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名も無きねこに

線を書く夢

2007-03-04 15:26:31 | わたし
どこかの広い教室で、縦の線ばかり練習していた。

線の練習がある程度すんで、次はものを見たままに描くことになった。

対象を観察し続けるうちに、筆を持つ手は自動的に物の輪郭を描き、さらに細部を緻密に書き込んでいった。
よく思い出せないが、観察の対象はいろいろと変わっていった。天井の梁があったのは覚えている。

意識をすこしでも画布に向けると筆は止まる。
物を見ることに集中すると、少しして筆が動き始め次々に何かを画布に書き入れている。

描写というより、記録といったほうがふさわしい作業だったかもしれない。

網膜に映った光景をことばで分節化せずあるがままに描くとはこういうことなのかと、一瞬、蒙を開かれた思いがした。
それでも、作業するには意識を後退させなければならないことが怖くなり、大声をあげたかった。

あまりに怖くなったので、自分の書いたものを誰か--たぶん講師だろう--に頼んで見せてもらった。

画布の下半分がやや暗い赤で塗られ、それを背景にひざを抱え座り込んだ人物があった。
人物は太い線で輪郭だけが描かれ、その周り、残りの背景色の部分は、頭部とほぼ同じ大きさの丸で埋められていた。

画を見て異様な思いがして、わたしがこんなものを描いたはずは無いと講師に言ったところで場面は変わった。


線の練習は、横山大観の画集の解説で読んだ内容と、高校の美術の授業で講師から聞いた話が影響しているとわかる。
残りは何なのか、元ネタが思い浮かばない。
コメント
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