ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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ハーグ条約の適用?

2014年11月19日 16時18分50秒 | 相続
 毎日新聞によると
 『国境を越えて連れ去られた子の扱いを定めたハーグ条約に基づき、スリランカに住む父親が、母親と日本に帰国したまま戻らなかった娘の返還を求めた審判で、大阪家裁は19日、父親の主張を認めて娘を返すよう母親に命じる決定を出した。4月に日本で条約が発効して以降、子の返還を求めた国内の審判で決定が出されたのは初めてで、日本の裁判所が海外に住む親の元に子を返すよう命じた最初の事例となった。
 代理人弁護士らによると、40代の父親、30代の母親、女児(4)の3人家族で、ともに日本国籍。家族は父親の仕事の都合でスリランカで暮らしていたが、6月に一家で一時帰国。父親は一旦スリランカに戻り、7月に再び日本に帰国。その際に父親に娘を引き渡す約束だったが、母親は引き渡しを拒んだ。当初は話し合いによる解決を図ったが、双方の主張が食い違い、父親が審判を申し立てた。
 大阪家裁(大島真一裁判長)は、娘が学校に通っていたことなどからスリランカに生活拠点があったと認定。スリランカで暮らしても娘の成育に重大な悪影響はなく、母親に娘の引き渡しを拒否する正当な理由はないと判断した。母親は決定に納得できない場合、大阪高裁に即時抗告することができる。
 4月のハーグ条約発効後、母親と一緒に英国に渡った子を父親のいる日本に戻すよう英国の裁判所が命令するなど、海外の裁判所が日本への返還を命じたケースはある。国内では、東京家裁でも海外に住む親が日本で暮らす子の返還を求める審判が進んでいる』とのことです。
 ここで言うハーグ条約を含めて,条約は,本来,国家間の契約であり,個人には直接適用され得ません。しかし,我が国が,ある条約を締結(加入)して,それを沿った形で国内法(今回の場合には,「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」を制定・整備すると,あたかも条約が適用されたように見えるのです。
 なお,「ハーグ条約」とは,一般には,オランダのハーグで行われたハーグ国際私法会議において締結された国際私法条約の総称ですので,その点も注意が必要です。
 
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