明鏡   

鏡のごとく

「花筐と源氏供養」

2018-11-29 22:40:37 | 茅葺
水前寺公園の近くのいきなり団子を先輩におごってもらってほくほくして、その後、先輩方に教えてもらった仏像に金箔を貼ることができるというお土産やさんに向かい、店内を探索していると、なぜか観世流の古本で「花筐」があった。「源氏供養」も入っていたので、嬉しくなって、手にいれる。

檀一雄の「花筐」を探していて、ひょんなところで、別の、古いものである観世流に流れついた気がして、(実のところ、本家どり的なものだったのかもしれないが)まずは源流としての「花筐」へ遡り、読み解いてみなさいと言われた気がして、ありがたく、読ませてもらおうと思った。

さらには、古今和歌集は、源氏物語に影響を与えたとされるが、その影響をあたえられた源氏物語から、新古今和歌集が影響されたと言われており、古今和歌集→源氏物語→新古今和歌集への流れもあるようで、これはますます古典への世界へ、呼ばれたような気がした(まだ読んでいないのでわからないが、おそらく源氏は源氏でも平家と源氏の方だとは思うが源氏つながりということで)。

そういえば、今日、かやをやっとこ(からすともいう)で引っ張り出していたら、なぜか鳩の羽が一つ出てきた。からすから鳩が出てきたような、摩訶不思議なことがあった。小さくて可愛らしい羽だったので、ちょっと嬉しくなって、何かいいことがあるような気がして、古今伝授の間から?の贈り物??か、何か天からの???良いことの徴のようで、大事に持って帰ろうと思った。

「吉野ヶ里と杉皮と古今伝授の間」

2018-11-28 22:10:45 | 茅葺
午前中は、作業場で杉皮切りを思う存分し、水前寺までやってきた。

昨日で、吉野ヶ里の検査が終わり、今日から水前寺公園内の古今伝授の間の現場に入るも、雨にて、現場確認をして、明日に備える。


吉野ヶ里の今年最後の現場では、川上先生が来られて、チェックをされていた。
痛み具合を三段階に分けて査定する、例えば、けらば、平めん、軒、しゅうぎ、棟、など部分ごとに評価査定するとともに、年数はもとより、日の当たりやすい場所かどうか、風の当たりやすい場所かどうか、家屋の密集した場所かどうか、などの環境の影響も考慮したデータを取れば、いい?論文が書けそうであるとおっしゃっていた。

自分も、何か、自分なりにできる資料を今後のために作っていきたいと思った。


今日は、みなさんと美味しい夕食を食べた後、散歩し、宿で昆布茶やコーヒーを飲んだりしてまったりし、先日、古本屋で手にいれた古今和歌集を読み始めた。

ネットでも見られるんじゃないかと言われたが、分厚い古い本で読んでみたかったので、時と本の重みを味わいつつ、楽しみたいと思う。

「柳川と檀一雄」

2018-11-23 19:51:01 | 茅葺
柳川の御花の近くの川下りの元締めのような方の御宅の茅葺の屋根の全面葺き替えを行う下準備に柳川を訪れる。

とても気さくな方で、バリに行った時の楽園を探しに行った?時の話をお聞きしたり、これから五十年先の山のことを思う気持ちなどをお聞きした。

うなぎを焼く甘く香ばしい香りに引き寄せられるようにお店に行くと、檀一雄の生誕百周年の記念の本が置いてあったので、手に入れた。

まだ、読み込んでいないのだが、確か、「家宅の人」で、書いてあったと思われるが、檀一雄が柳川に縁があるというのを思い出した。

楽しみが増えたというものである。

柳川では、檀一雄を読んでいこうと思う。
「花筐」をまだ読んでいないことだし。


それから、皆で寝泊まりする古民家の大掃除を行う。

シェアハウスのようなものであるが、縁側で日向ぼっこしながら本を読んだりできそうな、いい塩梅の中庭があり、風情があって、心地よさそうである。

今年は寒さも、ひどくないようなので、ぬくぬくしながら、仕事に精を出したいものである。

それにしても、新しい世界が開きっぱなしで、心が弾むことである。

誠に、茅葺の仕事に携わることができて、幸いであり、ありがたいことである。

子供達にも、新しいわくわくするような世界が開かれていますように。

吉野ヶ里

2018-11-21 18:22:29 | 茅葺
吉野ヶ里のさし補修をしていると、色々な方々が訪れてくださる。

なんとはなしに、話しかけてこられる方の中に、偶然、今度、補修で伺うことになっている古今伝授の間のある、水前寺公園のお庭を手がけたご先祖がいるとおっしゃる方がおられたり、私が以前から愛してやまない夢野久作の住んでいた福岡の東区の、香椎宮近くに住んでおられる方と久作談義に花を咲かせていると、香椎宮山手の方に不老の水のような湧き水があり、そこの敷地に住んでおられたのを、どこかの企業が買い取りたいと申し出てこられたそうだが、市の方にご寄付されたという、お金よりも、その水そのものを、すべての人に分け与えようとされる姿勢に心を打たれた。

こういう方々がおられるから、世の中、良いこともあると思えるのである。

希望があるのである。

「古今伝授の間」

2018-11-18 20:46:53 | 茅葺
水前寺公園内にある「古今伝授の間」の下見に伺う。

かつて京都御所にあった茅葺の建物を移築したものである。

手入れされた庭に佇む茅葺の屋根に猫が住み着いたようで、屋根にかやかやと登っていくのを目撃されたらしく、そのかやの屋根に爪痕を残してしまっていた。

その補修に伺うのである。

古今伝授の間は、細川幽斎が後陽成天皇の弟君に古今和歌集の解釈の奥義を伝授した場所であったのが、その由来であるという。

古今和歌集を読み返しながら、茅葺の屋根の補修に携わる喜びを感じている。

その奥義を時を超えてどこかで感じながら、関わりたいと思っている。

短歌、和歌の流れを感じながら、自分の中に、その感じ得る全てを、全身全霊で受け取りたいと思う。