雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(34」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/144(2020/7/18/土】1年振りに本屋を覗いた。出版界では昔から「悪書は良書を駆逐する」と自嘲的、自虐的に言われてきた。
「不本意ながらもよく売れる軽佻浮薄な本で稼ぎ、その儲けで3年で初版2000部をようやく売り切るというような学術的に価値のある本を出して矜持を保ちたい」という意味である。
今でも出版人は戦前の岩波書店のように「出版文化」を大事にしたいという思いは残っているのだ。「構想から30年、〇〇先生は鬼籍に入り、編集部の新人はいつしか白髪三千丈、今ここに初版を世に問うに至り、感慨無量の思い、云々」・・・そういう世界。
買って、読んで、本棚に収め、折に触れて再読する本を良書とするなら、書店の良書スペースは今や良くても1割だろう。
つまり良書志向(教養嗜好・知性思考)の人は1割。それ以外の9割は、
「面白ければすべて良し、それのどこが悪いんだ、偉そうに、くそヂヂイが!」
「うるさいわね、いい加減にしてよ、気分良く楽しんでいるんだからほっといて!」
という良書に縁がない人で、概ね話題の本とかタレント本を好む。
書店の本は書棚で売れるのを待っているだけではない。
「ちょいと、メガネのおヂイさん、チョンマゲの怪しい人、そう、あなたよ、どう寄ってかない、見るだけでもいいからさ、雨でしょ、それにコロナ、もう暇なのよ、ちょっとだけなら見放題、良かったら買って、ね、お、ね、が、い」
本は人を見てデンパを飛ばすのだ。♂本だと「おい、お前だよお前、暇そうだな、俺を読め、俺を・・・ちっとは脳みその肥やしにはなるぜ。スッポン、朝鮮ニンジン、バイアグラ、エディケア・・・あっちの効き目は保証できんが、脳細胞はピンピン、まるで青春だぜ。ボケが嫌なら買ってけ!」
というわけで幻冬舎を創業した見城徹著「読書という荒野」を手に取った。さすがプロだから帯(おび、業界では「腰巻」という)が上手い。「認識者から実践者へ。実践しなければ読書じゃない。本は、人生を切り開く最も身近で決定的な武器だ」
この方は小生と同学年、東大入試が中止になったので慶応へ。ブントで暴れたが、頭が良すぎて吉本隆明にかぶれ脱党したものの、出版人として大成功。
それでも青春不完全燃焼のためか「あしたのジョー」を目指してリングデビューしたいようだ。「真っ白な灰になりたい、完結したい」、そのローザン系バックトゥザパースト志向が面白そうなのでカゴに入れた。
その棚の裏側に回ったら新たなデンパ。「やあ、久し振り、ボクのこと覚えてる?」と声をかけてきたのは伊藤貫先生だ。小生より2個下、1953年生まれだ。
「新著出したよ、良かったらどーぞ」。で「歴史に残る外交三賢人 ビスマルク、タレーラン、ドゴール」もカゴへ。
伊藤貫氏の「中国の核が世界を制す」は14年前の2006年に読んで大いに勉強なったが、本書「歴史に残る外交三賢人」はコレラ禍直前の2月10日発行で、コレラ禍が世界の地政学を大変革する直前の論考である。
図らずも氏の新作はブスブス煙が上がり始めた千載一遇の激動期、新しい世界に投じられた「貫氏の兵法」だ。
小生は「中共殲滅、支那解放」で頭がいっぱいだが、「中共の後始末」、つまり中共後のソフトランディングまで考えなければならなくなった。
14億の面倒・・・自分一人の始末でも四苦八苦しているのに・・・
かくすれば かくなると知りながら やむにやまれぬ 大和魂(松陰先生)
大清帝国が阿片戦争でケチが付き始めたのが1840年、帝国崩壊は1912年。ふらふらしながらも72年も延命したのは大したもので、庶民は統治が緩んだのでそれなりに自由で、結構暮らしに満足していたようだ。
