本日は、女声合唱団KIBIのレッスンをいつもより3時間前倒しして貰い、チューリップを聴いてきました。ところは、神戸国際会館こくさいホール。
デビュー45周年を記念するとともに、移住先のインドで亡くなったリードギター安部俊幸の追悼の意味も込められたコンサート・ツアー。
ぼくがはじめてチューリップを生で聴いたのが中学生時代、40年前の藤沢市民会館ということですから長い付き合いになります。最新アルバムが「MELODY」の頃でした。「虹とスニーカーの頃」のヒットする3年前ですね。
「虹とスニーカーの頃」を携えたデビュー8周年のコンサート・ツアーを終えると、オリジナル・メンバーの吉田彰と上田雅利(その後、復帰)が脱退してしまったため、ぼくのオリジナル・チューリップとの日々は3年余り。アルバムとしては、"Welcome to my house ""Upside down" ”Someday Somewhere"の3枚。その後の37年間は、その3年間の幻影を追い求める日々だったと言えます。1回目の鈴蘭高原や田園コロシアムでのライヴの感動を追い求めては、どこか満たされず、満たされないからまたコンサートに出掛ける、という日々。いま、録音を聴いても、巧拙を超越してオリジナル・メンバー時が最高だったと思います。
まだ、ツアーが始まって間もないため、セットリストについて触れるのは避けますが、特に前半は初期アルバムの比較的アップ・テンポの作品が網羅され、「バンドで合わせる楽しさ」という空気が前面に出されていたのが快適でした。
一時期、肥満とともに低迷していた(失礼!)姫野達也もダイエットとともにすっかり歌唱力を取り戻し、上田雅利のドラムも相変わらずキレと乗りが抜群でありました。
さらに特筆すべきは、3人のサポートメンバーの存在。メンバーの4人だけで頑張る、という拘りを捨てた潔さが功を奏し、サポートに任せるべきを任せたことで、4人の個性がより伸び伸びと生かされる結果となりました。サポートメンバーのお蔭でスタジオ・レコーディングに入っていた弦や管楽器パートなどがほぼ忠実に再現されているのは、古くからのファンとしてはこの上なく嬉しいところでした。
終盤の盛り上げ方やアンコールの選曲については、ここのところパターン化しているので、天の邪鬼のぼくは今ひとつ萌えなかったものの、安部俊幸を追悼する楽曲では胸に迫る真実がありました。できれば、「思えば遠くへ来たものだ」「セクシー・ペディキュア」など採り上げて欲しかった、といえば、贅沢かな?
とまれ、現在68歳の財津和夫が、あのキーの高いオリジナル曲を最後まで元気に歌いまくる姿には恐れ入りました。歌唱の勉強をしているぼくでも、連日彼と同じだけ歌えるか、自信がもてないほど。
先日聴いた井上陽水といい、小田和正(彼のコンサートには行くつもりはないけれど・・)といい、さらには東京ドームで聴いたポール・マッカートニーといい、ぼくの青春時代に20代(ポールを除く)だった憧れの歌手たちが、未だ現役で歌いつづけていることは、本当に有り難いし、素敵なことです。
10年後、20年後の自分も、彼らのように現役でいよう。青春時代を振り返るとともに、そんな勇気を貰ったコンサートでありました。