に出会ったのははじめて。決して音の良くない試聴機を通しても、はじめの10秒で素晴らしさが分かったほど、この全集は特別だ。

帰宅して早々、「エロイカ」に針を降ろしたが、これがいい!
青春の息吹があるというか、未来への希望に溢れているというか。全篇イキイキとした生命力に溢れている。N響のボルテージも高い。日本初のベートーヴェン全集への責任感やら高揚感が反映してか、まるで、アマチュアのようなひたむきさで、作品に挑んでいるのである。どこかに、カイルベルトの木霊が聴こえるようなのも嬉しいはないか。

若林駿介による録音がまた芸術の域にある。物理的な特性が高いとかではなく、演奏家の魂の動きを捉えている点に秀でているのだ。渡邉暁雄&日本フィルとのシベリウスといい、ペーター・マーク&日本フィルとのモーツァルトといい本当に良い仕事を遺している。




発売元の日本コロムビアも気合いが入っており、ボックスの中には解説書のほか、「ハイリゲンシュタットの遺書」のファクシミリと対訳&解説本が付されている。さらには、本来、リハーサル風景の特典レコードもあったようだが、残念ながら、散逸してしまった模様。

昨日の田中希代子ともども、日本の音楽界を開拓した先人たちの偉業に襟を正す機会を持てたことは、私にとって、とても嬉しいことであった。



追記

その後、リハーサル風景LPを含めたセットを見つけ入手。
ただいま手配中。
ただし、解説書、ハイリゲンシュタットの遺書ファクシミリ等はないので、「帯以外は全部揃った」セットと「レコード盤のみ(特典盤除く)」のセットができてしまいました・・・。


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