明鏡   

鏡のごとく

甲斐大策展 島田美術館

2021-06-10 01:10:44 | 詩小説
島田美術館で開催されている甲斐大策展に伺う。

詩集『蜜蝋の花』の表紙に甲斐さんの絵にしたいと石風社の福元さんにお伝えしたら、すでに河岸の人となっていた甲斐さんの本の中から使っていいと、娘さんのみかりさんが言ってくださったので、暗闇の中の月と鳥たちと人の描かれた絵を選んでくれた。

先日、宗像の鍼灸院をされているきよみさんの御宅の施術室を杉皮で葺きたいということで伺い、お友達とも知り合いになれて、イランに行ったことがあるというログハウスを作っている地元の方にもお会いでき、その後、福津の甲斐さんの娘さんに、甲斐さんの表紙の詩集を届けることができた。

島田美術館で個展をされていると聞き、島田美術館へ、六月から始まった杉皮葺のお屋根の現場が偶然休みになったので、喜び勇んで伺った。

懐かしい絵に会うことができた。甲斐さんはペシャワール会のカレンダーに絵を描かれていたので、そこで拝見したものに近いものが多くあった。

甲斐さんの魂のようなものが、そこにあった。絵を描いた実体はないが、記憶はそこに息づいていて、いつでも会いたい時に、会えるような。

私が、イランから帰ってきて、しばらく住んでいた福間の風景が気になって、どちらかというと、甲斐さんのアフガニスタンやパキスタンの旅の絵よりも、日常の風景が今の私にはするりと溶け込んできたようで、その絵と一緒に帰ってきた。

ウイグルのカフェをされている友人や島田美術館の奥様にもお会いできて、表紙の絵の行方が分かったら教えてくださるようにお伝えして、またお会いできる時を楽しみに、島田美術館を後にした。