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【大田(テジョン)(韓国中部)=吉田敏行】長崎県対馬市の寺社から仏像2体を盗んだとして、韓国の文化財保護法違反などに問われた韓国人窃盗団3人の控訴審で、大田高裁は30日、懲役3~4年の実刑とした1審・大田地裁判決を支持し、3人の控訴を棄却する判決を言い渡した。
また、盗品の通関を手助けしたとして起訴され、1審で無罪判決を受けた男性に対する検察側の控訴も退けた。
日本政府は文化財不法輸出入等禁止条約などに基づき、韓国で保管されている仏像の返還を求めたが、韓国の寺側は「14世紀に略奪された」と主張。大田地裁が今年2月、寺側の訴えを受け、国に移転禁止の仮処分を命じているため、返還は実現していない。
被告らは1審判決について、量刑不当などと訴えており、上告する可能性が高い。今後判決が確定すれば、返還に向けた政府間の協議が進む。
1審判決によると、窃盗団は昨年10月、対馬の海神神社所有の国指定重要文化財「銅造如来立像」と、観音寺の長崎県指定有形文化財「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」を盗み、韓国に持ち込んだ。