中共建国の1949年からは71年だが、ここ5~10年ほどで飢餓禍はようやくなくなったようだ。習近平も貫氏と同じ1953年生の67歳だが、習近平は絶滅したはずの毛沢東菌による人災を復活させ、パンデミックで世界を揺るがすつもりのようだ。まるで文革の戯画禍。
占いの生方吉子先生の昨年12月の見立てでは習近平の2020年は良くない。
「とかく厄介なことが起こり、思いどおりにならない、計画が頓挫するといったことが起こります。前厄のときは、良くも悪くも世間の注目を集めるときですが、習近平主席には「破」がついているので、どちらかと言えば、良くないことが発覚する可能性が高いようです。中国国内で習近平主席に対する評価に変化が起こるのかもしれません」
ネットにはこんな解説もあった。
<1953年(癸巳)二黒土星で巳(へび)年生まれの人は、とても努力家。アイデアマンで、計画力や企画力に長けて高い能力を発揮します。努力家のため、目上の人に引き立てを受けることも多いです。
猜疑心が強く、疑り深いタイプです。また、依頼心が強く、決断力に欠ける面も持っています。疑い深い気持ちが強く出過ぎると、信用を失います。また、人に合わせるのが苦手で、自分の考えを否定される事を嫌います>
当たるも八卦、当たらぬも八卦、みたいな・・・
中国共産党は来年、2021年に結党100周年だが、ロシア社会民主労働党(ボリシェベキの前身)は結党が1898年、崩壊が1989年、91年の寿命だった。
中共結党の翌年、1922年には日共も結党している。ロシア革命の実情が分からないままに世界中の初心な青年がマルクスボーイになってしまった。悲劇であり喜劇、レーニン、スターリン、やがて毛沢東に騙され、悲惨な目に遭う。
今でもアカはリベラル≒アカモドキとして堂々と生きている。不思議と言えば不思議なのだが、宗教と一緒で巨大な利権だから、いずこの国、特に先進国では「思想信条信教の自由」の手前、「邪教邪論だ!」と叩き潰すわけにはいかない。人口が半減してしまう。
コロナ禍で火がついた「中共殲滅支那解放」戦争、我々はいかに戦うべきか、伊藤貫氏の「歴史に残る外交三賢人」から、共に学んでいこう、イザ!
<本書はリアリズム外交の実態を理解していただくために書かれた。リアリズム外交はバランス・オブ・パワー外交(勢力均衡外交)とも呼ばれる。
国際政治において最も強力な覇権国をカウンター・バランス(塩梅)して、勢力均衡の状態を作ろうとするというリアリズム外交のパターンは、(記録の残る)古代ギリシャから現在までの25世紀間、基本的に変わっていない。
ビスマルク、タレーラン、ドゴールは、国際政治におけるバランス・オブ・パワーの維持を目的として、自国の外交政策と軍事政策を運営した人物である。個性的でダイナミックな人であり(≒孤立を恐れない変人奇人哲人)、知的、文化的にも洗練されていた。
3人とも頭が良くて討論能力に長けており、しかも深い思考力を持つ人物であった。彼らはしばしば同時代の「思想の潮流」や「圧倒的な世論」や「既成の政治勢力」に対抗してバランス・オブ・パワー外交を実践するために孤立を恐れず奮闘した勇敢な外交家であった。
読者が国際政治史を学ぶのに、最も役に立つのはビスマルクである。彼は歴史上初めて、常に数十、数百に分裂していたドイツ民族を統一した大政治家であり、建国後のドイツを欧州大陸の最強帝国に育て上げて、19世紀後半の欧州外交を牛耳ったのである。
欧州諸国が何故、20世紀に悲惨な世界大戦を二度も巻き起こしたのかという事情も、19世紀後半期のビスマルク外交を理解しなければ分からない。
