名古屋でのフェアが始まって今日で三日、今日も遠くから様々なお客様にお越しいただき、サロンではおしゃべりに楽しく花が咲いています。
さて、11月に入ると共に次回の買付けに行くことになっている私達。今回は飛行機チケットはもちろん、滞在するホテルの予約も早々とすべて済ませたのですが、同時期に買付けに行く仲良しのアンティークディーラーとはよく電話でお互いに情報交換し、お互いの行く場所を確認し合ったりしています。今回も、私達のすぐ後に買付けに行くことになっているディーラーから「ナンシーって行ったことある?」と電話がかかってきました。なんでも、アルザス地方のフェアまで行くので、ついでに寄ってみようと思ったとのこと。
この6月にパリからフランス西部のストラスブールを抜けドイツまで行くTGV(日本の新幹線のような高速鉄道)が開通したため、西に行く交通事情が飛躍的に早くなったのです。以前ですと、パリ東駅から、ゴシックの教会やシャンパーニュの産地としても有名なランスまでは1時間30分かかっていたのが、TGVが開通してからはたった45分で行けるようになったことからもその早さが分かろうというもの。ナンシーは、同じ路線の更に向こう。私が数年前に行ったときには在来線しかなかったので、パリから2時間40分かかり、それでも何とか日帰りした覚えがありますが、今だったらなんと1時間30分しかかかりません。
その当時、私はナンシーで買付けをする気は全然無く、ただただガレやドーム、マジョレールが活躍したアール・ヌーボーの発祥の地であるナンシーの街と、ナンシー派美術館に行くことが目的だったので、思わず電話で彼女に「アール・ヌーボーのミュージアムにも行ってきたらいいし、街中にアール・ヌーボーの建築が残っていて面白いよ!いいところだよ、ナンシーは!」と嬉々として告げたのでした。もっとも彼女の目的は買付けだったので、私の意見は全くの見当違いだったのですけれど…。
そんなことで、久し振りにアール・ヌーボーに溢れていたナンシーの街を思い出しました。その当時はまだデジカメを持っていなくて、愛用の一眼レフを持って行って沢山写真を撮ったのですが、果たしてあの写真はいったいどこに行ってしまったのかしら?街中の建築にアール・ヌーボーの名残が認められてそれは興味深かったのですが…。
そうそう、ひとりで(その頃はまだ河村とも知り合う前でした。)ナンシーの街角のカフェテリアで食事をしようとした時のこと、そこはセリフサービスのカフェテリアだったのですが、食事をするシステムが良く理解できず、何をどうチョイスして良いのか分からなかった私に、駆け寄ってきて親切に教えてくれたのが隣のテーブルで手話で楽しそうにお話をしていたカップルでした。今よりも更にフランス語が分からず困っていた私のことをすぐに理解し、何も言葉を発しなくても、まるで「これはああして…」というように的確に教えてくれ、その親切にとっても感動したものでした。アール・ヌーボーの建築と共に忘れられない心に残る出来事です。
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「買付け日記」完了しました!どうぞ今回の買付けの様子をお楽しみ下さい。
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