こくご食堂

小学生向けこくご塾を創業しました。[こくご]の楽しさを、様々な切り口から発信していきたいと思っています。

[モナ・リザの謎]

2018-06-15 19:30:35 | 
はじめまして。2018年5月。JR南武線武蔵中原徒歩5分、大戸神社・武蔵中原駅徒歩15分新明神社で「こくご」を中心にした塾「こくごレストラン」を創業しました。塾では、思考・発表・文章にすることを軸として、ディベート・俳句・アクティブラーニング・ビブリオバトルなどを取り入れます。ブログは毎日発信しています。体験したこと、考えたことを文字で表現することは、「こくご」です。

こくご食堂今日のお話は、[謎のモナ・リザ]

私の小学校には7不思議がありました。歴史のある小学校です。私達が卒業する時、
「109年の歴史を持つ、この学校に分かれをつげる」
というセリフで始まるお別れの言葉を全員で言ったことを覚えています。

7つあったかどうかわかりません。そのうち、一つは用務員室の下には部屋がある。そこは戦時中防空壕として使われたというのです。私と友達はその防空壕に興味があり、よく用務員室に行ってしつこく聞いたことがありました。用務員の先生は知らないと言っていました。

そしてもう一つ。図書室にかかっていたレオナルド・ダ・ビンチの「モナ・リザ」の複製絵画。サイズにすると、それほど大きいものではありません。図書館に入ってすぐの右側の本棚に上にありました。絵画の下の本棚には、江戸川乱歩の「怪人二十面相」のシリーズがありました。その表示には、恐ろしい挿絵がありました。怪人二十面相の表紙を見てから、ふと上をみるといつも「モナ・リザ」があり、なんだかとても怖いものだと思っていました。「モナ・リザ」は不思議な顔をしています。笑っているような、たくらんでいるような。

そしていつからか、その「モナ・リザ」のいる絵画の右後方に、赤ちゃんが描かれていて(私は何度みても空の景色なのですが)その赤ちゃんが夜になると泣くというのです。怖いです。歴史のある小学校。古く、趣のある図書館でした。なおさら怖さがますのです。

今考えると贅沢だったと思いますが、当時は司書の方が常駐していました。その司書の方は、若い女性でしたがとても地味で、能面のようなお顔でした。話しかけたこともありませんし、本当は明るい女性だったかもしれません。しかし、図書館・江戸川乱歩・モナ・リザ・司書。この4点セット。とても怖いイメージでした。

当時は、授業中に図書室に行く時間がありました。基本的には絵が好きだったので、その時間は絵本を読んでいました。そして、全員に斜めにカットされた木材が配布されていて、本を借りたら、その木材を本のあったところに置くことになっていました。そして、本を借りる時は、本の裏にある図書カードに記入していました。当時の私は本を読む習慣がありませんでした。それでも、みな本を借ります。さすがに絵本を借りるのは恥ずかしかったです。そこで、怪人二十面相の挿絵を見るために毎週借りていました。それでも、絵を見るだけなので、借りていたことをすっかりわすれて、図書委員から叱られます。そして、司書の方に謝りに行きます。すると、「能面」の方が出てきて、淡々と処理をする。この流れが好きでした。

現在学校で、毎週図書館に行き本を読む時間があるのでしょうか?図書室に行くことは、とてもいいことです。本は読まなくても、背表紙を見るだけでもいいのです。本に囲まれていると、とても落ちつきます。最近の街の図書館では、DVDのレンタルをしている所もあります。小さいお子さんをお持ちのお子さんは、是非街の図書館に足を運んでみてください。そして小・中・高校生の保護者の方は是非一度学校の図書室をのぞいてみてください。お子さんたちが最初に多くの本に出会い、いつでも利用できる学校の図書室。そこが居心地のいい場所だといいです。どんなきっかけでも、図書室に足を運び、本にふれるお子さんが増えといいです。

小学校は、私が卒業してから新校舎になりました。
あの「モナ・リザ」、まだ図書館にあるといいです。

▲図書館
居心地のいい場所であってほしい


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