現在の日本外交の苦境を理解するのに最も役に立つのは、ドゴールの外交思想と国家哲学である。「国際政治の一極構造や二極構造は長続きしない。国際政治は必ず多極化し、バランス・オブ・パワー外交が復活する」と1960年代から予言していた。
冷戦期の米ソ二極構造が1991年に終焉し、その後のアメリカ一極構造戦略が明らかに失敗してきたことを観察すると、ドゴールの先見性に驚かされる。ドゴールはさらに、
「米国の保護に依存しようという国は、『自国の運命を自分で決める』という責任感、意思決定能力を失ってしまい、知的・精神的な不毛国家となる」と述べていた>
コロナ禍は「中共殲滅支那解放」戦争を四半世紀は前倒しした、「これは我らにとって千載一遇のチャンスだ、中南海を包囲すべし」と思う指導者がG7、G8、G20の半分、国民でも5%あれば勝てる。
上手くいけばソ連のように政権から将兵が続々と離反し(給料が払えない!)、民心もすっかり離れ(食い物がない!)、無血革命によるソフトランディングの可能性もある。
中共は派閥の国である。習近平が主席就任後に身辺警護のガードマンを一新したのは、警備員に暗殺される恐れがあったからだろう。軍は習近平の足を引っ張るような事件、騒擾をしばしば起こす。現在のインド挑発も、軍は孫子の兵法のように「西に向かって罵りながら東を叩く」戦術をそっくり真似ているように見える。
尖閣への執拗な挑発も、習近平を引きずり落とすために上海閥や共青団派が意図的に強行しているのではないか。
日米英印豪加台などの有志連合で包囲網を強めていけば、中共内の習近平降ろし勢力が勢いを得て宮廷革命を起こし、第二次辛亥革命(自由民主人権法治の政変)の可能性もある。
長谷川良氏「 ウィーン発 コンフィデンシャル」7/18、「創設百年迎える中国共産党の弱点」から。
<コロナの感染拡大と初期段階の事実隠蔽が発覚し、中共政権と国家のイメージは一段と悪化してきた。欧米諸国はここにきて中国包囲網を構築する一方、中国の人権問題にも積極的に抗議する傾向が出てきた。
それに対し習近平は、国民に愛国心を懸命にアピールし、その批判に応戦している。
中国国民は騙されてはならない。共産党政権が叫ぶ愛国心はあくまでも一党独裁政治を堅持するための手段に過ぎないのだ。
共産党政権は過去、中国本来の伝統的文化を破壊し、一党独裁の国家を樹立するために、多数の同胞を粛正してきた。その点、スターリン時代のソ連共産党と同様だ。
中共政権は今後、状況が厳しくなれば愛国心を国民にアピールし、中国を批判する政治指導者や欧米のジャーナリストに反中政治家、反中ジャーナリストの烙印を押して批判をかわそうとするだろう。
欧米諸国は今後、「我々は中国国民を支援する。国民の基本的権利を蹂躙する中国共産党政権を打倒しよう」と呼びかけるべきだ>
敵は中共であり、中国国民は我々の同志だ、友だ、敵を間違えるな、ということだ。それは分かるけれど、中国国民とは漢族であり、それ以外の民族を卑しい蛮族だと思っているのではないか。
我が長女の親友である漢族エリートは同じ漢族であっても庶民、貧乏人を下層階級どころか汚物のように嫌っている。事大主義で、強い方になびく、紅衛兵の暴れ方を見れば人権なんてお構いなしだ。
漢族の初期設定は蓄財蓄妾美酒美食、それこそが正義、倫理で、そこには「清く正しく美しく」なんてあり得ない。「古い友人」と言うのは私利私欲、ウィンウィンを飾っているだけである。
長谷川先生のような良識的なインテリは世の中は清らかな愛で動くべきだと思い、一方、ひたすら戦争を研究してきた地政学者は「嫌われようが非難されようが、どんな汚い手を使っても世界の安定はバランス・オブ・パワー戦略で行け」という。
世界はコロナ禍でお花畑妄想から目覚めつつある。バランス・オブ・パワー戦略などで新たな「中共後の世界秩序」「独立国家日本」を構築するのが今の我らの歴史的使命ではあるまいか。
