「積荷」 2018-03-29 21:04:42 | 茅葺 エルフに 茅を積み 杉皮を積み 竹を積み 足場板を積み トン袋を積み ロープでかたく縛る 体調があまり良くない時に 力仕事が正直辛い時に みなさんに 何かと助けてもらえることに いつも感謝しています 温かい仕事場にいられてありがたいことです
「羽虫」 2018-03-28 22:56:22 | 詩小説 今日。 あの背中の赤い、黒い虫が、羽虫を片手に木の穴に向かって行進しているのを見た。 子供の頃に見た、確か、藤子不二雄の漫画で「コロリころげた木の根っこ」という話の入っていたものだったと思うが、その中の小さな虫を思い出した。 一生懸命進化しているように見えて、爆弾を作って何もかも吹き飛ばしても、自分だけは逃げていくような虫の話。 爆弾ばかり作って国民を飢えさせている国にもごまんといるであろう虫の話を思い出したのだ。 本当にやりきれないのは、捕食された、飢えを満たすためにさしだされた太陽政策という名の生贄の偽善のような、近くを何も知らずに飛んでいた羽虫であろうが。
「兄の手術」 2018-03-28 19:56:01 | 日記 兄の手術の日だった。 一度、キャンセルして、再度受けることにしたという。 大事には至らないとは思うが、兄の人生を思うと、なんだかやりきれない気持ちになる。 自分は、やりたいことをできていることに感謝しているが、どうしてもやりきれない思いもあり、それが重なって、なんだか余計気が滅入ってしまうようなのだ。 それはどこか、体に詰まった石を砕くような、石女の月のもののような、鈍いようで、重苦しい痛みのようなのだ。
「土筆」 2018-03-27 21:07:19 | 茅葺 皆の車を見送った後。 石の向こうの土の上に。 一本の土筆が突っ立っていた。 その土筆と目があったような気がした。 昨日まで気づかなかった。 いつの間にか大きくなって。 土筆が突っ立っていた。 ここにいるよと。 無言のまま。 土筆は突っ立っていたようなのだ。 見えない春が土をこじ開けて出てきたような。 見えない土手の向こうをふく風と。 小躍りしながら出てきたようなのだ。 土筆を連れて帰っては。 春と一緒になるように。 土筆の春を食べるのだ。
「沈丁花」 2018-03-26 22:39:15 | 茅葺 沈丁花がもうすぐ咲くでしょう。 といわれた。 屋根に登って茅をふいていたら、ふく風が甘いことに気づいた。 いつの間にか沈丁花が咲いていた。 この時期に咲くのですね。 あの地が揺れた時期に。 そうして、時が過ぎていくにつれ、そろそろと散ってしまうのですね。 風が記憶の土筆を掘り起こすような匂いを孕んできたのです。 そろそろと、生まれ変わる季節のようです。