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/144(2020/7/18/土】1年振りに本屋を覗いた。出版界では昔から「悪書は良書を駆逐する」と自嘲的、自虐的に言われてきた。
「不本意ながらもよく売れる軽佻浮薄な本で稼ぎ、その儲けで3年で初版2000部をようやく売り切るというような学術的に価値のある本を出して矜持を保ちたい」という意味である。
今でも出版人は戦前の岩波書店のように「出版文化」を大事にしたいという思いは残っているのだ。「構想から30年、〇〇先生は鬼籍に入り、編集部の新人はいつしか白髪三千丈、今ここに初版を世に問うに至り、感慨無量の思い、云々」・・・そういう世界。
買って、読んで、本棚に収め、折に触れて再読する本を良書とするなら、書店の良書スペースは今や良くても1割だろう。
つまり良書志向(教養嗜好・知性思考)の人は1割。それ以外の9割は、
「面白ければすべて良し、それのどこが悪いんだ、偉そうに、くそヂヂイが!」
「うるさいわね、いい加減にしてよ、気分良く楽しんでいるんだからほっといて!」
という良書に縁がない人で、概ね話題の本とかタレント本を好む。
書店の本は書棚で売れるのを待っているだけではない。
「ちょいと、メガネのおヂイさん、チョンマゲの怪しい人、そう、あなたよ、どう寄ってかない、見るだけでもいいからさ、雨でしょ、それにコロナ、もう暇なのよ、ちょっとだけなら見放題、良かったら買って、ね、お、ね、が、い」
本は人を見てデンパを飛ばすのだ。♂本だと「おい、お前だよお前、暇そうだな、俺を読め、俺を・・・ちっとは脳みその肥やしにはなるぜ。スッポン、朝鮮ニンジン、バイアグラ、エディケア・・・あっちの効き目は保証できんが、脳細胞はピンピン、まるで青春だぜ。ボケが嫌なら買ってけ!」
というわけで幻冬舎を創業した見城徹著「読書という荒野」を手に取った。さすがプロだから帯(おび、業界では「腰巻」という)が上手い。「認識者から実践者へ。実践しなければ読書じゃない。本は、人生を切り開く最も身近で決定的な武器だ」
この方は小生と同学年、東大入試が中止になったので慶応へ。ブントで暴れたが、頭が良すぎて吉本隆明にかぶれ脱党したものの、出版人として大成功。
それでも青春不完全燃焼のためか「あしたのジョー」を目指してリングデビューしたいようだ。「真っ白な灰になりたい、完結したい」、そのローザン系バックトゥザパースト志向が面白そうなのでカゴに入れた。
その棚の裏側に回ったら新たなデンパ。「やあ、久し振り、ボクのこと覚えてる?」と声をかけてきたのは伊藤貫先生だ。小生より2個下、1953年生まれだ。
「新著出したよ、良かったらどーぞ」。で「歴史に残る外交三賢人 ビスマルク、タレーラン、ドゴール」もカゴへ。
伊藤貫氏の「中国の核が世界を制す」は14年前の2006年に読んで大いに勉強なったが、本書「歴史に残る外交三賢人」はコレラ禍直前の2月10日発行で、コレラ禍が世界の地政学を大変革する直前の論考である。
図らずも氏の新作はブスブス煙が上がり始めた千載一遇の激動期、新しい世界に投じられた「貫氏の兵法」だ。
小生は「中共殲滅、支那解放」で頭がいっぱいだが、「中共の後始末」、つまり中共後のソフトランディングまで考えなければならなくなった。
14億の面倒・・・自分一人の始末でも四苦八苦しているのに・・・
かくすれば かくなると知りながら やむにやまれぬ 大和魂(松陰先生)
大清帝国が阿片戦争でケチが付き始めたのが1840年、帝国崩壊は1912年。ふらふらしながらも72年も延命したのは大したもので、庶民は統治が緩んだのでそれなりに自由で、結構暮らしに満足していたようだ。
中共建国の1949年からは71年だが、ここ5~10年ほどで飢餓禍はようやくなくなったようだ。習近平も貫氏と同じ1953年生の67歳だが、習近平は絶滅したはずの毛沢東菌による人災を復活させ、パンデミックで世界を揺るがすつもりのようだ。まるで文革の戯画禍。
占いの生方吉子先生の昨年12月の見立てでは習近平の2020年は良くない。
「とかく厄介なことが起こり、思いどおりにならない、計画が頓挫するといったことが起こります。前厄のときは、良くも悪くも世間の注目を集めるときですが、習近平主席には「破」がついているので、どちらかと言えば、良くないことが発覚する可能性が高いようです。中国国内で習近平主席に対する評価に変化が起こるのかもしれません」
ネットにはこんな解説もあった。
<1953年(癸巳)二黒土星で巳(へび)年生まれの人は、とても努力家。アイデアマンで、計画力や企画力に長けて高い能力を発揮します。努力家のため、目上の人に引き立てを受けることも多いです。
猜疑心が強く、疑り深いタイプです。また、依頼心が強く、決断力に欠ける面も持っています。疑い深い気持ちが強く出過ぎると、信用を失います。また、人に合わせるのが苦手で、自分の考えを否定される事を嫌います>
当たるも八卦、当たらぬも八卦、みたいな・・・
中国共産党は来年、2021年に結党100周年だが、ロシア社会民主労働党(ボリシェベキの前身)は結党が1898年、崩壊が1989年、91年の寿命だった。
中共結党の翌年、1922年には日共も結党している。ロシア革命の実情が分からないままに世界中の初心な青年がマルクスボーイになってしまった。悲劇であり喜劇、レーニン、スターリン、やがて毛沢東に騙され、悲惨な目に遭う。
今でもアカはリベラル≒アカモドキとして堂々と生きている。不思議と言えば不思議なのだが、宗教と一緒で巨大な利権だから、いずこの国、特に先進国では「思想信条信教の自由」の手前、「邪教邪論だ!」と叩き潰すわけにはいかない。人口が半減してしまう。
コロナ禍で火がついた「中共殲滅支那解放」戦争、我々はいかに戦うべきか、伊藤貫氏の「歴史に残る外交三賢人」から、共に学んでいこう、イザ!
<本書はリアリズム外交の実態を理解していただくために書かれた。リアリズム外交はバランス・オブ・パワー外交(勢力均衡外交)とも呼ばれる。
国際政治において最も強力な覇権国をカウンター・バランス(塩梅)して、勢力均衡の状態を作ろうとするというリアリズム外交のパターンは、(記録の残る)古代ギリシャから現在までの25世紀間、基本的に変わっていない。
ビスマルク、タレーラン、ドゴールは、国際政治におけるバランス・オブ・パワーの維持を目的として、自国の外交政策と軍事政策を運営した人物である。個性的でダイナミックな人であり(≒孤立を恐れない変人奇人哲人)、知的、文化的にも洗練されていた。
3人とも頭が良くて討論能力に長けており、しかも深い思考力を持つ人物であった。彼らはしばしば同時代の「思想の潮流」や「圧倒的な世論」や「既成の政治勢力」に対抗してバランス・オブ・パワー外交を実践するために孤立を恐れず奮闘した勇敢な外交家であった。
読者が国際政治史を学ぶのに、最も役に立つのはビスマルクである。彼は歴史上初めて、常に数十、数百に分裂していたドイツ民族を統一した大政治家であり、建国後のドイツを欧州大陸の最強帝国に育て上げて、19世紀後半の欧州外交を牛耳ったのである。
欧州諸国が何故、20世紀に悲惨な世界大戦を二度も巻き起こしたのかという事情も、19世紀後半期のビスマルク外交を理解しなければ分からない。
現在の日本外交の苦境を理解するのに最も役に立つのは、ドゴールの外交思想と国家哲学である。「国際政治の一極構造や二極構造は長続きしない。国際政治は必ず多極化し、バランス・オブ・パワー外交が復活する」と1960年代から予言していた。
冷戦期の米ソ二極構造が1991年に終焉し、その後のアメリカ一極構造戦略が明らかに失敗してきたことを観察すると、ドゴールの先見性に驚かされる。ドゴールはさらに、
「米国の保護に依存しようという国は、『自国の運命を自分で決める』という責任感、意思決定能力を失ってしまい、知的・精神的な不毛国家となる」と述べていた>
コロナ禍は「中共殲滅支那解放」戦争を四半世紀は前倒しした、「これは我らにとって千載一遇のチャンスだ、中南海を包囲すべし」と思う指導者がG7、G8、G20の半分、国民でも5%あれば勝てる。
上手くいけばソ連のように政権から将兵が続々と離反し(給料が払えない!)、民心もすっかり離れ(食い物がない!)、無血革命によるソフトランディングの可能性もある。
中共は派閥の国である。習近平が主席就任後に身辺警護のガードマンを一新したのは、警備員に暗殺される恐れがあったからだろう。軍は習近平の足を引っ張るような事件、騒擾をしばしば起こす。現在のインド挑発も、軍は孫子の兵法のように「西に向かって罵りながら東を叩く」戦術をそっくり真似ているように見える。
尖閣への執拗な挑発も、習近平を引きずり落とすために上海閥や共青団派が意図的に強行しているのではないか。
日米英印豪加台などの有志連合で包囲網を強めていけば、中共内の習近平降ろし勢力が勢いを得て宮廷革命を起こし、第二次辛亥革命(自由民主人権法治の政変)の可能性もある。
長谷川良氏「 ウィーン発 コンフィデンシャル」7/18、「創設百年迎える中国共産党の弱点」から。
<コロナの感染拡大と初期段階の事実隠蔽が発覚し、中共政権と国家のイメージは一段と悪化してきた。欧米諸国はここにきて中国包囲網を構築する一方、中国の人権問題にも積極的に抗議する傾向が出てきた。
それに対し習近平は、国民に愛国心を懸命にアピールし、その批判に応戦している。
中国国民は騙されてはならない。共産党政権が叫ぶ愛国心はあくまでも一党独裁政治を堅持するための手段に過ぎないのだ。
共産党政権は過去、中国本来の伝統的文化を破壊し、一党独裁の国家を樹立するために、多数の同胞を粛正してきた。その点、スターリン時代のソ連共産党と同様だ。
中共政権は今後、状況が厳しくなれば愛国心を国民にアピールし、中国を批判する政治指導者や欧米のジャーナリストに反中政治家、反中ジャーナリストの烙印を押して批判をかわそうとするだろう。
欧米諸国は今後、「我々は中国国民を支援する。国民の基本的権利を蹂躙する中国共産党政権を打倒しよう」と呼びかけるべきだ>
敵は中共であり、中国国民は我々の同志だ、友だ、敵を間違えるな、ということだ。それは分かるけれど、中国国民とは漢族であり、それ以外の民族を卑しい蛮族だと思っているのではないか。
我が長女の親友である漢族エリートは同じ漢族であっても庶民、貧乏人を下層階級どころか汚物のように嫌っている。事大主義で、強い方になびく、紅衛兵の暴れ方を見れば人権なんてお構いなしだ。
漢族の初期設定は蓄財蓄妾美酒美食、それこそが正義、倫理で、そこには「清く正しく美しく」なんてあり得ない。「古い友人」と言うのは私利私欲、ウィンウィンを飾っているだけである。
長谷川先生のような良識的なインテリは世の中は清らかな愛で動くべきだと思い、一方、ひたすら戦争を研究してきた地政学者は「嫌われようが非難されようが、どんな汚い手を使っても世界の安定はバランス・オブ・パワー戦略で行け」という。
世界はコロナ禍でお花畑妄想から目覚めつつある。バランス・オブ・パワー戦略などで新たな「中共後の世界秩序」「独立国家日本」を構築するのが今の我らの歴史的使命ではあるまいか。
全国3500万ヂヂババ同志諸君、夜明けは近い! イザ戦わん、あの世も近いぜ! 靖国で逢おう!(2020/7/18)